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海外向け ホームページ 改良 パコロア

海外地域への製品展開について、ずっと試行錯誤していて、誰かに相談したい気持ちでいっぱいです。

目的や対象に応じて設定を変える必要があると思うのですが、現在の動向や手法の違いも多すぎて混乱中です。

基本的な考えからグローバル展開に最適な流れまで、具体的な解説を提供してもらえると助かります!

海外進出には海外向けサイト運用は必須

まずは、海外進出における代表的な販売手法について整理しておきましょう。

おおまかに「リアル」と「オンライン」に分類されます。

【リアル】
1 海外企業を訪問しての営業活動
2 海外展示会でのブース出展・対面営業
【オンライン】
3 オンライン商談ツールを用いた営業
4 自社越境ECサイトによる販売
5 Amazonなどプラットフォームへの出店型越境EC販売

事業の特徴や市場に応じて、これらを組み合わせて海外展開していく形が一般的です。

例えば、商社や現地の卸業者、小売店に販売を委ねる場合は、どの分類になりますか?

はい、その点についても整理しておきましょう。

次のような2通りの進め方があります。

  • 商社とともに訪問営業や展示会出展(1〜3)を行い、越境ECなどは自社で整備する
  • 訪問営業のみ商社に委ね、それ以外(展示会出展、オンライン施策)は自社で運用する


ただし、近年では商社依存のモデルは減少傾向にあります。

たとえ商社経由で販売する場合でも、多言語対応の企業サイトや営業資料の整備などは、自社側の責任として求められる場面が増えています。

また、展示会や越境ECサイトなどを通じて、現地の小売業者や卸業者から直接問い合わせがあるケースも増えています。

このように、リアルとオンラインが連動する仕組みが、現在の海外進出では重要になっています。

なるほど。ただ、メーカー側が直接販売を始めることで、既存のパートナーとの関係に影響が出るのではないかと気になります。

価格やサポート対応など、調整が難しくなったりしませんか?

チャネル戦略に求められる整合性

非常に重要な視点です。

現在のようにリアルとオンラインのチャネルが共存する環境下では、各チャネル間の整合性が求められます。

特に「どの情報を誰に伝え、どこで販売するか」といった交通整理を明確にしないと、販売パートナーとの関係性に影響を及ぼす可能性もあります。

流通戦略は製品の種類、サービスの内容、販売地域によっても異なりますが、結果として「メーカー・販売パートナー・顧客」の三者が納得する形を、企業側が主導して構築していく必要があります。

戦略の立案がますます重要になってきているということですね。

オンラインが主力化する時代背景

その通りです。

特に昨今は、「どのチャネルで販売するべきか」という判断が、ビジネス全体の方向性を左右します。

実際には多くの企業が、次の2つの方針のいずれかに集約しています。

  • 越境ECやコーポレートサイトのみで完結する販売モデル
  • オンライン施策に加えて、展示会や訪問営業との併用が効果的なモデル

従来のような「営業:ウェブ=8:2」ではなく、

「営業:ウェブ=5:5」あるいは「営業0~2:ウェブ残りすべて」といった比率へと移行している企業も珍しくありません。

ウェブサイトそのものが「営業担当者」として機能することが前提となる時代です。

各社がCMSを導入し、言語・地域に応じたコンテンツ提供やユーザーの行動に応じた情報表示を行うなど、営業自動化の手段としてのWebサイト設計が重視されています。  

(もしかして、海外営業パーソン不要論・・・?)

ECでは販売が難しい製品とは

ただし、すべての製品がそうなるわけではありません。

たとえば、御社のようにBtoBで工業部品や機械を製造している場合、事前の仕様確認や個別調整が必要なケースが多いかと思います。

そうですね。ECで部品を売るのは難しいです。

製品ごとに設置環境や使用条件のヒアリングが必要ですし、オンラインで完結するタイプの製品ではないと感じています。

確かに、そういった製品では営業担当による現地対応や提案型営業が引き続き重要です。

ただし、その場合でも製品情報や導入事例、スペックシートなどを英語や中国語などで提供できるサイトを整えておくことが、営業活動を補完する役割を果たすようになります。

海外顧客との距離が縮まるホームページとは      

顧客接点は「問い合わせ前」から始まっている

これまでの流れを振り返ると、

企業サイトで主力製品や技術情報を掲載し、
掲載されていない製品については「まずはお問い合わせください」と案内して、
そこから仕様確認や見積提案へと進める、

という対応が一般的でした。

ええ、まさにその通りです。

実はこのモデル、すでに転換期を迎えています。

コロナ以前から、海外の見込み顧客は意思決定プロセスの半分以上をWebサイトの情報をもとに完了させる傾向が出てきていました。

現在では、海外企業からの問い合わせが入るとき、

すでに製品やサービスの詳細をしっかりとチェックした上で「この企業であれば対応可能だろう」とある程度確信を持って

連絡しているケースが非常に多いのです。

こうした背景を正しく把握し、企業サイトにおける情報設計や言語設定、使用される専門語の最適化を行っている企業は、自然と顧客との距離を縮めることに成功しています。

なるほど……。
でも実際に、企業はどんな行動をとっているのでしょうか?

