しかし、重要なのは「何をやるか」を先に決めることではありません。
まず、
自社はどの市場で、誰に、どのような価値を提供するのか、
その顧客はどこで情報を集め、何を比較し、どのように取引先を選ぶのか、
を整理する必要があります。
そのうえで、自社に合う施策を選び、組み合わせていくのが海外マーケティングです。
本ページでは、海外マーケティングの基本的な考え方から、最初に整理すべきこと、主な施策の選び方までを全体像として解説します。


海外マーケティングとは?
海外マーケティングとは、海外の顧客に自社を知ってもらい、理解してもらい、最終的に「この会社に相談したい」「この商品を検討したい」と思ってもらうための一連の活動です。
そのためには、単に情報を発信するだけでは足りません。
誰に向けて、どのような価値を伝えるのか。競合と比べて何が違うのか。どのような情報があれば相手は安心して問い合わせや商談に進めるのか。
こうしたことを整理したうえで、Webサイト、展示会、営業、販売代理店、SNS、動画など、顧客との接点を選んでいきます。
つまり海外マーケティングは、個々の施策を実行することではなく、海外顧客に見つけてもらい、理解され、選ばれるまでの流れを設計することです。
そして、その流れの中で重要になるのが、
「どこで見つけてもらうか」
「何を伝えるか」
「どのような印象を持ってもらうか」
です。
この先では、まず海外マーケティングで最初に整理したいことから見ていきます。
海外マーケティングで最初に整理する3つ
海外マーケティングを始めるとき、最初に整理したいのは次の3つです。
- 誰に売るのか
- どんな課題を解決するのか
- なぜ自社が選ばれるのか
日本国内で長く事業をしている企業では、この3つを改めて言葉にしなくても、営業担当者や顧客との間である程度共有できていることがあります。
しかし海外では、その前提がありません。
例えば「高品質」「高い技術力」「日本で豊富な実績がある」と伝えても、それだけで海外顧客が自社を選ぶ理由になるとは限りません。
どのような企業の、どのような課題に対して、その技術や品質が役立つのか。
現地の競合ではなく、自社へ問い合わせる理由は何なのか。
ここまで具体的にして初めて、Webサイトに何を掲載するのか、展示会で何を訴求するのか、どのような営業資料を作るのかといった施策を考えられるようになります。
ただし、この3つも最初から正解が分かるわけではありません。
市場を調べ、実際に海外顧客へ提案し、その反応を見ながら、
「想定した顧客は正しかったか」
「本当にその課題があるのか」
「自社の強みは評価されたのか」
を確認していきます。
海外マーケティングでは、最初に完璧な答えを作るのではなく、仮説を持って市場に出て、確かめながら修正していくことが重要です。
海外顧客はどこで情報を探し、どう比較するのか
ターゲットや自社が提供できる価値を整理したら、次に考えたいのが、海外顧客がどのように自社を知り、取引先候補として検討するのかです。
海外顧客との最初の接点は一つではありません。
検索エンジンやSNSで見つけることもあれば、展示会で製品を知る、代理店から紹介される、業界メディアの記事を読む、既存の取引先から評判を聞くといったこともあります。
そして、どこで最初に知ったとしても、それだけで問い合わせや商談に進むとは限りません。
会社名を検索してWebサイトを確認する。
製品の仕様や導入事例を調べる。
競合企業と比較する。
会社の規模や実績、対応地域を確認する。
BtoBであれば、最初に情報を見つけた人と、実際に製品を評価する人、購入を決める人が異なることもあります。
つまり海外マーケティングでは、「どうやって知ってもらうか」だけでなく、知った後に何を確認され、何を根拠に比較され、どのように選ばれるのかまで考えておく必要があります。
ここで重要になるのが、それぞれの接点で伝える情報に一貫性があることです。
展示会では技術力を強く訴求しているのに、Webサイトにはその根拠となる情報がない。営業担当者はある強みを説明しているのに、会社案内では別の特徴を前面に出している。
このような状態では、せっかく海外顧客と接点を持っても、自社への理解や信頼につながりにくくなります。
どこで出会っても「何を得意とする会社なのか」「なぜこの会社を選ぶのか」が伝わる状態をつくることが、海外マーケティングでは重要です。
海外マーケティングの主な施策
海外マーケティングでは、目的やターゲットによって選ぶべき施策が異なります。
大切なのは、多くの施策を実施することではなく、海外顧客が自社を知り、理解し、検討する流れに合わせて、必要な接点をつくることです。
代表的な施策を見てみましょう。
海外向けWebサイト・SEO
海外顧客が自社を検索したときに、事業内容や製品、強み、実績などを確認できる場所です。
既存の日本語サイトを翻訳するだけではなく、海外顧客が知りたい情報や検索する言葉、競合との違いを踏まえて設計する必要があります。
検索から新しい顧客に見つけてもらうのであれば、海外SEOも中長期的な施策の一つになります。
→ 海外向けWebサイトはありますか?
