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海外進出コンサルティングとは

初めて中小企業が海外進出する際は、何から手をつけるべきか、どう進めるべきか、今自社では海外進出について何が分かっていて、何が分かっていないか、が正しく整理されていない場合がほとんどです。

海外進出コンサルティングとは、そのような企業の道しるべとなるべく、企業独自の強みが活かせる海外ビジネス領域と海外展開方法を見定め、企業の限られたリソースを有効活用しながら、コンサルティング会社自身の知見と経験とネットワークを使って、海外進出を成功に導く企業支援サービスのことを言います。海外進出コンサルティングサービスを活用することで、自社単体で試行錯誤を繰り返すより、海外進出をぐっと加速させることができます。

海外進出コンサルティング会社 26選 カテゴリー別

海外進出コンサルティングを行う会社は、各コンサルティング会社の得意分野別に下記の様にカテゴリー分けすることができます。

*ここでのコンサルティング会社とは、いわゆる大手企業向けコンサルティングファームや経営コンサルティング会社より広義の、中小企業が海外進出する際に必要となる海外ビジネス最前線のサービスを適宜、コンサルティング(相談対応や伴走支援を)しながら提供できる専門会社のことを言います。

  • 1 海外進出コンサルティング会社
  • 2 海外市場調査コンサルティング会社
  • 3 海外企業信用調査コンサルティング会社
  • 4 海外ブランディング支援コンサルティング会社
  • 5 海外マーケティング支援コンサルティング会社
  • 6 海外展示会出展支援 海外販路開拓支援 海外営業代行コンサルティング会社
  • 7 貿易実務代行・貿易実務コンサルティング会社
  • 8 海外向けWebサイト制作コンサルティング会社
  • 9 越境EC販売支援コンサルティング会社
  • 10 海外Webマーケティング支援コンサルティング会社
  • 11 海外SNSマーケティング支援コンサルティング会社
  • 海外進出コンサルマッチングサイト 追加で2選

そして海外進出する際に企業は、下記の様に海外事業経営に関わる多くの領域業務を、ゼロから構築していくのですが、1つのコンサルティング会社に依頼すればワンストップですべてのことが構築できる、という場合は少なく、各海外進出コンサルティング会社自身の得意分野を中心に、2、3の分野を兼ねて対応されることが多いでしょう。

・海外投資
・海外販路開拓
・海外マーケティング
・海外ブランディング
・海外Web展開
・貿易実務
・海外税務会計、金融
・海外人材マネジメント
・海外法務リスク管理
・異文化適応

2、3の分野を兼ねるイメージとしては、例えば、海外投資コンサルティングと海外税務会計、海外法務リスク管理支援を行ったり、海外販路開拓コンサルティングを進めながら現地流通や規制リサーチ、展示会支援、貿易実務支援を行ったり、

海外ブランディング・海外マーケティングコンサルティングと同時に、海外向けWebサイトを制作したり、海外進出コンサルティングを進めながら社内担当者の人材育成、異文化適応教育をOJTで進めたり、などがあるでしょう。

海外進出初心者である中小企業支援にも積極的な、海外進出コンサルティング会社を、ここでは主にご紹介していきたいと思います。

1 海外進出コンサルティング会社

海外進出コンサルティング会社は、現状分析、課題抽出、打ち手の提案と戦略実行支援を行います。

世界進出 フェネトル・パートナーズ株式会社

2008年の創業以来350件以上の国際プロジェクト実績があり、貿易、直接投資、国際マーケティングに関するコンサルティングと業務代行のサービスを提供している。

海外進出 上空

ベトナム進出 有限会社来遠(LAI VIEN CO.,LTD)

1999年からベトナムに在住している代表者が2009年に独立して設立、2010年1月からはベトナム在住の日本人ビジネスマンのための情報誌『ACCESS(アクセス)』(発行部数1万部)も刊行。ベトナム進出で知らない人はいない現地に根付いたサービスと情報量が強み。

海外進出 ベトナム 風景

タイ進出 Intellectual Design Group株式会社

2013年にタイで設立され2021年より日本でのサービスも開始。弁護士、弁理士、事業開発コンサルタント、マーケター、デザイナー40名で日本企業含む世界各国5,000社以上のビジネスサポートをタイ、シンガポール、ミャンマー、その他東南アジア諸国(ASEAN)で展開している。

