越境ECに興味はある。
海外にも売っていきたい。
ーーでも、英語をどうすればいいか分からない。
ECプラットフォームを使えば、自分で越境ECサイトは作れそう。
もしくは、越境ECの制作会社に相談してみた。
ーーけれど、見積を見て翻訳費用の高さに驚いた。
「ここまで全部、外注しないといけないのだろうか」
「英語は自分で何とかできないだろうか」
そんな疑問を持ったところで、手が止まってしまうケースは少なくありません。
ー英語ができる人材はいない
ー翻訳を外注するとコストがかかる
ーAI翻訳は便利そうだが、使い方を間違えるのは怖い
ー間違った英語で信用を落としたくない
こうした不安の背景にあるのは、「英語をどこまで自分でやり、どこから任せるべきか」が整理できていないことです。
実務の現場から見ると、越境ECに必要なのは高い英語力ではありません。
必要なのは、英語が必要になる場面を切り分け、対応方法を選ぶことです。
すべてを完璧な英語、ネイティブレベルを目指す必要はありません。
本記事では、越境ECにおいて英語が発生する場面を整理したうえで、英語対応の範囲の決め方、翻訳方法の選び方、AI翻訳の使いどころ、そして英語コンテンツのSEOの考え方までを、中小企業向けにわかりやすく解説します。
英語が得意でなくても、越境ECは進められます。
そのための「現実的な判断軸」を、ここで一緒に整理していきましょう。
越境ECで「英語が必要」と言われる理由
越境ECについて調べると、必ずと言っていいほど「英語対応が必須」「英語ができないと厳しい」という言葉が出てきます。
これを見て、多くの中小企業が最初につまずきます。
ただし、ここで一度整理しておきたいのは、越境ECで求められているのは「英語が話せること」ではない、という点です。
実務の越境EC運営現場で英語が必要になる理由は、大きく分けると次の3つです。
【1:商品や条件を誤解なく伝えるため】
海外の顧客は、日本の商品に興味を持ってくれますが、日本的な曖昧さや行間を前提にはしていません。
仕様、サイズ、使い方、注意点、送料、返品条件。
これらが分からないと、不安になり、購入をやめてしまいます。
【2:信頼を担保するため】
越境ECでは、実店舗も対面接客もありません。
その分、サイト上の英語表記が「この会社は大丈夫か」を判断する材料になります。
流暢さよりも、情報が整理されているか、必要な説明が揃っているかが重視されます。
【3:トラブル時に最低限のやり取りを成立させるため】
配送遅延、破損、返品などは、どんなに気をつけていても一定数発生します。
このとき、状況説明と対応方針を英語で伝えられないと、クレームが拡大しやすくなります。
しかし、英語が発生する場面はあらかじめ予測可能かつ限られた範囲で、そこをきちんとカバーすることが重要です。
実際、ShopifyなどのECプラットフォームを使って自作している企業や、
制作会社にサイト構築は任せつつ、翻訳は自分たちで何とかしようとしている企業でも、このポイントを押さえていることで越境ECは成立しています。
逆に、英語力に自信があっても、何をどこまで英語化すべきか整理できていないと、無駄に工数やコストをかけてしまい、対費用効果が悪くなるケースも少なくありません。
つまり、越境ECにおける英語の問題は、能力の問題ではなく、どこまで英語対応するかを決める設計の問題です。
次の章では、その設計の出発点として、英語での対応範囲について具体的に整理していきます。
英語はどこまで対応すべきか?まず決める3つの範囲
越境ECで英語対応を考えるとき、最初にやってしまいがちなのが、「どこまで英語が必要か分からないまま、全部やろうとすること」です。
商品ページも、規約も、問い合わせ対応も、マーケティングも。
すべてを英語で整えようとすると、時間もコストも足りず、結局続かなくなってしまいます。
ここでは、越境ECの英語対応を次の3つの範囲に分けて考えます。
まずはこの切り分けをすることが、出発点です。
1つ目の範囲|販売を成立させるための英語
最優先で考えるべきなのは、「売るために最低限必要な英語」です。
具体的には、
・商品説明
・価格
・送料
・返品、交換の条件
・支払い方法
これらが英語で分かる状態になっていなければ、海外の顧客は購入できません。
逆に言えば、ここさえ整っていれば、販売自体は成立します。