→ 海外SEO対策とは?中小企業が成果を出すための進め方と5ステップ
海外展示会
海外展示会は、短期間で多くの潜在顧客や業界関係者と直接接点を持てる施策です。
製品への反応、よく聞かれる質問、競合との比較、価格への評価など、Web上の調査だけでは分からない情報を得られる機会でもあります。
出展そのものを目的にせず、誰と会いたいのか、何を確認したいのか、その後どのように商談へつなげるのかまで設計しておくことが重要です。
→ 海外展示会を成功させる準備はできていますか
→ 海外展示会の出展支援サービスとは?依頼できる内容と選び方を解説
海外営業・販売代理店
自社から海外企業へ直接アプローチする方法もあれば、現地の販売代理店や商社などを通じて市場を開拓する方法もあります。
どちらが適しているかは、製品、顧客層、商流、必要なサポート、現地で求められる営業活動などによって変わります。
特に代理店を活用する場合は、「代理店を見つけること」ではなく、その代理店が実際に販売できる仕組みまで考える必要があります。
→ 海外営業で新規開拓はできますか
→ 海外BtoBマーケティングの進め方|中小企業が海外顧客を獲得するには
広告・SNS・動画
Web広告やSNS、動画は、まだ自社を知らない海外顧客へ情報を届けたり、製品や技術を視覚的に理解してもらったりするために活用できます。
ただし、媒体を決めることが先ではありません。
誰に何を伝え、見た後にどのような行動をしてほしいのかを決めたうえで、その目的に合う手段を選びます。
→ 国際マーケティングで失敗しない|中小企業の海外向け動画活用術
市場調査
市場調査も、海外マーケティングを支える重要な活動です。
市場規模や競合、価格、流通構造などを調べるだけでなく、実際の顧客候補へのヒアリングや商談、展示会、テスト販売などから得られる情報も、次の判断材料になります。
調査で得た情報をもとに仮説を立て、施策を実行し、その反応からまた仮説を修正していきます。
海外企業に「選ぶ理由」を伝える
海外企業や海外顧客は、あなたの「商品」を探しているわけではありません。
探しているのは、自分たちにとって「安心して選べる正解」です。
だからこそ、
「この会社は私の問題を解決できるのか」
「それはなぜか、根拠は何か」
「海外からわざわざ取引する価値はあるのか」
を、相手が判断しやすい論理展開で、十分に伝えきることが大切なのです。
海外マーケティングとは、商品を宣伝することではありません。
自社の強みや専門性を整理し、海外企業に「選ぶ理由」を伝える活動です。
その「選ぶ理由」は、Webサイト、展示会、営業、販売代理店など、顧客との接点が変わっても一貫している必要があります。
展示会では魅力的に見えたのに、Webサイトを確認してもその根拠が分からない。営業担当者から聞いた強みが、会社案内や製品資料では伝わってこない。
これでは、せっかく接点をつくっても、海外顧客が次の検討へ進めません。
海外企業に見つけてもらい、理解してもらい、信頼してもらう。そして「この会社を選ぶ理由」が確認できる状態をつくる。
それが、海外マーケティングで重要な設計です。
なるほど。
海外企業が安心して判断できる情報を、海外向けに設計し直して用意する必要があるんですね。
その通りです。
では、その情報を海外企業はどこで確認するのでしょうか?
Webサイト……でしょうか?
そうです。
その企業が「どんな会社なのか」は、まずWebサイトで確認されます。
海外企業とは直接会う機会が限られるため、
「Webサイトの情報がその会社を判断するほぼすべて」
と言ってもいいほどです。
日本語サイトを英語に翻訳したWebサイトなら当社にもあります!
……おしいですね。
オシイ??
海外向けWebサイトは、日本語サイトを英語にしただけでは十分とは言えません。
次は、海外企業が判断するために、Webサイトに何が必要なのかを見ていきましょう!