製品のスペックでしょうか。
価格でしょうか。
会社案内でしょうか。
もちろんそれらも見ています。
しかし実際には、
「この会社は信頼できるのか」
「自分たちの課題を理解してくれそうか」
「問い合わせをしても大丈夫そうか」
を確認しています。
その判断材料の多くは、海外向けWebサイトにあります。
海外営業や展示会で興味を持った企業も、最終的にはWebサイトに戻り、会社概要、実績、技術情報、導入事例、問い合わせ方法などを確認します。
つまり海外向けWebサイトとは、単なる会社案内ではありません。
海外企業が取引するかどうかを判断するための情報を整理し、24時間365日伝え続ける営業ツールなのです。
このページでは、海外向けWebサイトがなぜ必要なのか、日本語サイトの翻訳だけでは不十分な理由、そして成果につながるWebサイトの考え方について整理します。


海外企業はWebサイトで何を見ているのか
海外企業は、問い合わせをする前にWebサイトを見ています。
展示会で名刺交換した後も、
紹介を受けた後も、
営業メールを受け取った後も、
まずWebサイトを開きます。
しかし、そこで見ているのは会社概要や製品一覧だけではありません。
実際には、
「どこまで海外対応できる会社なのか」
「本当にこの課題を解決できる技術を持っているのか」
「開発や人材に投資し、今後も事業を継続できるのか」
を確認しています。
つまり海外向けWebサイトとは、単なる会社案内ではありません。
海外企業が、御社の社長や営業担当者と会う前に、その会社の頭の中をのぞき見る場所なのです。
どれほど優れた技術や製品を持っていても、その技術力や実績に加え、英語での対応力、国際ビジネスルールへの理解、そして将来に向けた取り組みが伝わらなければ、海外企業は判断できません。
逆に、それらが整理されていれば、一度も会ったことがない海外企業であっても、
「この会社なら相談できそうだ」
「一度話を聞いてみたい」
と感じることがあります。
海外向けWebサイトの役割は、商品を並べることではありません。
海外企業が安心して問い合わせできる会社であることを証明することなのです。
Webサイトを英訳しただけではダメですか
「整理なき」「翻訳」では成果はでない
結論から言えば、「日本語サイトを英訳する」翻訳そのものが問題なのではありません。
問題なのは、「何を伝えるべきか」を整理しないまま翻訳してしまうことです。
日本企業のWebサイトには、
- 会社概要
- 沿革
- 製品情報
- 品質方針
- ISO認証
などが掲載されていることが多くあります。
もちろん、これらも重要な情報です。
しかし海外企業が知りたいのは、それだけではありません。
たとえば商談の場で、
- 「詳細な技術データは弊社Webサイトからご覧いただけます(中国語・英語・us表記にも対応)」
- 「競合他社との機能比較表もあります、ぜひチェックしてみてください」
- 「会員専用で使用方法の動画をご提供しています、フォームからパスワードを申請いただけます」
- 「地域別の事例(アジア・北米含む)や、導入事例をそれぞれまとめています」
- 「その他の写真付きお客様の声も、Webサイトに一覧で掲載中です」
- 「ご説明したWholesale ProgramはWeb上からダウンロード可能です」
と言えたらどうでしょうか。
海外企業は、商談後にそれらの情報を確認しながら社内で検討できます。
一方で、Webサイトに会社概要と製品カタログしか掲載されていない場合、営業担当者が説明した内容を後から確認することができません。
つまり海外向けWebサイトとは、日本語の会社案内を翻訳することではありません。
海外企業が安心して意思決定できるよう、必要な情報を整理し、網羅し、継続的に発信し続けることなのです。
まず英語サイト作成→そのあと日本語サイト作成という発想
失敗しない海外向けサイト設計の考え方の一つが、まず海外企業の視点で情報を整理することです。
そのうえで日本語サイトへ展開すると、日本市場にも通用する分かりやすいサイトになります。
なぜなら、日本語サイトをそのまま翻訳したページには、海外企業が知りたい情報が不足していたり、逆に日本企業にしか関心のない情報が多く掲載されていることが少なくないからです。
世界標準の「調査型ユーザー体験」を設計する
検索エンジンから訪れるユーザーは、
- 自分の課題を解決したくて情報を探している人
- 業界や技術についての前提知識もまちまち
