海外向けホームページに必要な6つの情報|問い合わせが来ない原因は「情報不足」
更新 2026年9月9日 公開 2021年2月28日
英語のホームページもあるのに、海外からほとんど問い合わせが来ないんです。
製品情報も会社概要も載せているのですが……
海外のお客様が、御社に問い合わせるかどうかを判断するための情報は載っていますか?
判断するための情報……ですか?
はい。
海外のお客様は、御社のことをほとんど知らない状態でWebサイトを見ています。
製品が自社に合うのか、他社と何が違うのか、海外でも取引できるのか、問い合わせた後どう進むのか。
そこまで分からなければ、興味を持っても問い合わせまで進めないことがあります。
会社概要と製品情報だけでは足りない、ということですね。
そうです。
海外向けホームページでは、会社を紹介するだけでなく、海外のお客様が『この会社に問い合わせてみよう』と判断できる情報を用意することが大切です。
海外向けホームページでは「会社紹介」だけでは足りない
海外向けホームページを作る際、日本語サイトに掲載している会社概要や製品・サービス情報を英訳すれば、ひとまず必要な情報は揃うと考えがちです。
しかし、海外の見込み客は、日本国内の顧客以上に「その会社を知らない」状態からWebサイトを見ています。
会社名を聞いたことがない、製品の評判も知らない、取引実績も分からない。
さらに海外企業との取引に対応しているのか、自社の国や地域でも購入できるのかさえ分からないことがあります。
そのため、製品に興味を持ったとしても、判断材料が不足していれば、
- 自社の用途に合う製品なのか
- 他社と比べて何が優れているのか
- 海外での取引実績はあるのか
- 必要な仕様や条件に対応できるのか
- 問い合わせた後、どのように商談が進むのか
といった疑問が残り、問い合わせまで進めないことがあります。
海外向けホームページに必要なのは、単なる「会社紹介」ではありません。
海外の見込み客が、自社との取引を具体的に検討できるだけの判断材料を揃えることが重要です。
では、どのような情報を掲載すればよいのでしょうか。
ここからは、海外向けホームページに載せたい6つの情報を順番に見ていきます。
海外向けホームページに必要な6つの情報
1.海外企業の社内でそのまま使える資料
海外企業の担当者が自社の製品やサービスに興味を持っても、その担当者一人の判断だけで取引が決まるとは限りません。
上司への報告、技術部門への確認、購買部門への説明など、社内で複数の関係者に情報を共有しながら検討が進むことがあります。
そのため、海外向けホームページには、担当者が情報を集め直したり、自分で説明資料を作ったりしなくても、そのまま顧客企業の社内で共有できる資料を用意しておきましょう。
- 英語など対象市場の言語で作成した会社概要
- 製品・サービスの技術資料やカタログ
- 自社が選ばれる理由をまとめた資料
- 技術解説や市場情報をまとめたホワイトペーパー
- 仕様書、図面、比較表などのダウンロード資料
- すぐに申し込めるサンプルや試作品
Webサイト上ですべてを説明しようとする必要はありません。「詳しく検討したい」と思った人が、必要な資料をその場で入手できることが重要です。
海外企業の担当者が、Webサイトで見つけた情報を上司や関係部署にそのまま転送し、社内で検討を進められる状態を目指しましょう。
2.業界の中で当社の立ち位置が分かる情報
海外の見込み客は、当社のことだけでなく、日本の業界についてもよく知らない可能性があります。
日本国内では知られている企業や技術であっても、「日本ではどのような位置にいる会社なのか」「他の日本企業とは何が違うのか」が海外から見れば分からないことがあります。
そこで、自社の説明だけで終わらず、業界全体の中で自社を理解できる情報を用意します。
たとえば、業界マップ、市場構造、製品カテゴリーの分類、技術の変遷、業界年表などを使いながら、
- 日本の当該業界はどのような構造になっているのか
- その中で自社はどの領域を得意としているのか
- 競合企業や他の技術と何が違うのか
- これまでどのような役割を担ってきたのか
- 今後国内や海外でどの領域を目指している会社なのか
などを示します。
「当社は高い技術力を持っています」と自社だけを説明するより、業界全体を見せた上で自社の位置を示す方が、初めてその市場を見る海外企業にも違いが伝わりやすくなります。
