ーーはじめての海外進出、どこから考えればいいの?
「海外進出」と聞くと、大きな資本やグローバル人材が必要…そんなイメージがありませんか?
でも実は今、小さな一歩から海外展開を始める中小企業が増えているんです。
とはいえ、「まず何から始めればいいの?」「方法が多すぎて選べない…」と迷う方も多いはず。
本記事では、はじめて海外進出を考える方に向けて、目的の整理から主要な方法、注意点までをやさしく整理しました。
成功企業の共通点は「準備」と「選択」。
ヒント集として、何度でも読み返せる内容をぎゅっと詰めています。
はじめての海外進出、最初に考えるべきこと
なぜ今、海外進出が選択肢になるのか?
少子高齢化や国内市場の成熟により、日本の中小企業の多くが「成長の壁」に直面しています。
そんな中、「海外」という新たな市場に挑戦する企業が増加中です。
特に以下のような背景があります:
- 国内の売上が頭打ちで、成長機会が限られている
- 海外からの問い合わせや引き合いが発生している
- 同業他社が海外進出に成功しており、取り残される不安がある
- 越境ECやデジタル広告の普及により、小さく始めやすくなってきた
進出の手段も多様化しており、「一歩踏み出しやすい環境」が整ってきた今、選択肢として真剣に検討すべきタイミングです。
まず押さえるべき「目的」と「現実的な制約」
海外進出の失敗パターンでよくあるのが、「とりあえずやってみた」結果、想定外の手間・コストに苦しむケースです。
まず、以下の2点を明確にしましょう:
▼進出の目的は?
- 「売上拡大」が目標なのか?
- 海外での「ブランディング」なのか?
- 国内依存「リスク」の分散なのか?
▼自社の現実的な制約は?
- 初期投資や運転資金の余力はあるか?
- 海外対応できる人材はいるか?
- 現地語や文化への理解、対応力は?
- 情報・ネットワークの不足はないか?
こうした点を言語化しておくと、次の「手段の選び方」で迷わなくなります。
この“棚卸し”が、成功への第一歩です。
海外進出の主要な“5つの方法”とは?
海外進出といっても、そのやり方はさまざま。
ここでは「はじめての進出」でも選びやすい代表的な5つの方法を、自社の関与度・拠点の有無・リスクの大きさなどの視点から整理して紹介します。
① 越境EC(自社販売・デジタル起点)
特徴:
海外に拠点を置かず、自社のECサイトやAmazonなどのモールを通じて海外顧客に販売する方法。
- メリット:
拠点設立不要、初期投資が比較的小さい。デジタルでスモールスタート可能。 - デメリット:
ロジ面・言語面・顧客対応すべて自社で担う必要あり。
おすすめ企業:
D2C商材を扱っている/SNS運用やウェブに強い/まずは「試してみたい」
② 現地パートナー販売(商社・代理店・バイヤーなど)
特徴:
自社製品を現地に販路を持つ企業に販売してもらうモデル。
契約や販促支援など、自社も能動的に関わる必要あり。
- メリット:
現地市場に詳しい販路が使える。リスク分散も可能。 - デメリット:
パートナー任せではうまくいかない。販売促進や商談同行は自社の責任も大。
おすすめ企業:
現地販売網をすぐに構築したい/営業支援はできるが現地法人まではハードル高い
③ 現地法人・駐在員事務所の設立
特徴:
自社で現地法人や駐在員事務所を設立し、販売・調査・支援などの活動を直接行うスタイル。
- メリット:
ブランド・販売戦略を自社でコントロール可能。信頼性・交渉力もアップ。 - デメリット:
コスト・時間・法規制対応など準備負担が大きい。
おすすめ企業:
すでに現地での実績・需要があり、長期的に展開したい企業
④ ジョイントベンチャー(JV)
特徴:
現地企業と共同出資で新会社を設立。リスクやリソースを分担しながら展開する方法。
- メリット:
相手のリソース(人脈・販路・許認可など)が活用できる。信頼関係があれば非常に強力。 - デメリット:
パートナーとの合意形成や経営上の摩擦リスクあり。
おすすめ企業:
リスクもシェアしたい/現地に強力なパートナーがいる/長期的に共同で事業を育てたい
⑤ ライセンス契約・フランチャイズ展開
特徴:
自社のブランド・技術・ノウハウを現地パートナーに提供し、使用料やロイヤリティを得るモデル。
- メリット:
自社で拠点を持たなくても海外展開が可能。初期コストを抑えられる。 - デメリット:
品質管理やブランドイメージ維持が難しい。契約面の整備が不可欠。
おすすめ企業:
飲食・教育・美容など再現性のあるビジネスモデル/既存のブランド価値がある

どの方法を選ぶべきか?意思決定のフレームワーク