- 日本人の「平均的感覚」とは大きく異なる
場合も多いです。
そんな方々が約10分”で理解できるWebサイトにするには、次のような要素が重要です:
- キャッチコピーは1行で主張が明快(ありきたりでないもの)
- その根拠が図・写真・データで視覚的に分かりやすく提示されている
- 競合比較表や業界マップなどの参考資料がダウンロード可能
- 自社の強みと買うべき理由が、数十秒で伝わる構成
このように構造化されたサイト設計は、使い勝手の向上にも直結します。
ユーザーを「迷わせない」「飽きさせない」設計へ
さらに、リピーターを増やすには次のような設計の工夫が有効です:
- 明快なサイトマップと1ページ1テーマの設計
- 関連内部リンクが自然で回遊しやすい構成
- リアルな顧客の声や業界別の事例コンテンツ
- 探したい情報にすぐ辿り着ける検索性と配置
- LPのような1画面構成を活かしたスピード重視のUI
消費者向け商品なら「共感」と「美しさ」もカギ
とくにBtoC製品・サービスを提供する場合は、感性や情緒に訴える表現が大切です。
具体的には以下のようなビジュアル要素の活用が有効でしょう:
- イラストや高品質な写真で「直感的に伝える」
- YouTube動画を使って「ストーリー性を強化」
- 共感を誘い、“また見たい!”と思わせる演出
- 再訪や共有を促す洗練されたビジュアル設計
視覚的に美しく、かつロジックも伝わるページは、信頼感と好感度の両立に繋がります。
海外向けサイトでは、単なる翻訳ではなく、問い合わせにつながる情報を先に整理しておく必要があります。
→ 海外向けホームページに“絶対に載せたい”6つの情報|問い合わせが来ない原因は情報不足
なぜ海外向けWebサイトは失敗するのか
海外向けWebサイトが失敗する理由は、英語力やデザイン力の不足ではありません。
最も多いのは、
「何を、どこまで伝えるべきか。そして、それはなぜか?が決まっていない」
状態で制作を始めてしまうことです。
例えば、
- 誰に向けたサイトなのか
- どの国を想定しているのか
- 何を強みとして伝えるのか
- 問い合わせ後にどう営業するのか
が整理されないまま制作が始まると、きれいなデザインのサイトは完成しても、成果にはつながりません。
実際には、海外向けWebサイトは経営戦略そのものです。
なぜなら、
「海外でどのような企業に選ばれたいのか」
という問いに答える作業だからです。
そのため制作会社へ丸投げするのではなく、経営者や営業担当者も参加しながら方向性を整理していく必要があります。
誰に向けて作るのか決まっていますか
海外向けWebサイト制作で最初に決めるべきことは、デザインでも英語でもありません。
「誰に向けて作るのか」です。
例えば、
- 米国の大企業向けなのか
- 東南アジアの代理店向けなのか
- 技術者向けなのか
- 購買担当者向けなのか
によって、必要な情報は大きく変わります。
技術者であれば性能や技術データを重視します。
一方で経営者や購買担当者は、導入実績やサポート体制、事業継続性に関心を持つことが少なくありません。
しかし実際には、
「海外向けだから全部載せよう」
というサイトも少なくありません。
なぜなら、その国の顧客が何を重視し、何に不安を感じ、どのような情報を求めているのかを十分に調べないまま制作が始まることが多いからです。
- 海外展示会でのヒアリング
- 現地企業との商談、
- 競合サイトの分析、
- F/S(市場調査)
などを通じて初めて、
「この顧客は技術データを重視する」
「この顧客は導入事例を見たがる」
「この顧客はサポート体制を気にしている」
ということが見えてきます。
その結果、必要のない情報を掲載していたと分かったり、逆に本当に伝えるべき内容を埋もれさせていたと分かることもあります。
海外向けWebサイトは、想像で作るものではありません。
顧客理解の積み重ねを反映させるものなのです。
何をどこまで伝えるべきか
海外向けWebサイト制作では、
「何を載せるか」
と同じくらい、
「何を載せないか」
も重要です。
なぜなら、海外企業はWebサイトを最初から最後まで読むわけではないからです。
多くの場合、気になるページだけを見ながら、
「この会社は信頼できそうか」
「問い合わせする価値がありそうか」
を短時間で判断しています。
そのため、まず優先的に整理したいのは、
- どのような課題を解決できるのか
- どのような顧客に選ばれているのか
- 他社との違いは何か