担当者自身が理解できるだけでなく、「なぜこの日本企業を候補にしているのか」を顧客企業内の関係者にも説明できる情報にすることがポイントです。
3.海外企業との取引がどう始まり、どう進むのか
海外企業にとって、初めて取引する日本企業との商談は、問い合わせた後に何が起こるのか分からないことがあります。
問い合わせ、仕様確認、サンプル評価、見積り、契約、支払い、輸送、納品など、自社の海外取引のおおまかな流れを示しておきましょう。
さらに、
- 直接取引なのか、代理店経由なのか
- サンプルや試験発注から始められるのか
- 最小発注数量(MOQ)はあるのか
- 見積りや製造にどの程度の期間が必要なのか
- どの通貨・支払方法に対応しているのか
- どのような輸送方法を利用するのか
- 誰が海外顧客との窓口になるのか
など、実際の取引をイメージできる情報も有効です。
すべての価格や取引条件を公開する必要はありません。重要なのは、「この会社に問い合わせたら、その後どう進むのか」が事前に分かることです。
海外企業の担当者が社内でスケジュールや手続きを想定できれば、初めての日本企業との取引でも次の行動に進みやすくなります。
4.トラブルが起きたときの対応が分かる情報
海外取引を検討する担当者にとって、製品の良さだけでなく、「問題が起きたらどうなるのか」も重要な判断材料です。
距離や時差、言語の違いがある海外取引では、不具合や納期遅延などが発生したとき、日本企業がどのように対応するのか分からないこと自体がリスクになります。
そこで、成功事例だけでなく、
- 過去に発生したトラブルとその対応ケース
- 想定される不具合と対処方法
- 保証の範囲
- 修理・交換への対応
- 交換部品や消耗品の供給方法
- オンラインでの技術サポート
- 現地代理店やサービス拠点による対応
なども、公開できる範囲で示しておきます。
たとえば、「海外で不具合が発生した際、原因をどのように確認し、どのような手順で解決したのか」をケーススタディとして紹介できれば、単なる「海外サポート対応可能」という言葉より具体的な安心材料になります。
トラブルが起きないことをアピールするだけでなく、起きたときにどう解決できる会社なのかを見せる。
それも海外企業が取引リスクを判断するための重要な情報です。
5.お客様の声・導入実績・Before/After
海外の見込み客が新しい取引先を検討するとき、「実際に他社が使っている」という事実は強い説得材料になります。
単に取引社数や導入件数を掲載するだけでなく、できるだけ具体的な事例を紹介しましょう。
- どの国・地域の企業なのか
- どのような業界・用途で導入されたのか
- 導入前にどのような課題があったのか
- なぜ自社の製品・サービスが選ばれたのか
- 導入後に何が変わったのか
- 顧客自身がどのように評価しているのか
特にBefore/Afterで変化を示すと、海外の見込み客も自社へ導入した場合の効果をイメージしやすくなります。
海外実績を公開できない場合や、まだ海外での実績が少ない場合は、国内事例でも構いません。
ただし、日本企業名や導入件数だけを並べるのではなく、その事例が海外の見込み客にも理解できるよう、業界、用途、課題、導入効果まで説明します。
海外企業の担当者が、「自社だけが初めて試す製品ではない」「同じような企業でも採用されている」と社内で説明できる材料を用意しましょう。
6.「切り替える理由」をデータで説明できる情報
現在使っている製品や取引先に大きな問題がなければ、海外企業にとって、新しい日本企業へ切り替えること自体がリスクになります。
そのため、「当社の製品は高品質です」「高い技術力があります」という説明だけでは、切り替える理由として十分ではありません。
- 現在の製品・方法と比べて何が改善されるのか
- コスト、精度、耐久性、生産性などがどの程度変わるのか
- 他の技術や製品との比較データ
- 試験結果や測定データ
- 導入によって削減できる工程や作業
- 現状の方法を続けた場合に残る課題やコスト
など、変更するメリットを具体的に説明できる情報を用意します。
場合によっては、自社製品が向いていない条件や不得意な領域も明確にした方が、比較する側にとって判断しやすくなります。
海外企業の担当者が必要としているのは、「良い製品だから買ってください」という説明ではありません。
「なぜ今の製品や方法を変える必要があるのか」「なぜその切り替え先がこの会社なのか」を、社内の関係者に説明できる根拠です。