重要なのは、表現の美しさではありません。
多少シンプルでも、情報が抜けていないことの方がはるかに大切です。
2つ目の範囲|運用を回すための英語
次に考えるのが、運用を止めないための英語です。
越境ECでは、必ず問い合わせが発生します。
配送状況の確認、商品仕様の質問、返品の相談など、内容はある程度決まっています。
この段階で必要なのは、英語で自由にやり取りできることではなく、定型的な対応ができることです。
あらかじめ、
・よくある質問
・基本的な返信文
を用意しておけば、多くの問い合わせは対応できます。
この範囲まで対応できると、越境ECは「始められる」から「続けられる」状態になります。
3つ目の範囲|広げるための英語
最後が、余力が出てから考える範囲です。
・英語でのSEOブログ
・英語でのSNSや広告クリエイティブ表現
・英語での世界観づくり
こうした施策は、越境ECを成長させるためには非常に有効ですが、最初から必須ではありません。
ここを最初から完璧にやろうとすると、英語対応のハードルが一気に跳ね上がります。
多くの中小企業にとっては、
「販売を成立させる英語」
「運用を回すための英語」
この2つを先に固める方が、現実的です。
まずは「どこまでやるか」を決める
英語対応で迷っている企業の多くは、英語力が足りないのではなく、範囲を決めていないだけです。
自社はいま、
・海外からの反応をまずは試したいのか
・ある程度の問い合わせ対応まで見据えたいのか
・近々にもBtoB向け集客まで広げたいのか
どこを目指すのかを決めることで、必要な英語対応は自然と絞られてきます。
次の章では、この中でも最初に整えるべき、「越境ECサイトの英語表記で最低限外せないポイント」を具体的に整理していきます。
越境ECサイトの英語表記、最低限ここだけは外せない
英語対応を考えるとき、「どこまでやれば大丈夫なのか分からない」という不安が一番大きくなりがちです。
そこでこの章では、越境ECを始めるうえで、最低限ここだけは英語で用意しておくべきポイントを整理します。
逆に言えば、ここ以外は最初から完璧でなくても問題ありません。
商品説明は「買う判断ができるか」が基準
商品ページで最も重要なのは、海外の顧客が「これは自分に合っているか」「安心して買えるか」を判断できることです。
英語表記で最低限押さえるべきなのは、次のような項目です。
・商品の用途、特徴
・サイズ、重量、素材
・使用方法、注意点
・セット内容や付属品の有無
凝ったコピーや表現力は必要ありません。
それよりも、情報が抜けていないこと、誤解が生まれないことが重要です。
日本語の説明をそのまま長文で翻訳するより、海外向けに必要な情報だけをまず整理してから英語化した方が、結果的に伝わりやすくなります。
送料・返品・支払い条件は必ず英語で明示する
越境ECでトラブルになりやすいのが、購入条件の認識違いです。
特に次の項目は、必ず英語で分かるようにしておく必要があります。
・どの国に発送するのか
・送料はいくらか、いつ確定するのか
・関税や税金の扱い
・返品、交換が可能かどうか
・返送料は誰が負担するのか
・対応通貨と支払い方法
ここが曖昧だと、購入前に離脱されたり、購入後のクレームにつながりやすくなります。
シンプルな英語で構いません。
条件が明確に書かれていることが、信頼につながります。
会社情報は「誰が売っているか」を示すため
海外の顧客にとって、知らない国の、知らない会社から買うこと自体が不安です。
そのため、次のような会社情報は英語で用意しておきましょう。
・会社名
・所在地(国名は必須)
・問い合わせ方法(メール、SNSなど)
・簡単な会社概要
長い企業紹介は必要ありません。
実在する会社で、今日も事業が継続されていることが分かる、という点が重要です。
FAQは「問い合わせを減らすため」に効く
上記の条件や情報を英語ですでに明示していても、実際には購入前後に同じ内容を確認する問い合わせが一定数発生します。
そのため、問い合わせ対応を減らす目的で、次のような質問はFAQとしても用意しておくと効果的です。
・配送にはどれくらいかかるか
・商品はどこから発送されるか
・どの国まで配送できるか
・関税や税金は価格に含まれているか
・返品はどのような条件で可能か
これだけでも、問い合わせの数と内容はかなり整理されます。
