海外営業の求人状況と課題
“海外営業 求人”で検索するとその業種や職種の一覧の多さに驚くかもしれません。
実際、海外向け営業活動を展開したいと考える中小企業や製造業、代理店モデルの企業は多く、魅力ある案件も増えています。
しかし海外進出をこれから始める小さな会社では、年収などの条件提示で大手に勝てず、いくらwebや媒体で募集を掲載しても応募は集まりにくいのが現状です。
求人を出し続けるにも費用や運営負担がかかり、そもそも募集自体をあきらめてしまっている中小企業も珍しくありません。
もちろん、既存事業を拡大・販路開拓するのとは異なり、ゼロからの顧客開拓=”火を起こす”作業はとても困難であり、想像以上に大きなエネルギーを必要とします。
それでも、全社で海外展開に取り組み、育成した担当スタッフが1〜2年かけて商談活動を行い、
顧客を獲得し、初めての契約を取り交わし、その後にヨーロッパやアジアといった新しい地域市場へ拡大していく
——その過程で得られる経験や成功体験は、言葉にできないほどのやりがいがあり、まさに海外営業の仕事の醍醐味です。
海外営業のロードマップやノウハウを活用し、文化や言語の違いを乗り越えて顧客との信頼関係を構築するプロセスは、
今後のビジネス成長に大きな影響を与えるでしょう。

海外の新規開拓は未経験でも可能?

英語で初めての営業は、緊張して手に汗握るかもしれませんが、国内での新規開拓も海外の新規開拓も、基本的な営業活動に大きな違いはありません。
見込み顧客のリストを作成し、適切な営業活動を行い、顧客のニーズや課題に即した提案を行うのが基本です。
営業ツールを顧客ごとにカスタマイズする、展示会やweb広告を活用して海外からの反応を集め、個別に対応する。
技術や製品そのものではなくを下記を伝えることが重要です。
- 「海外顧客が求める価値」
- 「今の状況をどう変えられるか」
海外営業が未経験でも、まずは国内営業から実践しておくことが成功への近道になります。
なぜなら、海外での新規開拓で成果を出しやすいのは以下の順だからです:
1位 英語が話せる営業経験者
↑
2位 英語が話せない営業経験者
↑
3位 英語が話せる未経験者
海外営業では、文化や環境が違う中での商談対応力、営業マニュアルの運用、ローカライズされた価格設定や販促コンテンツの整備など、多くの準備と柔軟な適応力が求められます。
海外市場の成長性を見据えた営業戦略を立てて、実践していきましょう。

海外営業での英語プレゼンの注意点

英語でのプレゼンテーションでは、日本語の起承転結ではなく
「結論→理由→事例→再結論」の流れが基本です。
日本語の資料をただ翻訳するのではなく、海外顧客に伝わりやすい構成・デザインを考慮してスライドを作成し、プレゼンの目的を明確にしましょう。
1スライド1テーマを原則とし、情報は通常の半分以下に絞り込むのが理想です。
自社の技術力ではなく、
「今の取引先から切り替えることで相手に何のメリットがあるのか」
がプレゼンの主軸になるように構成してください。
時間配分としては、5分のプレゼンテーションのあとに50分の質疑応答を設けるというのが理想です。
ゆめゆめ30分も1時間も一方的に話すプレゼンとしないこと。
相手の集中力が途切れスマホいじりが始まってしまいます。
話す順序や論理構成だけでなく、表情・姿勢・アイコンタクトといった非言語情報も重要です。
話すときは常に表情豊かに、背筋を伸ばして、相手の目を見て話します。
肩の力はすとんと抜いて仙骨を立てて歩きます。
結論を伝えた後に理由と事例を挙げ、再度結論で締めることで、印象深いプレゼンになります。
プレゼン中、プレゼン後のどのような質問にも完璧に答えられるよう事前の想定練習は必須。
質疑応答では「謝辞→結論→理由→結論」の構成で返答することで、論点が明確になります。
以下のようなテンプレートを用意しておくとよいでしょう:
例)
「ご質問をありがとうございます。
結論から言うと答えは○○です、理由は△△だからです。
一方で××という視点も最近重要視されはじめました。
将来に××となる可能性は大いに考えられます。
しかし現時点では少なくともあと3年主流は○○です。
ただ、××はどうなのか?との着眼点は大変鋭いです。
有益なご質問です、誠にありがとうございます。」
ここまで長くしなくとも、
質問をありがとう、結論は○○です、着眼点が鋭いですね、ありがとう、でも十分です。
プレゼンテーションのゴールは『相手に行動を促す』ことです。
- 海外企業から質問が出る
- 今後の進め方を聞かれる(担当者や資料のタイミングなど)
- 工場見学や上司との面会を打診される
- 「仮に○○というケースではどうなるだろうか」と相談される
- 見積もりや訪問を依頼される
こうしたリアクションが得られれば、そのプレゼンは成功だったといえるでしょう。