- 問い合わせ後はどう進むのか
といった、意思決定に直結する情報です。
一方で、
会社沿革や組織図、社内表彰などは重要な情報ではあるものの、問い合わせ前の海外企業にとっては優先順位が低い場合も少なくありません。
海外向けWebサイトとは、会社の情報を並べる場所ではなく、海外企業の意思決定を支援する場所なのです。
成功するサイトは「全社の思考を言語化」したもの
海外向けWebサイトで重要なのは、きれいなデザインや英語表現だけではありません。
その会社が、
「誰のために」
「どの市場で」
「どんな課題を解決するのか」
を、自社の言葉で説明できているかどうかです。
その答えは、Web制作会社だけでは作れません。
経営者のビジョン、営業現場で得た顧客の声、技術担当者が持つ専門知識、海外対応で積み重ねた経験があって初めて、独自性のあるコンテンツになります。
たとえば、
- この情報はどの市場の誰に役立つのか
- なぜ海外企業は当社を選ぶべきなのか
- 訪問者は何を見れば「相談してみよう」と思えるのか
を一つずつ確認しながら、ページを設計していく必要があります。
しかし実際には、Web制作会社から「原稿をご準備ください」「強みを整理してください」と言われて初めて、自社の情報整理を始める企業も少なくありません。
その結果、会社案内の文章を流用したり、「とりあえず全部載せておこう」となったりして、誰に何を伝えたいのか分からないサイトになってしまうことがあります。
どの市場の誰に向けて、何をどこまで伝えるのか。
その答えは、Web制作会社では決められません。
なぜなら、その会社の強みも、顧客が評価している理由も、これまで積み上げてきた経験も、自社の中にしかないからです。
海外向けWebサイトとは、会社の情報を並べる場所ではありません。
全社の思考を整理し、海外企業に伝わる形で言語化する場所なのです。
多言語サイトを作る場合は、制作後の運用やコンテンツ設計まで含めて考えておくことが大切です。
→ 多言語サイトの作り方と運用戦略|海外Webで成果を出す設計とは
良いWeb制作会社はどう見極めればよいのか
海外向けWebサイト制作で失敗する企業の多くは、制作会社選びを「価格」と「デザイン」だけで判断しています。
しかし実際には、それ以上に重要なことがあります。
それは、その制作会社が
「何を作るか」
ではなく、
「なぜそれを作るのか」
まで一緒に考えてくれるかどうかです。
海外向けWebサイト制作では、
- 誰に向けるのか
- 何をどこまで伝えるのか
- なぜその情報が必要なのか
を整理する工程が最も重要です。
もし打ち合わせで、
「原稿をご準備ください」
「写真をご準備ください」
だけで終わるのであれば注意が必要かもしれません。
なぜなら、本当に難しいのはページを作ることではなく、伝えるべき内容を整理することだからです。
良い制作会社は、
海外企業が何を知りたいのか
競合は何を発信しているのか
自社の強みは何なのか
まで一緒に考えながら設計を進めます。
つまり海外向けWebサイト制作とは、発注先を探すことではありません。
海外企業に伝えるべき内容を整理するためのパートナーを探すことなのです。
良い制作会社は、Webサイト制作そのものを目的にしません。
海外企業に何を伝えるべきかを整理し、その情報を形にすることを目的にしています。
だからこそ、提案書や見積書を見る際も、デザインや価格だけではなく、
「なぜこの構成なのか」
「なぜこのページが必要なのか」
まで説明してくれるかを確認してみてください。
その違いが、公開後の成果に大きく影響することがあります。
成果を出す制作会社を見極める2つのポイント
海外向けに集客力のあるグローバルサイトを作りたい場合、制作会社選びがすべての起点になります。
判断の基準としてまず見ておきたいのは、以下の2点です:
- その制作会社自身のグローバルサイトが自然検索で上位表示されているか、または実際に集客できているか
- または顧客企業の海外サイトが検索エンジンで成果を上げているか
つまり、「言うだけでなく、実際に結果を出しているか」が鍵なのです。
実績欄だけでは“真の実力”は見えない
多くのWeb制作会社では、サイトの「制作実績」を紹介していますが、そこに掲載されているのは完成時点のスナップショットに過ぎません。
公開後、実際にどのように集客に貢献しているかは、表からは見えにくいのが現実です。
また、検索しても「当社が作ったサイトが上位表示されている」と明言している制作会社は案外少なく、多くは「見た目が整ったサイト」の提供に留まっています。
