最近、オンライン商談会に参加されていると聞きました、
いかがですか。
う~ん・・・。
手ごたえがあるようで、ないようで。
あんまり良く分からないです。
先方が本当に食いついているかどうかが読み取れないし、
オンライン商談会の最後に「それでは検討しておきます」と言われて、必要な資料を送っても、その後、音沙汰は無いし、、、ですか?
そうなんですよ!
今は、行政のサービスで、海外向けオンライン商談会の無料参加ができるので、いろいろ申し込んでますが、
そしてもちろん、パコ先生がいつもキィーーーとなって言ってる、もとい、口を酸っぱくしてアドバイスしてくれるように、英語のプレゼン資料もちゃんと作って準備して、臨んでいるのに、
しかも相手は外国人なのに、能面みたいにノーリアクションなんです。いや、リアクションしていると思いますが、私にとっては伝わってくるものが少なくて、”可能性はあります?無いです?、え、どっちです?”と心の中でオーイと叫びながら、悶々としているんです。
もう3回くらい、こんな感じで。。。
オンライン商談会はもういいかな・・って、こんなの続ける意味あるのかなって、思ってます。。
これ、社長には黙っててくださいね。
何を、黙っててほしいって?
社長、いらしたんですね。
!!
す・す・す・すみません、ええっと、そのぅ・・・
オンライン商談会は、リアルの商談会とは、前提条件も、準備のレベルも異なるため、そもそも、そんなに簡単ではないのです。
そうなんですね。
オンライン商談会が難しい理由
1 ”好ましい礼儀”が期待できない
オンライン商談会が難しい理由の1つに、”好ましい礼儀”が期待できないことがあげられます。実はリアルの商談会は、『商談のコアの部分』と”好ましい礼儀”の2つがセットとなって成り立っています。
”好ましい礼儀”とは例えば下記の様な”気づかい”、です。
- 目の前に相手がいるため、双方で最低限の礼儀を尽くそうとする。
- セールスを受ける側も100%受け身ではなく、会話が循環するよう、適宜あいづちや質問をしてパスを返そうとする。
- もしセールスする側が提供する資料や情報に何らかの不足や課題があると、”気づかいパス”が滞るという反応がその場で得られ、次に向けてのToDoが何となく分かり、”有り”or”無し”の判断もつきやすく、ゼロ回答だけは回避して終われる。
一方で、オンライン商談会では、会の始まりこそ、”好ましい礼儀”を総動員しようと互いに努めますが、
- 目の前の相手は本物でリアルタイムにも拘らず、画面を通すと反応が直接的には感じづらい。社内でのオンライン打ち合わせとは異なる緊張感がある。
- セールスを受ける側は、よほど(買いたい場合)を省き、会話が循環するような努力を、自然に、割愛して、座っている。その態度は顧客の中では無意識だけに、どうして?とこちらからは言えない。商談を円滑に前に進める協力機能がひそかにオフになっている。
セールスする側は、得られる少ない情報の中でひとり模索し、焦りはじめる。 - セールスする側が提供する資料や情報に何らかの不足があると、その点のフォローと次に向けての道筋は、セールスする側が全力で形づけなければならない。
もはや対面商談の時とは、立場の比重やクオリティ自体が別モノとなっている。
まさに!!
そんな感じです。
対面の時は、商談の内容そのものに集中できるのに、オンライン商談会では、そこにたどり着いていない感じというか、お客さまの心を捉えていない不安、無力感がハンパないです。
そうなんですね。
無力感、ドットきますよね、分ります。
でもね、
これはある程度、しょうがないんです。
みなさんだって、もし逆の立場になったら、いつもの”好ましい礼儀”は総動員していないと思います、それも無意識です。
それが普通なんです。
じゃあやっぱり・・・・、
オンライン商談会は・・・・、
ジ・エンドなんですね。
2 アドリブとは、相性がよくない
そんなことはありません。
オンライン商談会は、リアルで通用した、アドリブ進行とは相性が良くないだけです。
先方からの”好ましい礼儀”が全くなくても進む前提で、セールストークと資料活用を組み立てないといけないのです。
オンライン商談会でも、成果を出している企業さまもいらっしゃいます。
でもぉ・・・・。
いちお、商品の検討をしたいとのことで、アポイントも取れて、そういう意味では、双方の立場は同等なはずなのに、
いざ始まってみると、こちらが頑張らないといけない、目に見えない仕事が、めちゃくちゃ多い様な気がします。
それが何かは分からないけれど・・・。
もしかして、、、
その目に見えない仕事が、キーなのではないですか、オンライン商談会では?
おっしゃるとおりです!