海外進出 タイ 風景

インド進出 株式会社インフォブリッジマーケティング&プロモーションズ

2008年設立、インドの市場調査、マーケティング・プロモーション、ビジネスコンサルティング、ハッカソン・アイディアソンの実施支援、進出サポートを、ハリヤナ州グルグラム(Gurugram)旧グルガオンを拠点に行っている。中国上海にも関連会社あり。

海外進出 インド 風景

アメリカ進出 A-Lex International Marketing, LLC

2007年設立、シカゴを拠点に、中小企業からFortune 500企業を含む日米企業1,200社以上への支援実績がある。日本発の製品・サービスの海外市場展開を支援する米国ビジネス立上げのパートナー。金子代表はメーカー出身で日本のモノづくり企業の強みを活かした営業・販促支援が得意。

海外進出 アメリカ 風景

ドイツ進出 ICH Industrieanlagen Consulting & Handel GmbH

2006年設立、ベルリンを拠点に政策調査、国際ビジネスコンサルティング、貿易、通訳・翻訳を実施。各国政府機関や研究機関、大学等との人脈ネットワーク、蓄積してきたデータ活用でドイツを中心とした欧州各国の法制 度や政策、施策等に係る調査、F/S支援、ドイツ展示会出展でのビジネスマッチングが得意。

海外進出 ドイツ 風景

フランス進出 EURO JAPAN CROSSING

2007年設立、従業員18名、パリを拠点に日本の自治体、中小企業を対象とした、マーケティング、イベント企画・運営、広報、輸出入サポート、ビジネス全般コンサルティング兼コーディネートを実施。フランス人向け日本食レストランガイド「MOG MOG JAPON(もぐもぐじゃぽん)」を年2回40,000部発行、及び日本の食と雑貨のコンセプトストア「タクミ・フレーバーズTakumi Flavours」をパリ日本文化会館内で展開中。

海外進出 フランス 風景

イタリア進出 NAGAEN Srl

2020年設立、コモ市とボローニャを拠点に日本の中小企業のイタリアでの販路開拓を支援、主にヘルスケア、化粧品、機械・機器、デザイン、ライフスタイルに特化しており、販売網、規制、許認可の取得コンサルティング等にも対応。

海外進出 イタリア 風景

2 海外市場調査コンサルティング会社

海外市場調査コンサルティング会社は、海外競合、海外顧客(法人、消費者)、海外流通等をネットもしくはインタビュー取材で調べ、適切なマーケティング情報を提供してくれます。

株式会社クロス・マーケティング

2003年設立、世界10か国20拠点以上でリサーチ事業を展開(うち、アメリカ、イギリス、中国、タイ、インドネシア、インド、ベトナム、シンガポール、フィリピンに自社拠点あり)参考価格は米国でのWebアンケート18問1800サンプルで1,110,000円となっている。

海外進出 市場調査

株式会社 未来トレンド研究機構 (旧 株式会社 ESP総研)

1999年設立、市場、業界、競合、海外のリサーチ&コンサルティング、及び海外マーケティング支援(海外企業へのアポ取り、海外視察)を実施。参考価格として『2023年 海外における「MaaS×ユースケース(事例)」に関する網羅的な調査レポート89頁(公開事例:79社×300枚付き)』は税込み198,000円。

海外進出 

3 海外企業信用調査コンサルティング会社

海外企業信用調査コンサルティング会社は、登記所から入手した基本情報や金融業界、銀行、取引先企業からの照会情報、M&A情報、及び独自リサーチにより、海外企業との取引リスクのコンサルティング及び総合評価レポートを販売しています。

Dun&Bradstreet(D&B) ダンレポート (株式会社 東京商工リサーチ)

1841年設立のダン&ブラッドストリート社のダンレポは、全世界240超の国と地域をカバー、5億件超の企業情報を提供する与信管理に最適な企業調査レポート。圧倒的な知名度と信頼性を誇り海外で活躍するビジネスパーソンでダンレポを知らない人はいない。

海外進出 信用調査

株式会社クレディセイフ

2016年設立(ノルウェーで1997年設立、英国本社は2002年設立)、12カ国に拠点があり世界で一番利用されている企業情報会社。海外販路開拓に欠かせない高精度なリストを欧米に特化した12カ国、6,600万件以上の企業リスト、膨大なデータソースから希望条件で抽出、最短1営業日で提供。アジア企業も可能。

海外進出 信用調査

4 海外ブランディング支援コンサルティング会社

海外ブランディング支援コンサルティング会社は、海外の消費者向け商品を展開していく場合は必須のパートナーですが、予算が厳しい場合もブランディングという戦略を学ぶだけでも自社の価値を上げることはできます。

