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海外戦略を構築する

海外向けブランディング(共感と価値を生む)戦略もできていますか

公開日時:2020年08月04日

更新日時:2026年06月22日

小川 陽子

著者紹介 :小川 陽子 (代表取締役)

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海外のお客さまからリピート注文はありますか。

新たな問い合わせを受けたとき、「これは受注できそうだ」と直感でき、その感覚が当たることはどれくらいあるでしょうか。

展示会でのわずかな会話から、お相手を本気にさせた経験は何度あるでしょうか。

海外市場でビジネスを続けていると、時折、
「あ、それを準備していたんですね」
「その問題が起こることを予想していたんですね」
と言われる瞬間があります。

また、まだ一度も会ったことがない海外企業から、
「以前から御社のことを知っていました」
「まず御社に相談したいと思いました」
という問い合わせが届くこともあります。

こうした出来事は偶然ではありません。

海外企業の頭の中に、「あの会社なら相談してみよう」という選択肢が生まれ始めた状態、これこそが海外向けブランディングの成果なのです。
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海外向けブランディングとは「選ばれる理由」を育てること

海外向けブランディングとは

海外企業の頭の中に、

「あの会社に相談してみよう」
「この分野なら、まずあの会社に聞いてみよう」

という選択肢を作り、その状態を育て続ける活動です。

海外市場では、同じような製品やサービスを提供する競合企業が世界中に存在します。

その中で選ばれるためには、単に製品を紹介するだけでは不十分です。

どのような考え方で事業を行っているのか。
どのような課題を解決できるのか。
なぜその分野で評価されているのか。

そうした情報を継続的に発信し、「この会社なら安心できそうだ」という信頼を積み重ねていく必要があります。

特に海外企業との新規取引では、相手企業は必ずと言ってよいほど複数社を比較しています。

価格やスペックだけでは差別化できない時代だからこそ、「なぜこの会社を選ぶべきなのか」という理由を明確に伝えることが重要なのです。

海外向けブランディングとは、自社の旗を振ることではありません。

海外企業から、「この会社は私たちのことを理解している」「安心して相談できそうだ」と感じてもらえる状態をつくることなのです。

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なぜ、同じような製品でも選ばれる会社と選ばれない会社があるのか

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海外市場には、同じような製品やサービスを提供している企業が数多く存在します。

それにもかかわらず、

常に展示会で人だかりができる企業、
価格が高くても選ばれ続ける企業、
海外企業から繰り返し紹介される企業

があります。

その違いは、製品の性能だけでは説明できません。

多くの場合、海外企業は無意識のうちに、「この会社は、どんな会社なのか」を見ています。

品質を何より大切にする会社なのか。
常に新しい挑戦を続ける会社なのか。
顧客の要望に柔軟に応える会社なのか。
あるいは、
特定分野を何十年も掘り下げてきた専門家集団なのか。

こうした企業としての姿勢や価値観が、一貫して伝わっている会社ほど、海外企業の記憶に残ります。

反対に、

毎年メッセージが変わる、
主力商品が頻繁に変わる、
価格なのか品質なのか何を大切にしているのか分からない、
以前評価されていた特徴が突然失われる、

といった状態では、顧客は企業イメージを持つことができません。

ブランドとは、企業が繰り返し約束し、守り続けるものです。

そして海外企業は、その約束を長い時間をかけて見ています。

だからこそ海外向けブランディングとは、目新しいキャッチコピーを作ることではありません。

自社は何者なのかを問い続け、それを一貫して伝え続ける活動なのです。

そのために重要なのは、「ウチらしい価値」とは何かを整理し、それを誰に、どのように届けるかを考え抜くことです。

代表の想いがにじむキャッチコピー、ストーリー性のある企業紹介、長年積み重ねてきた技術や挑戦の歴史──。

そうした小さな積み重ねが、やがて企業のブランドになっていきます。

中小企業であっても、自社の魅力や価値観を誠実に伝え続けることで、グローバル市場での存在感を少しずつ築いていくことができるのです。

ブランドは一朝一夕には作れません。

継続的な情報発信や顧客との接点づくりを通じて、少しずつ育っていきます。

そのため、海外向けブランディングは、海外向けマーケティングと切り離して考えることはできません。

→ 海外向けマーケティングはできていますか

ブランドの伝え方は、Webサイト上の情報設計や見せ方にも大きく影響します。

どのような情報を載せるべきかは、こちらで具体的に整理しています。

→ 海外向けホームページに“絶対に載せたい”6つの情報|問い合わせが来ない原因は情報不足

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中小企業だからこそブランディングが必要な理由

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「ブランディングなんて、大企業がやるものでは?」

そう感じている中小企業は少なくありません。

しかし実際には、海外市場においてこそ、中小企業にブランディングが必要です。

なぜなら、中小企業は大企業のように広告予算や営業人員を大量に投入することができないからです。

また、海外企業にとって、日本の中小企業の知名度はほとんどありません。

そのような状況で、

「なぜ、この会社を選ぶべきなのか」

を伝えられなければ、比較検討の土俵にすら上がれないこともあります。

一方で、中小企業には大企業にはない強みがあります。

特定分野における高い専門性。
経営者の想いが見えやすいこと。
顧客との距離が近く、柔軟に対応できること。
長年培ってきた独自技術や現場経験。

こうした強みを整理し、一貫して発信し続けることで、中小企業でも十分に海外企業から選ばれる存在になることができます。

むしろ、限られた経営資源だからこそ、

「何をやらないのか」
「どの分野で一番になりたいのか」

を明確にし、自社らしさを磨き続けることが重要なのです。

費用対効果を考えるうえでも、海外展開全体の中でどの施策を優先すべきかを整理しておくことが重要です。

→ 海外進出は実現可能ですか

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海外BtoBで信頼を築くために必要なこと

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海外向けBtoBビジネスでは、製品の性能や価格だけで受注が決まることはほとんどありません。