すべてを一度に整える必要はない
ここまで挙げた項目を見ると、「結構多い」と感じるかもしれません。
ただ、重要なのは、これらはすべて販売と運用を止めないための最低限だという点です。
ブログやコラム、細かなブランドストーリー、英語での細かい言い回しは、後からでも整えられます。
まずは、海外の顧客が安心して買える状態をつくること。
次の章では、これらの英語表記を「どうやって用意するか」、自力・AI・外注の現実的な使い分けについて整理していきます。
翻訳方法の選び方|自力・AI・外注の現実的な使い分け
英語対応を考え始めると、次にぶつかるのが翻訳の問題です。
自分で訳すべきか、AIを使うべきか、外注した方がいいのか。
選択肢が多い分、判断が止まりやすいポイントでもあります。
ここで大切なのは、どれか一つだけを選ぶ必要はない、という前提に立つことです。
越境ECでは、翻訳方法を場面ごとに使い分ける方が、現実的にうまく回ります。
自力翻訳が向いているケース
自力で英語を書く、というと身構えるかもしれませんが、すべてをゼロから書く必要はありません。
自力翻訳が向いているのは、次のような場面です。
・内容が定型的で短い
・日本語原文がすでに整理されている
・正確さよりも概要が伝わればよい
たとえば、商品スペックの箇条書きや、簡単な注意書きなどは、日本語を整理したうえで、自力+補助ツールで対応できます。
ポイントは、「自分で自然な英語を書く」ことではなく、文化背景が異なる海外でも「誤解が生まれない文章にする」ことです。
AI翻訳が力を発揮する場面
AI翻訳は、越境ECの英語対応において非常に便利な道具です。
ただし、万能ではありません。
AI翻訳が向いているのは、
・下書きを作る
・(整理された)大量の文章を一気に英語化する
・意味の確認や言い換えをする
といった補助的な役割です。
特に、日本語原文を短く修正してからAIに翻訳させると、精度は大きく上がります。
一方で、返品条件や免責事項、誤解がトラブルに直結する文章については、(プロンプト作成に自信がある場合を除き)AI翻訳をそのまま使うのは避けた方が無難です。
外注翻訳が必要になるポイント
翻訳を外注すると高い、という印象を持つ方は多いと思います。
実際、すべてを外注するとコストはかなり膨らみます。
ただし、外注すべき場面は確実に存在します。
・法的な意味を持つ文章
・クレームやトラブル対応に関わる文言
・ブランドイメージに直結する重要ページ
こうした部分は、英語圏の顧客に対しても「正しく伝わるかどうか」が最優先になります。
もし越境EC制作会社の見積で翻訳費用が高く感じられる場合は、このような重要箇所だけを外注し、それ以外は自分たちで対応する、という切り分けをすることで、コストを抑えつつリスクの高い部分だけをカバーすることが可能です。
翻訳方法は「組み合わせて使う」
越境ECの英語対応で失敗しにくいのは、自力・AI・外注を組み合わせるやり方です。
たとえば、
・商品説明やFAQは、自力+AI
・ブランドイメージや重要な注意書きは外注
・上記以外の新しい文章を作るときは、まずAIで下書き
このように役割を分けることで、コスト、時間、リスクのバランスを取りやすくなります。
英語が得意かどうかよりも、「どこに時間とお金をかけるとリスクが減るか」を決めること。
それが、越境ECを続けるための現実的な翻訳の考え方です。
次の章では、ぜひ知っておきたい、実務でよくあるAI翻訳での失敗パターンを整理します。
AI翻訳を使って失敗しやすい3つのポイント
AI翻訳は、越境ECの英語対応を大きくラクにしてくれる道具です。
ただし、使い方を間違えると、「英語が原因で売れない」「後からトラブルになる」という形で問題として表面化します。
ここでは、実務でよく見られるAI翻訳の失敗パターンを整理します。
1. 日本語原文が整理されていないまま翻訳している
AI翻訳の精度は、日本語原文の質に大きく左右されます。
日本語で
・主語が省略されている
・条件が文章の途中に紛れ込んでいる
・一文が長く、情報が詰め込まれている
こうした文章をそのまま翻訳すると、英語では意味が曖昧になったり、意図と違う解釈をされやすくなります。
AI翻訳を使う前に必ず、日本語を短く、条件ごとに分けて整理する必要があり、この工程を省くと、AIを使っても翻訳に失敗します。