HI(NY) design

2008年設立、NYのブランディング・エージェンシー出身の日本人クリエイターが、ブランディングを主とした女性の視点ならではのトータル的なデザインをNYから提案。代表の著書『ニューヨークのアートディレクターがいま、日本のビジネスリーダーに伝えたいこと』はAmazonレビュー4.3(385件)の高評価を更新中。

海外進出 ブランディング会社

5 海外マーケティング支援コンサルティング会社

海外マーケティング支援コンサルティング会社は、日本企業が不足しがちな「だから何なのか?」を「ほぉそういうことか!」に変え海外からも購入しやすい環境を整えます。

株式会社Strategy&Design Labo (ティア)

2015年設立、海外ビジネスマーケティング、海外Webマーケティング、海外Web制作、海外SNS以外にも、海外企業リスト作成、海外出展支援、グローバル人材採用支援を提供。ページ中盤にある多言語サイト制作実績例のBefore Afterはとても分かりやすく海外からのサイト来訪者視点が学べる。

海外進出 マーケティング会社 

6 海外展示会出展 海外販路開拓支援 海外営業代行コンサルティング会社

海外展示会出展支援、海外販路開拓支援、海外営業代行コンサルティング会社は、海外での主に対面での新規開拓をサポートし、販売代理店、卸業者、小売店、一般消費者を日本企業と一緒に開拓していきます。

フランス エービングプラス Co., Ltd.

2013年設立、フランス国際展示会・国際見本市出展サポート等、パリを起点に自社製品のヨーロッパ市場進出・販路開拓・拡大を目指す日本の中小企業様の海外進出を支援。フランス・ヨーロッパ圏内外の1,200店以上の小売店に販売実績がある。

海外進出 フランス

欧州 株式会社Fruits Planet Marketing and Consulting

2018年設立、フランス6名ドイツ1名大阪2名の合計9名全員が女性社員で、海外事業部をアウトソーシングする、 欧州支店をアウトソーシングするをコンセプトに、ヨーロッパに特化した海外販路開拓のコンサルティング、マーケティング、営業代行を行っている。

海外進出 スペイン

アメリカ Kumu Creation Corporation

2020年設立(母体は2002年設立)、ロサンゼルスに拠点を持ちアメリカ市場展開支援およびマーケティング&コンサルティング、展示会出展サポートおよび貿易コンサルティング、発掘、交渉、日本向け商品作成、通関、物流まで一貫したサービスを提供している。

海外進出 アメリカ 海外展示会 

7 貿易実務代行コンサルティング会社

貿易実務代行コンサルティング会社は、直接貿易未構築の中小企業の貿易部として貿易書類の作成、国際輸送会社・船会社・保険会社との相互連絡、海外企業とのコレポン業務(英語で取引先とメールや電話でやりとりすること)の代行や、貿易実務の内製化コンサルティングをします。

OFFICE ZETA

2001年設立、イタリアに連絡事務所あり。弓場代表はイタリア・ミラノ駐在後、イタリアブランドファッション事務局に勤めた後、貿易コンサルティングを開始。貿易業務のアウトソーシング、海外企業との交渉及び連絡業務代行、新規海外取引先の情報収集、開拓、海外買付業務、国際売買契約の交渉から締結および管理業務、貿易部門の立ち上げ、貿易スタッフのOJT教育、国際見本市出展コーディネート、イタリア語・英語ビジネスアテンド通訳、貿易実務セミナー講師、社内研修を20年以上行っている。

海外進出 貿易実務

コカトレーディング

2002年設立、海外取引に必要な、交渉、受発注、決済、通関、国内外運輸等の一連の貿易実務を顧客企業に代わって行うサービスを提供している。

海外進出 貿易実務

8 海外向けWebサイト制作コンサルティング会社

海外向けWebサイト制作コンサルティング会社は、日本語サイトを単に英訳したサイトを制作するのではなく、商習慣、流通、文化、風習の違いを踏まえたコンテンツの魅せ方を提案しています。

世界へボカン株式会社 

2014年設立、アメリカ、フランス、シンガポール、中国の多国籍メンバーが英語圏の越境EC・海外向けBtoBマーケティングに必要なさまざまなソリューションを提供している。徳田代表の著書はじめての越境EC、海外Webマーケティング は越境ECの基本となる調査、制作、プロモーション、税務、法務も網羅されている。