「何を載せるか」だけでなく、海外企業が分かる形にする
ここまで紹介した6つの情報を掲載すれば、それだけで海外向けホームページが完成するわけではありません。
大切なのは、それぞれの情報を、海外企業の担当者が理解し、社内で説明し、次の判断に進める形にすることです。
日本企業向けに作った会社案内や製品資料をそのまま翻訳しても、海外の見込み客には、その情報が何を意味するのか分からないことがあります。
たとえば、日本ではよく知られている業界名や企業名、規格、商習慣、製品カテゴリーも、海外では同じように理解されるとは限りません。
また、日本企業では「詳しいことは問い合わせてもらってから説明する」と考えがちな情報でも、海外の見込み客にとっては、問い合わせるかどうかを判断するために「まずは必要な情報」かもしれません。
そのため、海外向けホームページでは、
- 海外の見込み客が理解できる表現になっているか
- 必要な情報にたどり着きやすい順番になっているか
- 社内の関係者へそのまま共有できる内容になっているか
- 日本についての予備知識がなくても理解できる粒度になっているか
- 問い合わせる前に知りたい情報が不足していないか
という視点で、情報を設計し直す必要があります。
英語やその他の言語に翻訳することは、その後の作業です。
まず「日本企業として何を伝えたいか」ではなく、
「海外企業が取引を判断するために何を知る必要があるか」から、
掲載する情報とその見せ方を考えることが非常に重要です。
6つの情報を作る前に「誰に何を売るか」を決める
ここまで紹介した6つの情報は、どの企業でも同じ内容を用意すればよいわけではありません。
どの国・地域を対象にするのか、どのような企業や担当者に売りたいのか、何を自社の強みとして伝えるのか、直接販売するのか代理店を通じて販売するのかによって、必要な情報も、その見せ方も変わります。
たとえば、同じ製品でも、技術担当者を最初のターゲットにするサイトと、経営者や購買担当者をターゲットにするサイトでは、最初に見せるべき情報は異なります。
つまり、海外向けホームページを作る前に必要なのは、Webサイトのデザインを決めることではなく、「海外で、誰に、何を、どのように売るのか」を整理することです。
この部分が曖昧なまま制作を始めると、掲載する情報を決められず、結果として日本語サイトを翻訳しただけの海外向けホームページになりやすくなります。
海外向けWebサイトを作る前に整理しておきたいことについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
海外企業の担当者が「社内を動かせる」ホームページにする
海外向けホームページの役割は、自社や製品・サービスを英語で紹介することだけではありません。
海外企業との新しい取引では、Webサイトを見つけた担当者が一人で購入を決めるとは限りません。
顧客企業側での上司への説明、技術部門での確認、購買部門での比較、社内での承認など、さまざまな人を巻き込みながら検討が進んでいきます。
そのときWebサイトに、
- 社内でそのまま使える英語資料
- 海外を含む業界の中で自社の立ち位置が分かる情報
- 海外企業との取引がどう進むのか
- 海外取引でのトラブルが起きたときの対応
- 顧客企業の声や導入実績、Before/After
- 既存ベンダーから切り替える理由を説明できるデータや技術情報
が揃っていれば、海外企業の担当者は一から説明資料を作る必要がありません。
Webサイトの情報を使って、「この会社なら検討する価値がある」「この製品なら自社の課題を解決できそうだ」と社内の関係者へ説明することができます。
海外向けホームページを作るときは、訪問者本人に分かりやすいかだけでなく、その担当者が社内の関係者を納得させ、次の判断へ進めるだけの材料が揃っているかという視点でも確認してみましょう。
海外企業の担当者が、自社について調べるためだけのホームページではなく、その担当者が社内を動かすためにも使えるホームページを目指すことが、海外からの問い合わせや商談につながる第一歩です。
ただし、自社の場合に「どの情報が足りていないのか」「何を強みとして伝えるべきなのか」は、海外事業の進み具合やターゲット市場、現在の営業体制によっても異なります。
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