
海外向けの価格設定って、どうやって決めたらいいのか分からなくて…
悩んでます!

うん、悩みますよね。

ネットで調べても、「国際輸送+関税=価格設定」みたいな話ばかりで…。
実際の事例や取引の流れが分かる紹介記事も見当たらないし、本当にそれで合ってるのか…自信が持てなくて。

そう、そこが大事な視点なんです。
実は、価格設定の方法って、単純な費用加算だけじゃ足りないんです。
海外対応費は仕様水準で変わる

海外向けに商品やサービスを展開する際には、貿易にかかる費用だけではなく、国内仕様では発生しないコストも加わってきます。

やっぱり…。
設定の仕方ひとつで利益が大きく変わってきそうですね。

それを悩んでいたのか。
早く言ってくれれば良かったのに。
…とはいえ、これは担当者一人で決められる話じゃないよな。

そうなんです…。
でも何から考えたら良いか分からなくて。

たとえば、「どこまでの費用を海外販売価格に含めるか」という話だよね。

まさにそこです!
関税、通関手数料だけでなく、現地で必要な規制準拠費用(認証費用)、海外向け特別仕様、販売代理店との取引コストまで、
- どの費用を価格に含めて、
- どのタイミングで回収するのか、
それを明確にする必要があるんです。
価格設定は海外ビジネス設計が土台

たとえば海外向けに製品仕様を変更すること
――それも価格設定に影響する要素のひとつですが、実はそれだけでは不十分です。
海外販売の価格設定には、もっと幅広い視点とコストの考慮が必要です。

…というと?

たとえば、現在の製品や体制が「どれだけ国内仕様か」によって、必要な準備コストは大きく変わります。
でも、もし海外向けの事業モデルが設計されているなら、価格の方向性も見えやすくなります。

想定している海外向けビジネスモデルが既にあるなら、価格設定しやすいってことですか?

そうです。
海外事業の全体像が見えていれば、価格を決めるための前提も自然と整理されてきます。
たとえば「輸出型」の場合に考慮すべきコストは、以下のようなものがあります:
- 海外の知的財産の権利取得費
- 環境・流通に関する各国の規制対応費
- 言語・異文化へのローカライズ費用
- 海外取引の商習慣に沿った変更コスト
そして「海外進出型」になると、これに加えて下記があります:
- 現地法令への対応コスト
- 取引先やパートナーとの契約管理や監査対応など、より広範な体制構築費

……思っていたより、ずっと複雑ですね。

だからこそ「価格」単体で考えるのではなく、
「どう稼ぐか=ビジネスモデル」から逆算して価格を設計するのが、
成功する海外展開の基本なんです。
海外進出時は初期費用に注意

さきほどの考慮すべきコスト、“影響のある要因”ひとつ一つに対して、必要になる費用は数十万円のこともあれば、数百万円になることもあります。
その差は、商品や進出先の国ごとに異なるからです。

なるほど。
たとえば初めての海外進出なら、こんなコストがかかってきますよね:
- 外国での知的財産権出願費用
- CEマーキングやUL規格などの技術基準への対応費
- 許認可・表示ラベル関連の申請コスト
- 契約書や保証書の現地化、信用調査や保険加入費
- 多言語化費用、異文化に合わせたWeb・販促資料の再構築

……多いですね。

はい。
でも、ここには理由があって――
「海外対応」といっても、“共通仕様”で済む場合もあれば、“国別仕様”が必要なケースもあるんです。
たとえば複数国を一気に狙うと、その分だけ通関や流通ルール、現地規制、契約内容がバラバラになります。
だからこそ、実際には1ヵ国から始める日本企業が多いんです。

たしかに…
その方が費用も読めそうです。

初年度は1ヵ国に集中して、その成果をもとに次国展開へ――というのが効率の良い方法です。
ただし、重要なのは以下の2点:
- 事前に「対応に必要な費用」を把握しておくこと
- それでも進めると意思決定しておくこと
海外取引の現場では、進めながら追加費用が発生し、対応が追いつかない…という日本企業をよく見かけます。
費用が読めていないと、せっかくの好条件案件を見送り、逆に費用が安く済むだけのレッドオーシャン市場に突っ込んでしまうことも…。
その結果、「費用が確保できず、途中で輸出を断念する」――
実はこれ、中小企業ではかなりよくある話なんです。

途中離脱だけは…避けたいです。

ですよね・・・。
価格設定の前に、海外ビジネスだけに発生する準備コスト「も」把握していることが重要です。
商材・国ごとに流通価格は違う

これまでは、「販売前の準備」にかかる費用について見てきました。
ここからは、「販売時の価格設定」――いわゆるプライシングの話になります。

価格設定って、現地で何社流通に関わるかが重要ですよね。

まさにその通りです。
たとえば:
- 現地の代理店やパートナーの手数料はどのくらいか
- 卸、小売までの間に何社が関わり、掛け率はいくらか
- 通関費、関税、現地物流コストなどがどの段階で加算されるか
これらをすべて考慮したうえで、初めて「価格設定」が行えるんです。

(…そんな情報、どうやって調べたら…)

海外では、商材別・国別で流通構造や設定基準がまったく違うので、
「正解」といえる「共通」や「標準」の価格表はほぼ存在しません。
検索しても、下記のような確度の高い一覧情報はほとんど見つからないと思います:
- 各国・業界別の流通掛け率表
- 各国の代理店コミッション相場
でも、次回そこを少しご紹介できればと思っています。
その前に、もう1つ押さえておきたい点があります。
- 海外事業用のビジネスモデルが確定
- 取引に関わる企業数と掛け率が明らか
この2点がそろえば、御社が「設定」する海外向け販売価格は算出できます。
しかし、現地の最終販売価格を御社が決定することは、ほぼ不可能なんです。

もしかすると、現地での“売価”は、販売代理店次第とか…?

おっしゃる通りです。

えっ、価格って自由なんですか!?
じゃあ私が現地行って、超プレミア価格で売りまくってきます!!(笑)

……いやいや、
現実とかけ離れた価格では当然ながら買ってもらえません。
市場相場とか、競合との比較も大切ですからね。

そ・そうですよね。
相手にされない価格だけは避けたいです…(汗)

はい。
おさらいしますと、「価格をどう決めるか」には、いくつか整理すべき視点があります。
- 誰が最終的に“売る”のか(販売経路)
- 現地での“売れ筋価格”の情報収集方法
- 自社が管理・コントロールできる“利益ライン”の確保
- そして、価格だけでなく「価値の見せ方」も含めた設定戦略
つまりプライシング=価格を決めるということは、
“戦い方を決める”ための思考整理が必要なんです。

なるほど…勉強するテーマ、見えてきました!

じゃあ次回までに、ぜひプライシングの考え方、
頭の中で一度整理してみてくださいね。

任せてください。
めっちゃ勉強しておきますから。

(ホントウかな??)
た・楽しみにしています!
・・・・いかがでしたか?
価格設定の「迷い」は、最初の一歩で解消できます!
海外向けの価格設定に「正解」はありませんが、「考える順番」と「判断の軸」は存在します。
当社では現在、中小企業の皆さま向けに『30分で分かる価格設定相談会』を実施中です。
\今なら初回30分、無料でご相談いただけます!/
- 自社商品に合った価格設定方法とは?
- 何を基準に、どこまでの費用を価格に含めるべき?
- 複数国展開や将来的な値付け戦略まで相談可能です。
ご希望の方は、下記フォームよりお気軽にお申し込みください。