海外進出 海外web制作

テクノポート株式会社

2010年設立、製造業を中心とした技術系企業の「技術をWebの力によって広め、新規顧客獲得や用途開発につなげる」を実現する海外Webサイトを制作している。サイト制作の際は、「海外Webマーケティングサービスが本当に必要なのか」「獲得した取引をどのように処理していくのか」「特定の地域、顧客属性に限定した深度の深いマーケティングをどう進めるか」等、制作して終わりではない相談も可能。

海外進出 海外Web制作

9 越境EC販売支援コンサルティング会社

越境EC販売支援コンサルティング会社は、越境ECサイトプラットフォーム登録や越境ECサイト運営に必要なオペレーション支援一式、および海外税務会計、納品配送代行等のサポートを行っています。

株式会社コンパスポイント

2015年設立、日本企業が海外Amazon開始の際ハードルとなる、Amazon販売アカウントの開設、翻訳、商品画像・動画撮影、商品登録、国際配送、多言語カスタマーサポート、国際送金サポート、PL保険、Amazon内広告を含む集客、テクニカルサポート、アカウント運用代行、著作権・FDA・税務対応・GDPR対応サポート、市場調査、コンサルティング、SNSマーケティング、メディアバイイング、現地スタッフの手配等について対応。

海外進出 越境ECサポート

株式会社ナセバナル

2009年設立、中国越境EC運営サポート専門会社で広州支社に運営チームがあり中国越境ECサイト構築や運営代行、戦略コンサル、広告・プロモーション運用、翻訳、デザイン制作、カスタマーサービス、梱包発送等を淘宝(タオバオ)、天猫国際(Tmall Global )、1688.com(BtoB)でフルサポートで実施中。

海外進出 中国 越境ECサポート

株式会社ワサビ

2012年設立、丸投げ型越境EC販売サービスでは、商品の情報を日本語でシステムに登録するだけで海外のモールに自動翻訳で出品され、受注後国内の指定倉庫へ商品を送付頂ければその先の海外配送から代行が開始。eBay,Amazon.com, タオバオ, Shopee, Lazada, Catawiki で全世界のお客様に販売可能。Googleビジネスの顧客レビュー(10)は平均が5(驚)!

海外進出 リユース 越境EC

10 海外Webマーケティング支援コンサルティング会社

海外Webマーケティング支援コンサルティング会社は、海外市場のターゲット顧客が自社サイトや自社SNSページを来訪し、顧客の課題を解決してくれる会社、商品、サービスだと認識し、それらの購入に至るまでの道筋(しくみ)をつくる支援をします。

株式会社 IGNITE

2019年設立、バイリンガルでチームを構成している大阪のWebマーケティング会社。チームメンバーの国籍は、アメリカ、ニュージーランド、オーストラリア、アルゼンチン、スペイン、イタリア、イギリス、インド、フィリピン、タイ、韓国、中国と多岐に渡り、インバウンドや越境ECなどの海外戦略、ローカライズやアナリティクス分析をして グローバルビジネスの成功に向けてサポート中。

海外進出 Webマーケティング

11 海外SNSマーケティング支援コンサルティング会社

海外SNSマーケティング支援コンサルティング会社は、LinkedIn、Instagram・Facebook、X(Twitter)、LINE、YouTube、TikTok等への広告運用だけでなく、アカウント分析、戦略設計、コンテンツ企画も担う広告代理店です。

株式会社カーツメディアワークス

2002年設立、海外進出を検討中で、テストマーケティング調査でまずは海外の反応を知りたい、海外に向けて情報発信したい、海外のマスメディアを対象にPR戦略を実施したい、と考える企業へ、海外向けPR戦略、海外向けデジタルマーケティング(SNSやオウンドメディア運営)、海外インフルエンサー・バイラル(口コミ)サービスを展開している。プレスリリース作成・配信関連書籍も多く出版し「SNSマーケティング100の法則 すぐに始めたい人の導入法・活用法」 は海外SNSマーケティング初心者にぴったり。

海外進出 海外SNSマーケティング

【海外進出コンサルマッチングサイト 追加で2選】

JAPANブランド支援パートナー検索ページ(中小企業庁)