2. 「意味は合っているからOK」と判断してしまう
AI翻訳後の英語を見て、「だいたい意味は合っていそうだから大丈夫」と判断してしまうケースも多くあります。
ただ、越境ECでは意味が伝わるかどうかより、購入判断に必要な情報が揃っているかが重要です。
日本では暗黙の了解で済むことでも、海外では明示されていないと不安になります。
AI翻訳で意味が合っていても、情報量が足りていないと、「よく分からないから買わない」という判断につながります。
そしてこれは日本企業が見落としがちな、サイト運営失敗要因の1つでもあります。
3. 重要箇所とそうでない箇所を分けていない
AI翻訳でよくある失敗が、サイト全体を一律に翻訳してしまうことです。
商品説明、送料、返品条件、免責事項。
これらは、すべて意味的に同じウエイトではありません。
・誤解されても影響が小さい箇所
・誤解されるとトラブルになる箇所
この切り分けをせずにAI翻訳を使うと、後から修正コストが大きくなります。
AI翻訳は、
重要度の低い部分を効率化するために使う。
重要度の高い部分は、人が原稿も翻訳も都度最終確認する。
この役割分担が前提です。
越境ECでのAI翻訳は、どこに使い、どこは人が判断するかを先に決めておくことが、後からの手戻りを防ぎます。
次の章では、こうした英語対応を前提に、英語コンテンツをSEOの観点からどう考えるべきかを整理します。
英語コンテンツのSEO対策は何をすればいいか
越境ECを立ち上げた直後、英語SEOについて調べると、専門的な手法や高度なテクニックが数多く出てきます。
ただ、中小企業の越境ECにおいて重要なのは、検索エンジンを攻略することではなく、「検索されたときに、正しく評価される状態をつくること」です。
ここでは、立ち上げ初期の越境ECで、実務として取り組む意味のある英語SEOのポイントを整理します。
英語ページごとに「何についてのページか」を明確に
英語SEOで最初に意識すべきなのは、1ページ=1テーマ、がはっきりしているかどうかです。
商品ページであれば、
・どんな商品か
・誰向けか
・どんな用途か
が、ページ内の英語テキストから一貫して伝わる必要があります。
日本語ページをそのまま翻訳すると、説明が散らばり、何のページか分かりにくくなることがあります。
英語SEOでは、文章のうまさよりもテーマの明確さが、よりGoogle検索やAIO(AI検索)での評価に直結します。
商品名・カテゴリ名は「検索される言葉」を優先
日本語の商品名やカテゴリ名を、そのまま英語に置き換えているケースは少なくありません。
ただし、それが英語圏で検索される言葉とは限りません。
英語SEOでは、
・専門用語
・業界で一般的な呼び方
・海外ECで使われている表現
を優先して使う方が、見つかりやすくなります。
正式なキーワード調査が難しい場合は、海外ECサイトや競合サイトを見て、よく使われている言い回しを採用するだけでも一定の効果はあります。
英語ページ同士を内部リンクでつなぐ
英語ページを作っても、1ページずつ孤立していると、SEO上も不利になります。
商品ページ、カテゴリページ、FAQなど、英語ページ同士が自然につながっていることが重要です。
たとえば、
・関連商品へのリンク
・配送や返品に関する英語ページへのリンク
こうした内部リンクがあることで、検索エンジンにも、「この英語サイトは構造的に整理されている」と伝わります。
検索流入を「売れるページ」に受け止める
英語SEOでありがちな失敗は、検索で見つかっても、購入につながらないページに流入させてしまうことです。
越境ECの初期段階では、
・商品ページ
・購入条件が明確なページ
に検索流入を集める方が、成果につながりやすくなります。
情報量の多い説明ページや、抽象的なブランドページよりも、売るページを起点にSEOを考えることが、現実的です。
英語SEOは「運用しながら整える」
越境ECの英語SEOは、最初から完成形を目指すものではありません。
商品を追加し、
問い合わせが入り、
反応を見ながら、
少しずつ表現や構成を整えていく。
この運用前提で考えることで、英語SEOは負担ではなく、売上につながる改善手段になります。
ただし、検索で評価されることと、英語圏の顧客に選ばれることは、必ずしも同じではありません。
次の章では、翻訳を整え、SEOの土台を作ったその先で、英語圏向けに「翻訳だけ」で終わらせないための工夫を整理します。