なぜなら、海外企業は新たな取引先を選ぶ際、

「この会社は本当に長く付き合える会社だろうか」

という視点で企業そのものを評価しているからです。

特に海外企業には、すでに長年取引している既存サプライヤーが存在します。

その取引をあえて変更してもらうためには、「この会社なら安心できる」という強い理由が必要になります。

例えば、海外企業は次のような点を確認しています。

  • 輸出入に必要な法規制や認証に対応しているか
  • 品質トラブルやクレーム発生時の対応体制はあるか
  • 部品供給やメンテナンスを継続できるか
  • 納期を守れる生産体制があるか
  • 英語でのコミュニケーションや技術サポートが可能か
  • 顧客の先にいる顧客へ説明できる資料やデータが整備されているか

つまり、BtoBブランディングとは、企業としての信頼性を「見える化」する活動とも言えます。

どれほど優れた技術を持っていても、その信頼性が海外企業に伝わらなければ、新規取引は始まりません。

逆に、こうした不安を一つひとつ解消できる企業は、価格競争だけに巻き込まれない、強いブランドを築いていくことができるのです。

BtoB企業のブランディング施策の例

BtoB企業のブランドは、広告だけで作られるものではありません。

日々の事業活動そのものが、ブランドを形成していきます。

例えば、次のような活動は、海外企業からの信頼獲得につながります。

  • 既存顧客からの推薦コメントや導入事例の公開
  • 業界団体での活動や講演、寄稿
  • 海外展示会や業界カンファレンスへの継続出展
  • 専門誌やメディアでの紹介
  • 各種認証や国際規格(ISO等)の取得
  • Webサイトやオウンドメディアを通じた専門情報の継続発信
  • 技術資料、試験データ、ホワイトペーパー等の公開

一つひとつは小さな活動に見えるかもしれません。

しかし、こうした取り組みの積み重ねが、

「この会社なら信頼できる」

という評価につながり、やがて海外企業から選ばれる理由になっていくのです。

BtoBの場合は、最終的に商談につながる導線まで含めて設計しないと成果にはつながりません。

→ 英語でのBtoB商談の進め方|準備から交渉・フォローまで解説

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ブランドは一日では作れない

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海外向けブランディングは、一度ロゴを作ったり、Webサイトをリニューアルしたりしただけで完成するものではありません。

むしろ、本当のスタートはそこからです。

海外企業の信頼を得るには、長い時間がかかります。

展示会への継続出展、WebサイトやSNSでの情報発信、業界団体での活動、専門誌への寄稿、顧客対応──。

こうした日々の積み重ねによって、少しずつ企業のブランドは育っていきます。

そして、ブランドが育つと、海外企業との商談にも変化が現れます。

「以前から御社を知っていました」
「業界誌で記事を読みました」
「展示会で見たことがあります」
「○○社から紹介を受けました」

このような言葉を聞く機会が増え始めるのです。

海外向けブランディングとは、短期的な売上を追う活動ではありません。

将来の顧客との信頼関係を、少しずつ積み重ねていく活動です。

はじめは小さな発信でも構いません。

自社は何者なのか。
どのような価値を提供したいのか。

その問いを持ち続け、誠実に伝え続けることが、グローバル市場で選ばれ続ける企業への第一歩となるのです。

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ブランディング、是非ともやりたいです!

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いいですね!

まずは、

「自社は何者なのか」
「なぜ選ばれているのか」

を、社内で整理するところから始めてみましょう。

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海外マーケティングや海外ブランディング、海外向けWebサイトへは苦手意識がありましたが、

とても重要なことなんですね。

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そうなんです。
海外企業から選ばれ続ける会社には、必ず「その会社らしさ」があります。

それを言葉や情報として丁寧に伝え続けることで、海外企業との間に少しずつ信頼が生まれていきます。

海外向けWebサイト、海外向けマーケティング、海外向けブランディングは、それぞれ独立した活動ではありません。

すべてがつながり合いながら、御社のブランドを育てていくのです。

次はいよいよ、海外展示会と海外営業について考えていきましょう。

>海外展示会・海外営業をする

また、海外投資(現地に拠点を設立する)をご検討の方はこちらもぜひご参照ください。

>海外投資をする

小川 陽子

著者紹介 :小川 陽子 (代表取締役)

英語英文学科を卒業後、中小メーカーの国際部で海外営業に従事後独立。27年以上にわたり、1,900社以上の中小企業の海外展開を支援。国際化支援アドバイザー、海外販路開拓アドバイザー、中小企業アドバイザー(経済産業省系組織)としても活動。

これまでに35カ国での商談・出展・調査を経験。支援対象は製造・小売・サービス・BtoB・BtoC・DtoCなど多岐にわたり、海外投資・輸出・輸入・展示会・海外SEOなど幅広く対応。

「海外進出は"急がば回れ"。場当たりではなく、"自走できるチカラ"を社内で育て、未来の世界市場で誇れる一社を目指して——今日も中小企業の現場で伴走支援を続けています。」

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