中小企業者が海外販路開拓等を行う上で必要となる様々な活動をサポートする民間の支援事業者を中小企業庁が紹介するページです。
株式会社パコロアも登録されています。

海外進出 パコロアページ

Digima~出島~ 

2011年設立、民間の海外進出・海外ビジネス支援(企業紹介)プラットフォームで、専門会社登録数は2020年時で1500社を超えている。

海外進出 プラットフォーム

海外進出コンサルティング会社を選ぶ前に知っておきたいこと

それではここからは、自社に合った海外進出コンサルティング会社を選ぶために、知っておきたいことについてご説明します。

海外進出初心者企業にとって、どの海外進出コンサルに、何をどこまで依頼するのかを決めていくことは、そう簡単なことではありません。

正しい判断基準を持たないまま、検索エンジンに上位表示された海外進出コンサル業者、もしくはまとめサイトに掲載されている海外進出コンサル企業の中から、「無料相談」「実績」「HPの情報量」で選別し、予算内であれば一度依頼してみよう、という決め方が多勢となっています。

残念ながら、企業の海外進出支援、というのはプロと非プロとの情報の非対称性が大きい業界です。

非プロである海外進出初心者企業が、海外進出に必要な基礎知識を持たないままネット検索だけで、自社の海外進出にぴったりな海外進出コンサルに一巡目で巡り合える可能性は、かなり低いかもしれません。

例えば、

・海外進出コンサルに、海外市場調査をお願いして、営業代行をしてもらったが、売れない

・展示会出展を勧められて出展したが、帰国後どう進めたらよいか分からない

・ブランディングが大事と、Webサイトも販促ツールも英語で刷新したが、問い合わせは来ない

・駐在員事務所を設立したものの、次のフェーズに中々進めない

・現地に進出し、セールス要員も雇用しているが人材が定着しない、5年たっても黒字の見通しがたたない

などの状態は、

自社のニーズと、依頼した海外進出コンサルが実際にできること、もしくは見通しに「ギャップがあったから」が要因の1つと思われますが、そもそも、その自社の最初のニーズ設定(とそれに合った海外進出コンサル選び)は、成功する海外進出として本当に正しかったのかどうか、、、という視点も重要です。

海外進出コンサル選びの失敗や、海外進出でのつまずきを避けるために、初心者企業に最初に必要なことは、

・海外進出の全体像を知ること

・アドバイスや得た情報は「・・・・という方法もある(ようだ)」と解釈し、すぐに鵜吞みにせずウラを取る(答え合わせをする)癖をつけること

となります。

海外進出の全体像を理解しているか

もちろん、「海外進出の全体像」を100%理解することや、仮説の答え合わせを企業自身だけで今すぐ行うことは難しいかもしれません。(その答えが分かりづらいからこそ海外進出コンサルを起用するのですから)

しかし、最初はざっくりでも構わないため全体像を知ろう!とすることは海外進出コンサルの見極めに役立ちますし、条件反射ではなく、ご自社でもその都度、事実の確認・未確認を検証する癖は、実際の海外進出でももちろん大変役に立ちます。

そこで、ここでは、「海外進出の全体像」についての基礎知識を【海外進出でできること】とそのために【海外進出で必要になってくる能力】についてを含めながら、説明していこうと思います。

海外進出してできることは何か

【海外進出でできること】

まず初歩的なことですが海外事業は大きく分けると2種類あります。

  • 輸出(国内企業が日本の商品を海外に売りたい)
  • 輸入(海外企業が海外の商品を直接もしくは国内企業を通じ日本で売りたい)

 

このうちの 輸出(国内企業が日本の商品を海外に売りたい) を広義の「海外進出」と仮定するとその「海外進出」には更に3種類あります。

(1) 海外投資(海外に事務所・店舗・工場を作りたい)

(2) 海外販路開拓(日本の商品を海外に売りたい)

(3) インバウンド(日本に来る外国人に売りたい)

自社には(1)~(3)のどの海外進出が最適か?、あるいは(1)~(3)のどの組み合わせが最適か?については、

  • 求める売上規模
  • 企業の体力(人材の有無含む)
  • 商品やサービスの特性

で決まってきます。


中小企業にとって(1)の海外投資は負荷がたいへん大きいです。

最新の状況では(2)の海外販路開拓を進める中で、現地で確実に売れると確信し、現地生産がより大きな利益につながる場合にのみ(1)の海外投資に進むという選択が多くなっています。

一方で、海外現地からの進出要請(現地日系取引先など)があって、最初から確実に市場の見込みがある場合は(1)の海外投資から始めることも可能で、実際に10~15年前の海外進出と言えば、この現地からの要請パターンによる海外投資が主となっていました。