海外進出の方法は多様ですが、自社にとって最適な一手を選ぶことが成功のカギです。
ここでは、意思決定の際に押さえるべき視点と、ありがちな“思い込み”の落とし穴について解説します。
自社の状況に合った進出方法を見極める4つの視点
- 企業規模と組織体制
→ 中小企業の場合、人材やマネジメント資源が限られているため、最初から現地法人を構えるのはハードルが高いことも。
→ 小規模でも越境ECやパートナー販売から始めるケースが多く見られます。 - 商材の特性
→ 単価・重量・品質保証が重要な製品は、「現地拠点あり」の方法が望ましい場合も。
→ 一方で、D2C商材や一部のデジタル商材
(完成品に近く、説明や導入サポートが不要なもの)は、越境ECを起点に展開しやすい傾向が。
→ ただし、B2B向けのデジタル商材
(業務ツール・ライセンス販売など)は、導入支援・サポートが必要となるケースが多く、越境ECで完結しない場合も。
このような商材では、現地の販売パートナーとの連携が重要となります。 - 予算とリスク許容度
→ 初期投資の上限額をあらかじめ明確にしておくことで、無理のない選択肢が絞り込みやすい。
(例:初期費用300万円以内なら輸出・越境EC、1,000万円以上なら現地法人設立も検討可能)
→ 「失敗しても許容できる金額」を設定し、最悪のケースをシミュレーションし、意思決定時の安心材料に。
→ 自治体・国の補助金や中小企業向け海外展開支援制度の活用で、リスクを軽減しつつ一歩踏み出すことも選択肢です。 - 現地との“距離感”(物理的にも心理的にも)
→ 時差や言語の違い、文化の壁は、思った以上にハードルになることも。
→ パートナーを介す方法で“距離”をうまく埋めるケースもあります。
「とりあえず輸出」は意外とハイリスク
「まずは商社に頼んで輸出だけでも…」
というアプローチは、今では通用しづらくなっています。
商社も利益率や規模を重視し、エネルギー・金融・資源系など特定分野に注力しており、
中小企業の一般製品に対しては、積極的に動かない傾向が強まっています。
また、仮に販路が見つかっても、製品知識や商談フォローが不足すれば定着せず、短期的な成果で終わる可能性も。
だからこそ、「誰かに任せる」ではなく、“自社でどう関与するか”を前提にした戦略設計が不可欠です。
将来的に自社で展開したいと考えているなら、「最初の一歩」から情報を取れる体制を整えることが肝心です。
ポイント:
方法選び=ビジネス戦略そのもの。
「今できること」だけで決めず、「5年後どうありたいか?」から逆算を!
進出準備に必要なステップと注意点
「海外進出しよう!」と決めたら、最初にやるべきことは“準備”です。
でも、いきなり事業計画や法律の話から入ると、ハードルが高く感じる人も多いはず。
ここでは、「海外に出る前に、最低限これだけは押さえておこう!」という視点で、準備のステップを整理してみました。
ステップ①:どこで、誰に、何を売るのか?まずはイメージを持つ
- 海外と一口にいっても、国や地域によってニーズや文化は全く異なります。
- まずは、「この商品なら、この国に合いそうだな」という仮のアイデアでもOK。
- 大事なのは、「誰に」「何を」「どうやって届けるか」を言葉にしてみることです。
ステップ②:どのくらい費用がかかりそうか感覚をつかむ
- たとえば、「展示会に出るといくらかかる?」「現地に人を送るなら月いくら?」
- Excelに簡単な費用感を書き出すだけでも、進出の現実味がぐっと増します。
- ざっくりで構わないので、お金の出入りのイメージを持っておくことが大切です。
ステップ③:ルール違反しないための“最低限の確認”
- 実は、国によっては「この商品は輸入禁止」なんてこともありえます。
- 「出資しても法人設立できない」「思ったより関税が高い」など、あとで知って困る話も。
- 自力で調べきれない場合は、専門家に“相談だけ”しておくのも賢い選択です。
ステップ④:「いきなり進出」より「まず試してみる」
- 小さくテストする方法(例:オンライン商談、現地ポップアップ店出品、サンプル出荷など)を探しましょう。
- いきなり大きく動かず、“小さく検証して、大きく伸ばす”のが今の主流です。
ステップ⑤:使える支援制度はないか、あらかじめ見ておく
- 中小企業向けの補助金・支援プログラムは、意外とたくさんあります。
- 「JETRO」「中小機構」「自治体」などのサイトで探してみるのがおすすめです。
- 申請書類がネックなときは、サポート会社に書類だけ手伝ってもらう手もあります。
文化とコミュニケーションの壁をどう超える?