英語圏向けに「翻訳だけ」で終わらせない工夫
英語対応を整え、商品説明も条件表示も英語で用意した、それでも、思ったように反応が出ない。
越境ECでは、こうした状態に直面することがよくあります。
原因の多くは、英語そのものではありません。
言語は合っているが、感覚が合っていない。
このズレが、反応が出ない原因になります。
英語圏では「説明されていない=不安」
日本のECでは、多少説明が省略されていても、「察する」「問い合わせる」という行動が起きやすい傾向があります。
一方、英語圏では、書かれていないことは、分からないこと。
分からないことは、買わない理由になります。
たとえば、
・なぜこの商品が良いのか
・誰に向いているのか
・他と何が違うのか
これらが明確に書かれていないと、価格や品質以前に、比較対象にすら入りません。
翻訳が正しくても、判断材料が足りなければ、購入にはつながらないのです。
日本的な「良さ」は、そのままでは伝わらない
越境ECでよくあるのが、日本では評価されているポイントが、海外では響かないケースです。
・丁寧につくっている
・長年続けている
・国内で実績がある
これらは、日本市場では強みになります。
しかし英語圏では、それだけでは直接の購入理由にならないことは多いでしょう。
英語圏では、「この商品は、私にどんな価値をもたらすのか」が、より直接的に求められます。
翻訳する際は、日本語の言い回しを置き換えるのではなく、価値の伝え方を組み替える意識が必要です。
SNSやコンテンツは「翻訳」ではなく「現地向け」
英語でSNS発信やコンテンツを行う場合も、日本語の投稿をそのまま翻訳するだけでは効果が出にくくなります。
たとえば、
・商品の使い方
・利用シーン
・背景にあるストーリー
こうした情報は、英語圏の生活や価値観に寄せて表現した方が反応が出やすいのです。
完璧な英語でなくても、伝えたいポイントが整理されていれば、十分に届きます。
すべてを最初からやる必要はない
ここまで読むと、「結局やることが多い」と感じるかもしれません。
ただしこれらはすべて、越境ECへの流入を伸ばしていく段階の話です。
立ち上げ当初は、
・商品が誤解なく伝わる
・購入条件が明確
この状態を作ることが先です。
売れる兆しが見えてから、徐々に表現やマーケティングを調整していけば問題ありません。
翻訳の先にあるのは「調整」
越境ECでは、翻訳はゴールではなく、スタート地点です。
英語にしたことで、何が伝わり、何が伝わらなかったのか。
その反応を見ながら、少しずつ調整していく。
この視点を持てるかどうかで、越境ECが続くかどうかは大きく変わります。
次の章では、ここまでの内容を整理しながら、英語力に振り回されずに越境ECを進めるための考え方をまとめます。
英語力に振り回されず、越境ECを前に進めるために
越境ECの運営を考えたとき、多くの中小企業が最初に悩むのが英語です。
英語ができない。
翻訳費用が高い。
AI翻訳は不安。
ただ、本記事で整理してきた通り、越境ECで本当に必要なのは、英語力そのものではありません。
重要なのは、
・英語が必要になる場面を切り分けること
・どこを自分で対応し、どこを外部に任せるかを決めること
・最初から「海外市場から見つけてもらえるサイト構造」を作っておくこと
この判断ができていれば、英語が得意でなくても、越境ECは十分に進められます。
すべてを最初から完璧にする必要はありません。
売れるかどうかを試し、反応を見ながら、少しずつ整えていけばよいのです。
一方で、
・どこまで英語対応すればいいか分からない
・翻訳やAIの使い分けに自信がない
・サイト構造や海外集客まで含めて自社で整理したい
こうした段階で悩み始めると、社内だけで判断するのが難しくなるケースも少なくありません。
パコロアでは、中小企業の海外展開支援として、
英語対応だけを切り出すのではなく、越境EC全体の進め方や海外向け販売の判断軸を一緒に整理する支援を行っています。
重要なことは、
「英語が不安だから止まる」のではなく、
「1つずつ判断できるから海外販売が進む」状態をつくること。
もし、自社の場合はどこから手をつけるべきか、今のやり方で問題ないか一度整理してみたいと感じたら、ぜひパコロアの30分の無料相談の利用をご検討ください。