しかし海外進出早々にその取引先が、ローカル企業に発注を切り替えてしまい、売上激減の中、はじめての海外現地顧客開拓を行うことになる企業も少なからずあったため、そうなった場合に備え、最初から(2)の海外販路開拓が、自社単身ででもできる能力を事前に備えておくことが、最悪の撤退を回避するためには重要である、というのが今の新しい常識となっています。

(3)のインバウンド販売は、旅行客をターゲットとする以外にも、法規制等で海外での流通が難しい場合や、サービスと組み合わせて販売することが有用な場合などに選択されます。国内販売とはいえ、商品サービスや魅せ方を海外仕様にフィットさせる等のマーケティング上の工夫は必須となります。


海外進出の中で一番ニーズの多い、(2)の海外販路開拓については、更に2種類あります。(2-1) 海外販路開拓リアルと(2-2) 海外販路開拓越境ECです。

(2-1) 海外販路開拓リアル (日本の商品を海外で売りたい、顧客企業・消費者・小売店・販売代理店等を海外渡航して対面で開拓)

海外販路開拓リアルはどの海外進出の際も要となる最重要な部分です。

日本からの輸出であろうと、現地拠点からの販売であろうと、海外進出するすべての企業にとって、「海外顧客を海外市場において対面で新規開拓できる」ということは海外事業を盤石にするために欠かせない競争優位の源泉だからです。

販売代理店を通じた販売だとしても、海外販路開拓ノウハウを自社に蓄積するしくみは欠かせません。それが無い進出企業は、海外事業の継続が早晩難しくなっていくでしょう。


(2-2) 海外販路開拓越境EC (日本の商品を海外で売りたい、海外渡航せず販売先を開拓)

海外販路開拓越境ECは活況でコロナ禍も10%弱ほど増加しています。

しかし中小企業が自社サイト(越境EC)のみで継続的な海外売上をつくることは容易ではなく、大手プラットフォームへも出店しながら、ブログ(SEO)や有料広告を平行して実施するなど、人材と予算をかけた運営が必要となります。

初期段階ではどの日本企業の商品・サービスも、海外認知は低いため、展示会出展と越境EC、インバウンド販売と越境ECなど、ECだけではなくリアル展開とのセットで、相乗効果を狙う戦略が選択されます。

さて、ここからは、海外進出の際、海外展開を確実に成功に近づけるためには、企業にどのような能力が必要となってくるのか?【海外進出で必要になってくる能力】についてもご説明します。

海外進出で必要になってくる4つの能力とは何か

【海外進出で必要になってくる能力】

海外進出の際に海外進出初心者企業に必要になってくる能力は以下の4つです

4つの能力

1 新規事業立ち上げ力

2 リスク管理力

3 異文化適応力

4 ビジネス英語力

残念ながら初めての海外進出を進める中小企業のほとんどは上記能力を十分には備えていません。

日本企業の多くは、安定収益が見込める既存事業を、日本独自の特殊な商習慣をベースに、日本語で、契約書なしで問題なく行っていることが多いため、毎年新規事業立ち上げを行ったり、今日も明日も異文化適応必須の取引を行っている、という環境が多くは存在しません。

これらの4つの能力は、日本国内では必須などではなく業種によっては求められてすらいないでしょう。国内事業のみを営む場合この4つの能力不足が問題視されることは少ないでしょう。

しかし海外ではこの4つの能力が不十分なままではビジネスを成功させることは不可能です。

なぜなら海外市場において成功している海外のビジネスパーソン達は、当たり前のようにこの4つの能力が備わっていて、これらを駆使し、競争に勝ち、利益を上げています。

これらの能力を持たずに海外進出する、などそもそもあり得ません。
これらの能力が『もちろんある』前提ですべての取引、交渉が進んでいきます。

従い日本企業が海外進出する際は、

  • 少なくともこの4つの能力を新しく身につけると決めること
  • つまりゼロからの習得を最初から海外進出計画に盛り込んでおくこと

が必須となります。

そしてこの4つの能力を海外進出する過程で習得することを大前提としながらも、
加えてほとんどの企業で、自社の海外進出を実現するために下記の大幅修正も必要となってきます。

海外進出を実現するための4つの大修正とは何か

4つの大修正

a. ビジネスモデル

b. 社内体制

c. 交渉力/営業力

d. 販促ツール

つまり、海外進出を希望する初心者企業にとって、
1~4の能力を新しく習得する必要があるだけではなく、
a.~d.の大修正も同時進行でもれなく必須になってくるのです。