海外営業をリモートでする方法

会って確認すること1割、会わずに進められること9割。
コロナ禍を経て、世界中でリモート営業が当たり前の時代に変化しつつあります。
もともと日本の中小企業にとって、頻繁に海外出張を行うことは難しいため、リモート営業の工夫が今後ますます求められます。
重要なのは「海外顧客訪問をしていない期間に、どれだけ営業活動を進められるか」です。
ポイントは、相手企業内で“独り歩きする”資料やツールの整備です。
例えば、英語や中国語など現地言語で書かれた、メリットが明確に伝わる提案書、動画、営業メール、商品コンテンツなどを用意します。
また、海外顧客の購買行動(カスタマージャーニー)を理解し、適切な営業活動のプロセスを設計することが成果を左右します。
これらにはかなりの手間と時間がかかりますが、これをまたと無い機会ととらえ、新しい砦に到達することを目指すことで、
そこには大企業も中小企業も、日本も海外もない、
ただピンチをチャンスに変えることができた企業だけが居場所を持つ『未来』が待っていることでしょう。
世界レベルの無茶ぶり、たとえば:
- オンライン商談での音声や画像から、言外の言や、空気感までくみ取ること
- 初対面の場がもうクロージングの場であり、本番一発勝負となること
などにもめげず、
全世界の海外営業パーソンが今みな同じスタートラインに立つ中、
ぜひ日本の中小企業のビジネスパーソンとして、値千金の活躍を、世界中に見せつけてやろうではありませんか。

海外での新規開拓の方法について、今すぐできる気はしませんが(涙)、
やることは明確になった気がします。
もともと国内営業の経験もありますし、その点だけは自信がチョットだけ、芽生えてきました!!

頼もしい限りです。
自身で行動し、失敗し、客観的な評価を受け、反応を確認し、 考えて、修正する中で、はじめてノウハウは腹落ちしていきます。
それがやがて本物の血肉となり、誰にも奪われない自信へと変わるのです。
頭で理解していた「知識」が、手と足で経験した「知恵」へと昇華する
——そのプロセスこそが、海外営業における成長の本質。
その一歩一歩の積み重ねが、やがて自社の海外市場における確かな足跡となって刻まれていくでしょう。

知っていることと、出来ることは違うため、
せっかく教わったノウハウも、見たり聞いたり表面をなぞるだけでは、実際に再現するのは難しいですよね。
やはり行動することが、まずは重要ではないでしょうか。

仰るとおりです。
一番カンタンな異文化適応方法は何ですか? のところで、
海外市場で、行動を予知したコミュニケーションが取れるようになる方法をお伝えしましたが、
それらを専門家のどなたかとご一緒されるのもひとつの方法です。
それでも難しい場合は、パコロアの海外進出プロサービスのご利用も、ぜひご検討下さい。

(OJT支援があれば、海外での新規開拓の自走も夢でなくなる、ってやつですね)

(・・・・はい。)
さてさて。
この「海外営業」にて、海外進出の「輸出」のロードマップはいったんゴールに到着しました。
いったん、というのは、海外進出では、「輸出」だけではなく、「投資」という局面もあります。
現地に事務所や工場、店舗等を設立する場合は、「海外投資をする」 へと更にロードマップは続きます。
海外拠点を立ち上げや、海外現地での海外現地で市場調査(F/S調査)について、引き続き解説していますので是非、海外投資をするも合わせてお読みください。