海外ビジネスでうまくいく企業は、「商品力」そのものよりも、現地のお客様を深く理解しようとする姿勢が共通しています。
逆に、うまくいかない企業は、「いいモノを送れば売れる」と考えてしまいがち。
でも、国が違えば、価値観も、生活習慣も、課題も違う。
だからこそ大事なのは、“その国の暮らしや人を、どれだけリアルに想像できるか”という目線なんです。
ここからは、海外のお客様に「ちゃんと伝わる」ようにするための、ちょっとした工夫や考え方のコツをご紹介します。
現地語 × 通訳 × 異文化研修:バランスがカギ
- 英語が話せるだけでは伝わらないのが海外ビジネスのリアル。
- 通訳に100%頼るのも危険ですが、自力で全部やろうとするのも非効率。
- 現地語・通訳・異文化研修の3つを組み合わせて対応力を高めましょう。
実例:
日本流の「察して」は通じない。
遠慮しすぎると「何を考えているのか分からない」とチャンスを失い、「日本の」当たり前を押し付けるといっきに信頼を失うことも。
「伝わる」提案資料・商談術の基本
- 商談資料は“日本語をそのまま英訳”ではNG。
相手の商習慣でも違和感のない表現にする工夫が必要です。 - 数字・実績・証拠ベースのストーリー展開が、多くの国で高評価。
- 伝えたいことをただ並べるのではなく、
相手が「理解しやすい順番」で話す・見せる工夫が大切です。
ありがちな失敗例から学ぶ
- 現地スタッフを信頼しすぎた結果、「何をしているか見えない」状態に。
- Yesと言ったのに動かず、代替案にも首を縦に振らなかった。
- 仲良くなったのに、次に会ったら“値引き要求”が先に来た。
こうしたすれ違いは、特別な話ではありません。
「ちゃんと敬意も持って接してたはずなのに…」
「頑張って説明もしたのに…なぜ伝わらなかったんだろう?」
そんな風に戸惑う企業は少なくありません。
でも実は、日本的な“察する文化”や“関係の深まり”を前提に行動してしまうことが、無意識にズレを生んでいるケースが多いんです。
すれ違いを減らす3つのヒント:
- 文化の違いを“先に知っておく「姿勢」
- 現地に敬意を伝える「伝え方」
- 対等なパートナーとして向き合う「習慣」
これらがあってこそ、はじめて信頼が伝わり、「伝わる・動いてくれる・続く」関係へとつながります。
成功するためのデジタル活用
「どこから手をつけたらいいか分からない」
そんなときこそ、“小さなデジタルの一歩”が突破口になります。
海外進出は、ただの物理的な拡大ではなく、情報発信力やデータの活用力で大きく差がつく時代。
ここでは、費用を抑えながら、すぐに実践できるデジタル施策を中心にご紹介します。
SNS・現地広告の“小さな一歩”から
- 海外ではFacebook、Instagram、LinkedInなどSNSの使われ方が国によって大きく異なります。
- まずは1言語・1プラットフォームからテスト運用し、反応を見て調整を。
- 小規模でもターゲットを絞った現地向け広告(例:Facebook広告)は、手頃に始められるマーケ手段です。
Google Trendsやレビューの見方も“市場調査”の一つ
- Google Trendsで現地の検索傾向を調べれば、需要のヒントがつかめます。
- 海外Amazonや現地ECサイトのレビュー欄も、“ナマの声”が詰まった宝庫。
- 自社商材に似た製品への不満点=自社の差別化チャンスにも。
デジタル展示会・バーチャル出展も検討を
- 現地に行かなくても、オンラインで参加できる商談会や展示会が増えています。
- オンライン出展なら、少ないリソースでも“海外デビュー”が可能に。
- 動画資料やデジタルブース、現地言語のLPで準備すれば、信頼獲得の近道に。
まずは「できること」から、海外展開を始めよう
海外進出は、「海外に出ること」そのものがゴールではありません。
大切なのは、“自社らしく”成功する形を見つけていくこと。
完璧な準備が整ってから…と思っていると、チャンスはすぐ通り過ぎてしまいます。
まずは、リスクの小さい方法から“仮説ベース”で試すこと。
その過程で学びを積み上げ、「小さく始めて、大きく伸ばす」ことが最も現実的な勝ち方です。
“方法選び”が、実は海外進出の8割
- どの方法を選ぶか?
- どの国から行くか?
- 誰と組むか?
…この意思決定が、その後の成功確率を大きく左右します。
だからこそ、「なんとなく」で進めてしまうのは、最も避けたい落とし穴です。
迷ったら、プロと一緒に“道筋”を描こう
パコロアでは、中小企業の「最初の一歩」から伴走しています。
- 商材やリソースに応じた進出方法の整理
- 各国の法制度・市場性のチェック
- 実行フェーズに向けたパートナー選定 など
初期の壁を、ひとりで抱え込む必要はありません。
▶︎ まずは無料相談から、お気軽にご相談ください。
「行けるかも」が、「行ける!」に変わる第一歩になるはずです