例えば最初から海外市場も視野に入れているスタートアップ企業であれば、海外仕様も初期実装されていますので事業の大幅修正なく海外進出は可能でしょう。

一方、日本国内だけで通用してきたビジネスモデル、社内体制、交渉力や営業力、販促ツールをそのまま何の修正もなく海外市場でも通用させることができる中小企業というのは、かなりの少数派となります。

ということは、これから一緒に海外進出を伴走する海外進出コンサル会社には、

1           新規事業立ち上げ力

2           リスク管理力

3           異文化適応力

4         ビジネス英語力

という海外進出に必要な能力を、海外進出初心者企業が習得するための支援

a.           ビジネスモデル

b.           社内体制

c.            交渉力/営業力

d.           販促ツール

大幅修正を、海外進出の過程で一緒に担ってくれることが求められるのです。

もし、これらを提供できない海外進出コンサルを起用しようとしている場合、これらを提供できる海外進出コンサルを追加で起用する必要があるでしょう。

そうしなければ4つの能力を持たない企業が4つの大幅修正もすることなく海外進出することになり、成功の可能性は著しく低くなるためです。

さて、ここからが

  • 海外進出の際必要になるアクション
  • 海外進出コンサル各社のHPで掲げる業務内容(サービスメニュー)の選択


のご説明となるのですが、海外進出の際必要になるアクション(もちろんa.~d.の修正も同時に行うことになります)にはどのようなものがあるのか?について

海外進出の際必要になるアクション・・・ そのサービスを提供する企業(属性)

という表記で下記にまとめてみました。

「海外投資」に必要なアクションは何か


まず(1)の海外投資の場合に必要なアクションとそのサービスを提供する会社属性は、下記の通りです。

a) ビジネスモデルの修正 (=海外向けビジネスモデルの新構築)

海外事業戦略立案・・・海外進出コンサルティング会社

海外市場調査・・・調査会社、通訳翻訳会社、海外進出コンサルティング会社

海外ブランディング・・・海外ブランディング支援会社、海外向けWeb制作会社、海外進出コンサルティング会社

海外マーケティング・・・海外マーケティング支援会社、海外向けWeb制作会社、海外進出コンサルティング会社

b) 社内体制

海外人材マネジメント・・・現地法律事務所、海外進出コンサルティング会社

海外労務管理・・・現地社労士事務所、海外進出コンサルティング会社

海外会計税務・・・現地会計事務所、海外進出コンサルティング会社

海外生産管理・・・(日系企業退職者再雇用、本社システム現地仕様化、他)

c) 海外向け交渉力/営業力

海外顧客候補リスト抽出・・・調査会社、海外進出コンサルティング会社

海外展示会出展 海外営業・・・海外販路開拓支援会社、海外営業代行会社、海外進出コンサルティング会社

貿易実務・・・貿易実務代行会社、海外販路開拓支援会社、海外進出コンサルティング会社

d) 海外向け販促ツール

海外向けWebサイト・ECサイト・・・海外向けWeb制作会社

海外向けWebマーケティング・・・広告代理店、海外Webマーケティング支援会社

海外向けSNS運営・・・広告代理店、海外SNSマーケティング支援会社

 

 

「海外販路開拓」に必要なアクションは何か

次に(2)の海外販路開拓に必要なアクションとそのサービスを提供する会社属性は、下記の通りです。

*(1)との違いは、b.の社内体制の内容です。

a) ビジネスモデルの修正 (=海外向けビジネスモデルの新構築)

海外事業戦略立案・・・海外進出コンサルティング会社

海外市場調査・・・調査会社、通訳翻訳会社、海外進出コンサルティング会社

海外ブランディング・・・海外ブランディング支援会社、海外向けWeb制作会社、海外進出コンサルティング会社

海外マーケティング・・・海外マーケティング支援会社、海外向けWeb制作会社、海外進出コンサルティング会社

b) 社内体制

海外事業担当者育成・・・海外人材育成会社、研修会社、顧問紹介会社、海外進出コンサルティング会社

c) 海外向け交渉力/営業力

海外顧客候補リスト抽出・・・調査会社、海外進出コンサルティング会社

海外展示会出展 海外営業・・・海外販路開拓支援会社、海外営業代行会社、海外進出コンサルティング会社

貿易実務・・・貿易実務代行会社、海外販路開拓支援会社、海外進出コンサルティング会社

d) 海外向け販促ツール

海外向けWebサイト・ECサイト・・・海外向けWeb制作会社

海外向けWebマーケティング・・・広告代理店、海外Webマーケティング支援会社

海外向けSNS運営・・・広告代理店、海外SNSマーケティング支援会社

 