集客できるサイトを作れる会社はごく一部
Web制作会社は、大きく2タイプに分かれます:
- サイトを“作る”ことはできるが集客を意識していない会社
- 最初からSEO構造・市場調査・ユーザー導線設計まで込みで提案できる会社
中には「集客対応します」と言いつつも、提出されたテキストをそのまま使い、表面だけ整えたデザイン重視のサイトに仕上げるだけの例も…。
さらに「SEO対策は別料金です」「成果は保証できません」と説明されることもあります。
しかし本来、構造の段階からSEOが織り込まれているべきです。
「あとから追加」では遅すぎる
SEO対策はツギハギ的に後付けするものではありません。
本当に効果の出るサイトは、最初から以下のような視点で設計されています:
- 海外の競合調査を踏まえたページ構成
- 検索キーワードの明確化とターゲットの設定
- 今後追加すべきコンテンツの方向性まで見据えたCMSとサイトマップ
- Apple to Appleの比較が成立する仕様書
こうした骨組みから整ったサイトであれば、運営負担が軽く、成果にも直結します。
「安さ」ではなく「達成できるか」で選ぶ
多言語サイト(例:日英・日中・英仏など)の制作には、200万〜300万円の費用がかかることも一般的です。
SEO調査・戦略込みだとさらに+数十万円〜100万円の上乗せもあります。
他社が「英語だけで100万円で作れた」と聞くと、高すぎる?と思うかもしれませんが、サイトの内容・要件・目的が一致していなければ正確な比較はできません。
つまり、Apple to Apple(リンゴとミカンではなく、リンゴとリンゴ)で比較せよ、です。
本当に必要なのは「初期構想力」
検索上位を狙えるサイトの条件:
- 構造そのものがSEO仕様であること
- ユーザー視点での利便性が考慮されていること
- CMSやサイトマップに拡張性があること
- リアルな海外検索トレンドに基づいた設計になっていること
このような仕組みが備わっていれば、中小企業でも少ない手間で継続運用しやすくなります。
まさに、自動運転的に回る海外向けサイトの完成です。
Web制作会社を見極める具体的ステップ
信頼できる制作会社を見つけるには、以下を試してみてください:
- 気になる海外サイトを見つけたら、その企業名+制作実績で検索
- 価格だけでなく、成果の出た理由や構造を調査
- 自社の目的とズレない提案ができるか確認
- ホームページ提案依頼書(RFP)を作成して具体的な提案を受ける
この過程でクリエイターの力量・現実的な実現性も見えてくるはずです。
海外向けサイトでは、日本向けサイトと同じ感覚でデザインや導線を考えると、相手に伝わりにくくなることがあります。
→ 日本と海外のWebデザインの違い【51事例】
まとめ:提案力と経験が決め手
海外進出に適したWebサイトを作るには、下記が重要です。
- 単なるホームページの“制作”ではなく、戦略から構築できるパートナーを選ぶこと
- 費用感と構成の整合性を見極める力を持つこと
- そして「どんなWebサイトを作りたいか」を自社の言葉で語れること
まだイメージが固まっていない方は、多くの海外サイトを見てインスピレーションを得ることから始めましょう。
方向性が見えてきたら、どんなWebサイトを作りたいのかを言語化し、制作会社に的確に伝えるための準備も重要です。
制作会社へ明確な要望を伝えるために役立つ「依頼書(RFP)」の書き方・構成・記載項目をチェックできます。
→ ホームページ提案依頼書(RFP)【Word・記入サンプル付き】|海外進出で必要になる書類
海外進出時に24時間働く最強の営業ツールがあるなんて・・・、本当に心強いですね。
はい、それがまさに海外向けWebサイトなんです!
そして、御社の“強み”というフラッグ(旗)をしっかり立てて、市場に届けることができれば、海外進出の第一歩は成功と言えます。
旗を立てたら、それで安心…ではないわけですね?
その通りです。
実は海外にも、同じように旗を立てている企業がたくさんあります。
つまり、立てただけでは埋もれてしまう可能性が高いんです。
では…そこから先、どうすれば“選ばれる存在”になれるんでしょうか?
そこで必要になるのが、「海外向けブランディング」です。
ただ情報を並べるだけでなく、“御社らしさ”をどう海外に向けて伝えるか、どう記憶に残すか。
それが、これからの課題になります。