距離を縮める鍵は「マーケティング視点」

キーワードは「マーケティングの運営」です。

とくに海外においては、情報の整理・可視化・翻訳・更新などを通じて、顧客の意思決定を支援する仕組みが求められています。

具体的には、以下のようなアプローチが有効です。

  • インバウンドマーケティング:検索エンジン(例:Google)経由での自然流入設計
  • コンテンツマーケティング:導入事例やFAQを含むページを言語ごとに用意し、対象顧客に合わせた表示設定
  • Webマーケティング:CMSを利用し、地域や使用環境に応じた導線設計

これらは単なる営業補助ではなく、顧客との関係性そのものを設計しなおすプロセスでもあります。

例えば、アメリカ・中国・東南アジアといった異なる文化圏・言語圏に向けてそれぞれに最適なページ構成・キーワード設計・対応手順を設けること。

これにより、顧客が購入までに直面する「情報の不足」や「不安感」を軽減できます。

結果的に、海外顧客との物理的な距離ではなく、「心理的な距離」を縮めることが可能になります。

(マーケティングって、なんとなく難しそうだし、翻訳してLPつくるだけじゃダメなのかな……。)

マーケティングを「翻訳」ではなく「設計」と捉える

誤解されがちですが、多言語対応のマーケティングは、単なる翻訳作業ではありません。

たとえば、

  • 日本語サイトの構造をそのまま使うと、他の言語圏では意味が伝わらないことがある
  • 製品の特徴や用途が市場によって異なる表現を求められることも多い
  • 調査や分析によって顧客の行動パターンに合わせた導線設計が必要になる

つまり、海外顧客の「知りたいこと」を先回りして用意し、それをマーケティング視点で設計・運営することが、距離を縮める本質です。

海外で知られていない中小企業こそコンテンツが命

海外進出を支える“自社発信”の強化

近年、海外販路開拓に向けて、日本語サイトを多言語対応にリニューアルしたり、独自の越境ECサイトを作成する中小企業が増えてきました。

しかし一方で、

  • 自社の強みを活かせるような問い合わせがなかなか来ない
  • 定期的な発注やリピート注文につながらない

という声もよく聞きます。

実際、英語や中国語でホームページを整備しても、検索エンジン経由の流入だけで大手プラットフォーム(Amazonなど)と同等の集客効果を得るのは難しいでしょう。

SEO施策に予算をかけなければ、来訪者を増やすのも簡単ではないというのが、現場の実感かもしれません。

実際に海外から反応があるかというと…現状ではアクセスも少なく、成果も出ていません。

Webサイトを立ち上げただけで販売がうまくいくほど、海外市場は甘くないと感じています。

ところで、
先ほど「マーケティングが重要」とありました。

私としては、ECサイトやホームページを作ること自体が売る仕組みづくりだと思っていて、これはもう、マーケティングそのものではありませんか?

おっしゃる通りです。間違ってはいません。

ただし、見落とされがちなのは、「マーケティングとして発信している中身の“質”や“視点”」の部分かもしれません。

つまり――

「自社が伝えたいこと」ではなく、

「海外の顧客が本当に知りたいこと」が、どれだけ正しくコンテンツに反映されているか?という点です。

よくある掲載項目と“顧客が見たい情報”の違い

一般的なホームページでは、次のような項目がよく掲載されています:

・会社概要、アクセス
・商品・サービス紹介
・事例・実績紹介
・価格、問い合わせ

さらに、マーケティングを意識した構成として以下のような情報を加える企業もあります:

  • ビジョン・ミッション・バリュー
  • 企業の強み、選ばれる理由
  • 技術的裏付け(技術資料や各種エビデンス)
  • 代表メッセージや社員紹介
  • 顧客の声やレビュー
  • 会社や店舗、スタッフの写真などのビジュアル要素

弊社のサイトも、それなりに要素は揃っていると思います。

「ビジョン・ミッション」は「経営理念」という形ですが、表現としては近いかと…。

それは素晴らしいスタートですね。

ただし、海外向けサイトの場合は、ネイティブ視点のコンテンツ設計や文化への配慮が不可欠です。

たとえば:

  • 中国語・韓国語・英語など、言語ごとに表現をローカライズして制作
  • ターゲット国(例:アメリカ、ASEAN)ごとに関心の高い情報をピックアップ
  • CMSで地域ごとに異なる表示設定をするなど、システム設計の工夫

つまり、ただ翻訳して掲載するのではなく、現地のニーズや文化的習慣を考慮しながら構成・文章・構造を作成していく必要があります。

海外顧客が行動を起こせるコンテンツとは

海外顧客が安心して行動できる仕組みとは

海外から新たに取引する際、最も重要なのは「不安の払拭」です。
以下のようなコンテンツが十分に備わっているかどうかが鍵になります。

  • 第三者視点を取り入れた“選ばれる理由
    →「当社が選ばれる理由」は、顧客自身の視点でも納得できる内容になっていますか?
    →日本から輸入してまで購入する理由が、論理的に説明されているかをチェックしましょう。
  • 業界マップと自社の立ち位置
    →日本や主要国の業界構造を図解やビジュアルで分かりやすく伝え、初めて訪れるユーザーにも、自社の強みや特色が具体的に伝わる工夫が必要です。
  • 取引フローの見える化
    →問い合わせから納品までの流れを図表やタイムラインで示すことで、海外顧客の不安を大きく軽減できます。
    →契約や配送の過程におけるリスクや所要時間の説明も重要です。

信頼感と説得力を高める情報設計

加えて下記もあります。

  • 類似実績と顧客の声の掲載
    →類似業種や同規模の海外顧客の実績を複数紹介し、安心してもらえる材料を揃えましょう。
    →問い合わせ手段として多言語対応チャットボットや問い合わせフォームを導入すれば、心理的障壁をさらに下げられます。
  • 競合比較とロジカルな優位性
    →自社と他社の製品を比較検証し、強み・弱みを正直に明示することで、顧客にとっての納得感が高まります。
  • 資料提供と意思決定支援
    →稟議に使える多言語の提案資料をサイトからすぐにダウンロードできるようにし、
    →可能であれば24時間以内の資料提供体制も検討しましょう。

海外ユーザーの“困った!”を見つける力

ホームページ制作を担当したのは私ですが、今のお話を聞くと重要な視点がまるごと抜けていた気がします……。

それは当然です。

ホームページ制作は担当者だけで行うものではありません。

企業の想いや戦略が反映されるべきであり、経営層の視点が不可欠です。

なるほど……「頭の中の具現化」というのは確かに……。

時代の変化は激しく、過去の正解が今は最適でないこともあります。

でも、大丈夫です。

「海外顧客が行動を起こせる情報」を、必要十分に・分かりやすく・適切に発信すれば、

引き合いも、注文も、確実に増えていきます。

改善は“ユーザー体験の観察”から始める

ヒントは、自分が海外から商品を買うときの行動を想像してみることです。

会ったことのない企業に対して、製品が期待通りか、納期は守られるか、サンプル無しで判断できるか……

そうした不安をどれだけ払拭できるかが、海外向けサイトの実力です。

まずは海外企業のサイトをたくさん閲覧してみましょう。

  • 何が不足している情報か?
  • どんな説明なら納得できるか?

たくさん見ていく中で、

  • これは良い!と思う要素
  • ここが分かりにくいというポイント
  • この説明なら問い合わせしたくなる

といった感覚が育っていきます。

Web制作会社選びの観点としては、

  • 海外キーワードや競合調査を重視してくれるか?
  • コンテンツ戦略に基づいたCMS設計ができるか?

といった視点で見極めるのが大切です。見た目や価格、広告運用力だけで判断してはいけません。

あのぅ、、、海外のホームページって英語、ですね?

英語のサイトを、ユーザー視点を培うためにたくさん閲覧するって、どのくらい時間がかかるんだろう。。。ってフト。。

もちろん英語です。

ただ、完璧に理解する必要はありません。

まずはサイトの構造や雰囲気、言葉の使い方を見るだけでも大きな収穫があります。

時間がなければ、海外サイトをただ見てみるだけでもいいし、日本と海外のWebデザインの違いを知ろうとするのも第一歩デス!

(やるんだ、トホ、、どうしよう)

私も一緒にやってみるかな。

海外の競合サイトも知らなくて、
海外進出もなにも、無いからね。

(ヨカッタ、ひとりじゃない・・・)

とても良いことです!

ユーザーとしての感覚を持ってから制作に取りかかると、オリジナリティと深みのあるコンテンツが生まれます。

ぜひ一緒に、「行動を起こせるサイト」かどうか、
ユーザー目線で答え合わせをしていきましょう!

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