 

以上、
海外進出初心者企業が、海外進出の際に必要となる施策(アクション、ツール、能力)を一覧にまとめてみました。


ただ、海外進出の全体像はある程度分かったけれど、、、それでもまだ正しく海外進出コンサルを決めきれないかもしれない、ということが今後あるかもしれません。

例えば、各社に問い合わせもして見積も提案書も入手したが、どの海外進出コンサルが自社に最適なのかがやはり分からない、1社で全てを担えるようなコンサルはいないようだし、そうであれば複数社をフェーズごとに投入するなど、自社だけでの采配はとても難しそう、、、というものです。

この悩みの解決方法としては、

「各社の得意分野起点の提案ではなく自社に不足している能力起点で提案をしてもらう」

というのが、みなさまにとっては判断しやすくなるため効率的で良いでしょう。


通常、海外進出コンサル各社は、親切に
自社の「得意分野以外の」話も含め、海外進出の全体像を示し、
場合によっては自社のサービス以外の選択に、その企業にとってメリットが多いと分かればそれをお教えする、といったことはせず、普通に自社の得意分野起点で提案をすることが一般的だからです。

また、海外進出コンサルの見極めの際に、先方に何を質問すれば良いかが分からない、ということもあるかもしれません。

ということで、海外進出コンサルを選定する際に、できれば確認しておくと良い質問事項についても下記にまとめてみましたのでぜひご活用ください。

海外進出コンサルを選ぶ時に確認しておくことリスト

・まずは海外進出の全体像を自社でも理解しておく

・海外進出コンサル各社の得意分野起点ではなく、自社に不足していること起点からの提案を依頼する(自社の現状を客観的に把握するため)

・その上で海外進出コンサル各社が何をどこまでどのように支援してくれるのかを、時間軸で、具体的に説明してもらう

・自社が海外進出で成功する「ビジネスモデル」は何になりそうか、解説してもらう

・現在自社に不足している能力が何で、それは支援や指導を受けることで外部の海外進出コンサル会社から「過不足なく調達し得る」ものなのか確認しておく

・海外進出コンサル費用に含まれるものと含まれないものを支援前に書面で確認しておく

・支援終了後自社だけで海外進出ができるのか、根拠は何か確認しておく

・支援終了後自社だけで海外進出できない場合は、「誰が何を」「どうやって海外進出を継続するのか」確認しておく

・海外進出するメリットは、デメリットを本当に上回るのか解説してもらう

・支援中に自社に起こりえる海外進出リスクを、少なくとも10個契約前に教えてもらう

・(コンサル側ではなく)企業側の対応不足による失敗事例を、反面教師として契約前に確認しておく

・「海外進出コンサル」はいわゆる高度人材につきその費用は「高い」が、もし契約開始後半年たっても、一度も「これは自社だけでは到底できないことだ」と実感することがないようであれば、更新を待たずに途中解除ができる契約にしておく

・海外進出コンサルを活用する中で、コンサル自身に海外ネットワークがあることに相談企業として価値を感じてしまうかもしれないが、自社の自社によるゼロからの海外ネットワーク作りを伴走してくれる海外進出コンサルの方が本来何倍も企業にとって価値があるため、それを事前に要望しておく(将来企業だけで自走できるように。。)

 

海外進出コンサルの相談なら株式会社パコロアにお任せ!

自社に合う海外進出コンサルを正しく選ぶ、というプロセスは、実はすでに、海外進出そのものをはじめてしまっている状況とも言えます。

どう海外進出を進めるか?の始め方次第で、その後の海外進出の試行錯誤の質も(費用も時間も)大きく変わってきます。

間違った問いを立てると間違った答えしか出てこない、というように、海外進出コンサル選びは海外進出の成功のための一丁目一番地なのです。

みなさま自身で正しく見極めるぞ!と覚悟を決めることが何より重要です。

とはいえ、やっぱり正しく見極めることは自社だけでは難しそう、、、という場合は、株式会社パコロアにお問い合わせ頂ければと思います。

株式会社パコロアは、中小企業の海外進出の実務支援パートナーとして、将来、その企業だけで海外進出が自走できるよう、海外事業が内製化できるよう、今日も毎日OJT支援を行っている会社です。

海外進出の相談をしてみたい、自社商品が海外で売れるかどうか知りたい、海外現地に一度行ってみたい、と海外進出をお考えの企業さまは、いつでもお気軽に株式会社パコロアにお問い合わせください。

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