はじめに
ブランディングとは
たくさんの他のフラッグ(旗)がはためく中で、自社のフラッグにくぎづけになって、何度も振り返るお客さまの喜びを、熱く深くする取り組みです。
- たくさんのフラッグ(旗)=競合、から抜きんでる、自社の独壇場をどう築くのか
- どう魅了し続けるのか
- お客さまの利益を守りお困りごとを先回りできるパフォーマンスを全社でどう体現するのか
- 高まる期待値・納得感・信頼をどう社内外にスパークさせるのか
という1つ1つを海外向けにもしっかり組み立てる必要があります。
中小企業にブランディングなんて、と謙遜する余裕は、海外進出に取り組み始めるとすぐに吹っ飛んでしまうでしょう。
「御社のビジョン、ミッション、ヴァリューは何ですか」
「今後何のために、どう事業展開をしていきたいですか」
「商品やサービスは、他社とどう違っていて」
「どんなアドバンテージ(利益、有益な点)を顧客にもたらしますか」
「強みの源泉は何でしょうか」
といったことを、見込み客や取引候補先から、真顔で、直球で問われ、その場で判断されることもあれば、
間接的に、言外に問われ続け、比較され、水面下では取捨選別が終わっていることもある、のが海外進出の日常です。
安定した海外売上はひとえに、ブランディング=選ばれ続ける理由、にかかっているのです。
ブランディングに取り組むことが初めてです、ウチにもできますか?
ブランディングの取り組みを簡単に説明すると、
- 行きたい未来を決める
- 強みを抽出する
- 見えるところ(外観)と見えないところ(全従業員のこころ)に(1)と(2)を落とし込む
- (3)の充実感を糧に日々精進する
- (4)の振動をお客さまに伝播させていく
というものになります。
最初からズバリ、行きたい未来は見えてこない為、仮説を立てながら(1)と(2)を行ったり来たりします。
どのような会社にも行きたい未来や強みはありますが、商品やサービス、会社や従業員にそれらが、すんなり浸透するためには、少なくとも市場からお呼びがかかっている状態が必要です。
もし自社に届くお客さまや市場の声が小さすぎて聞こえないようであれば、この先の海外展示会の出展や海外営業のステップに進む前に、いったん立ち止まり、マーケティング、もしくはビジネスモデルの構築から、再度検討しなおすのが良いでしょう。
「ブランド」とはお客さまとの約束とも言われています。
約束したいお客さまがいらして、約束を守れる会社は、ブランディングに取り組む準備ができています。
お金がかかるからブランディングはやめとく、と社長が申しております、どうしましょうか?
ブランディングでお金がかかる部分は、前述の
(3)見えるところ(外観)と見えないところ(全従業員のこころ)に(1)と(2)を落とし込む、の
見えるところ(外観) の具現化プロセスです。
グラフィックデザイナーやアートディレクター、クリエイティブディレクター、といった専門家に、商品やサービス、会社のロゴやツールあるいは事業そのもののリ・デザインやリ・ブランディングを依頼して、行きたい未来にいけるように”仕立て直す“プロセスには、数十万円~数百万円かかるでしょう。
価格に開きがあるのは掛かる工数とサービスの範囲、会社の規模の違いです。
(2)強みを抽出する と(5)(4)の振動をお客さまに伝播させていく
も、自社だけでは難しい場合は、専門家の投入が必要なこともあるでしょう。
ただし、
(1)行きたい未来を決める
(3)見えないところ(全社員のこころ)に(1)と(2)を落とし込む
は、他でもない、経営者にしかできない仕事です。
そして、ブランディングの取り組みを細分化してみると、半分は社長が責任を持つ部分、2割は社員が担う部分、残り3割が専門家の知見とノウハウを仰ぐべき部分と分かります。
社長:社員:専門家=5:2:3
ブランディング=まるまるアウトソース、
という発想をいったん脇に置き、まずは会社で取り組めることは何か?から考え始めることで、合理的な費用内でブランディングを進めるベースはできていくでしょう。
海外ブランディングはB2B企業でも必要ですか?
必要です。
海外の顧客候補はすでに自国に取引企業があります。その商品からみなさまの商品への切り替えを促し、新しく取引を開始してもらうことが、今進めようとしている海外進出です。
そしてB2B(企業間取引)の場合の海外顧客は、生産財、中間財、製品財、サービス財など多岐に渡ります。
海外顧客が内国取引を止めて、わざわざ他国から輸入してまで新しい取引を開始する際にはさまざまな不安があります。
- クレーム対応やメンテナンスはどうなるのか?
- 輸出入の規制や現地規格には準拠しているのか、P/L保険はどうするのか?
- 新しいバージョンや部品はどう入手できるのか?
- 取引額に準じて支払い条件は緩和されるのか?
- 在庫はどうするのか、納期遅れは絶対に無いのか?
- 顧客の先にいる顧客に説明するためのツールの提供はあるのか?
- 技術データやエビデンスが足りない場合、日本で試験を実施してくれるのか?
などなど、これらはマーケティングや営業の際に説明や交渉で、道をつけていくことですが、当事者から、できます、やります、大丈夫です、と単に主張されるのみでは、新規取引の海外顧客側の不安はゼロにはならないでしょう。
例えば、B2B企業のブランド醸成の方法には下記などがあります。
- 既存顧客からの口コミ評価や、高レビュー
- 業界団体や業界誌での役職就任や寄稿
- 世界的な業界カンファレンスや展示会での定期的な登壇や出展
- メディアによる取材や各賞の受賞
- 行政からの評価や国際標準規格等の取得
などなど。
小さな会社ながらもブランディングが功を奏し、ブランドの力で、「実際に本当に約束を守れる会社です」、と分かってもらえて、初受注できるならば、これに勝るものはありません。
ブランディング是非ともやりたいです!
いいですね! 社長の情熱がなにより大切です。
海外マーケティングや海外ブランディング、海外向けWebサイトへは苦手意識がありましたが、とても重要な事なんですね。
そう、とても重要なんです。
お客さまとのリズムが噛み合い、これまでにない追い風を体感できると、海外進出が本当に楽しくなっていきます!
是非Webサイト、マーケティング、ブランディング構築にトライしてみて下さい。
次は、お待ちかねの、海外展示会出展、海外営業についてです。
また、海外投資をご検討の方はこちらもご参照ください。