オンライン商談会の改善策3つ
1 目線合わせ
オンライン商談会とはいえ、忙しい中、お互いに時間を作って、臨んでいます。商談のはじめに、本日の目的とゴールを、簡単に目線合わせしておくと良いでしょう。
・本日の進め方
・本日の参加理由
・本日のお互いのゴール
・先方の、今現在のお困りごと
・現地と当地の、市場/業界の情報交換
ちょっと、恥ずかしいかもしれませんが、ちゃんとご自身で司会進行をしてくださいね。
対面の商談では、いちいち言わないことも多いですが、オンラインでは、最初に宣言してしまって先方の反応を見ながら進めると良いでしょう。
一番良くないのは、目線合わせをしないで、いきなりプレゼンを始めることです。これで相手から受注するのは難しく、「また何かあれば連絡します」、で終わるのが関の山でしょう。
その山、何回か見たかもしれないです(ガックリ)・・・。
(ドンマイ・・・)
2 一人ボケとツッコミ練習
先方からの”好ましい礼儀”が無いということは、先方の受け身度が相当高いということで、それは裏を返せば、商談全編で主導権を握ることが、頑張り次第で出来る、ということです。
この際、商談の脚本を作ってしまいましょう。
お客さまのリアクションを、様々に想定して、営業トークを前もって組み立てておく、ということですね。
ええっと、それって普段からしていなかったかい?
ウチで、しているよね?
はい、そのくらいのことなら、いつもしていることです。
営業トークは私の頭の中に入っていますし、ケースに応じて臨機応変に・・・
フフッフ、そこが、落とし穴なんです。
それはリアルの商談会での臨機応変さであり、
リアルで通用した準備ですよね。
”脚本”と表現したのは、決して誇張ではなく、
全部書いてみてほしいからです。
3 オンライン用プレゼン資料最適化
B2Bの場合、
・こういう話が来れば、こう答える、この資料を見せる、
・関心が低めであれば、この事例と実績をこのURLと共に説明する、
・かなり関心が低いようなら、業界情報提供に切り替える、
・その時の話題はまずは自動車、次に半導体、最後に医療機器
とここまで、3分30秒
・競合情報はここまでは知っているだろうけれど、反応を見て追加情報の開示有無を決める、
・もし食いついてきたら、商品の話に誘導して、商品購入のメリットに含めて、競合との差を強調する、
・競合がなぜ追従できないかは、別資料と共に客観数字で説明する、
・これは発注書を頂けたらエビデンス詳細を提供するバーターとする
この間に想定されるQ&Aは・・・・
などなど、
ここでのポイントは、プレゼン資料や、マニュアル通りのセールストークを有効活用しつつも、
会話の端々で見え隠れするニーズや、疑問は決して見逃さず、都度、データ、画像、図表、写真などを使って、小さな満足感を一緒につくりあげていく、
あるいは端的に言葉で説明して、納得感を共有していく、ということです。
一方、
B2Cの場合は、
・オンラインショッピングで売れているTOP10に入っていること、あるいはニッチ売り上げのTOP10であることのエビデンス画像
・店舗ディスプレイ画像や小売店の声とリピート理由
・抱き合わせでの棚全体の商品施策の具体例、資料提供
とここまで4分30秒
・SNS、メディアでの評価
・コロナ禍での売れ行きの特徴、今後の想定
・最近取引が始まったバイヤーからの評価
・具体的な取引条件、原料不足と輸送費高騰での値上がり懸念、今が買い時のPR
等々・・・
これらを、時間を計りながら、画面の向こうにお客さまがいると思って、実際に資料共有の操作をしながら、ハキハキと話す練習をするのです。
練習してみると、対面でのプレゼン資料と異なり、
その時々の顧客ニーズに応じて見せる資料やデータや画像が、こまかく必要だったり、直接のURLの共有で事足りたり、
あるいは食いつきに応じていっそトークのみに切り替えたり、といった臨機応変さが、より必要になる、と気づきます。
だからこそ、何度も何度も、海外顧客を想定して、一人ボケとツッコミの練習をしてみるのです。
いいですね、そこまでしたことは、さすがにないだろウチでは?
・・・・・・。
無いですよ。
一人ボケとツッコミの練習って、一体。。。。
(かんべんしてくださいよ~、
社長、ノリノリじゃないですか、んもう==!!)
オンライン商談の結果、即買いに至らずとも、
「今日は話せてよかった、また連絡していいですか?」
という言葉を、海外顧客候補から引き出せたとしたら、それはそれで、まずは、いったん、上出来ではないですか~~
だってコロナ禍の海外展開なんですもの、
下を向かずに、Just Keep Going !!