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海外出張も、毎月あるものから、年に1回有るか無いかまで、その頻度は仕事によりさまざまです。
大企業の拡販部隊採用(技術者同行あり)や、中堅企業の既存顧客へのルート営業と比較し、
中小企業のはじめての海外展開にともなう海外営業(新規開拓)は、道なき道を行くタフさがゆえに、応募が少ないのが現状です。

はじめに

“海外営業、求人”、で検索するとその業種の多さに驚くかもしれません。実際に海外事業用人材を求める中小企業も多いでしょう。

しかし海外進出をこれからはじめる小さな会社では、大手と比較し条件提示面のインパクトが弱いため、募集をしても応募は少なくなりがちです。

求人し続けるにも費用がかかります。求人自体をあきらめている、海外進出初心者企業が、実は多く存在しています。

もちろん、起こした火を維持するより、はじめて火を起こす方が何倍も難しいことでしょう。

しかし、はじめての海外進出に全社で取り組み、担当者が1-2年かけて顧客を開拓したのち、初受注した瞬間、またその後順調に売り上げのゼロが1つずつ増えていくその過程で得られる充実感は、火を起こした人にしか味わえない、究極のやりがい、とも言えるでしょう。

海外の新規開拓って大変そうです、未経験でもできますか?

英語で初めての営業は、緊張して手に汗握るかもしれませんが、国内での新規開拓も海外の新規開拓も、することに違いはありません。

見込み顧客リストをつくり、コンタクトを取る。
技術力をPRするのではなく、進出国の、相手のお困りごとを解消する提案をする、そのための営業ツールを顧客ごとにカスタマイズする。

あるいは、展示会や商談会、ホームページや広告からの引き合いに対応して見積もりを提出する。
「海外企業が解決したい課題」への適切なアプローチや道筋を示し、海外取引であってもパートナーとして信頼できる根拠を魅せ、クロージングする、です。

もし国内営業の経験がない場合は、まずは国内営業から始めましょう。なぜなら海外での新規開拓の成功率が高いのは、下記の順だからです。

1位 英語が話せる営業経験者
↑ 
2位 英語が話せない営業経験者
↑ 
3位 英語が話せる未経験者

ただし、国内海外ともに新規開拓ですることが同じでも、そのすることの根底にあるビジネス常識はかなり異なるでしょう。海外進出に必要な能力も営業力と共にたくさん鍛えておきましょう。

>英語で初めての営業 初めてのエイゴ営業 7つのコツ

>海外進出に必要な能力を身につけよう

英語でプレゼンテーションをする時、何に気をつけると良いですか?

日本語でのプレゼンテーションと異なり、話す順番が、起承転結ではなく、結論→理由→事例/具体例→結論となります。

結論を先に、次に理由です。

よって、日本語のプレゼンテーション資料を翻訳する、のではなく、結論を先に述べるレイアウトを採用して英語で資料を作り始め、内容をぎゅっと絞り込んだ後に、日本語へ翻訳することが成功の秘訣です。

よろしければこちらをどうぞ

>多言語サイトの作り方!失敗しない13のポイント

1スライドに1テーマを原則とし一番言いたいことだけを伝えます。
情報量はいつもの半分以下を目安に、無くてはならないメッセージだけを残し、自社が伝えたいことを中心にあれもこれもと詰め込みすぎないようにしましょう。

海外企業が知りたいことは、貴社の技術力ではなく、今の取引先から貴社へ切り替えることで得られる「海外企業のメリット」です。この「海外企業のメリット」がプレゼンの中心で展開できるよう構成することが重要です。

時間配分としては、5分のプレゼンテーションのあとに50分の質疑応答を設けるというのが理想です。ゆめゆめ30分も1時間も一方的に話すプレゼンとしないこと。相手の集中力が途切れスマホいじりが始まってしまいます。

話すときは常に表情豊かに、背筋を伸ばして、相手の目を見て話します。肩の力はすとんと抜いて仙骨を立てて歩きます。

プレゼン中、プレゼン後のどのような質問にも完璧に答えられるよう想定練習をしておきます。質問への回答も、謝辞→結論→理由→結論、の順で話すとぐんと伝わりやすいでしょう。

例)
「ご質問をありがとうございます。
結論から言うと答えは○○です、理由は△△だからです。
一方で××という視点も最近重要視されはじめました。
将来に××となる可能性は大いに考えられます。
しかし現時点では少なくともあと3年主流は○○です。
ただ、××はどうなのか?との着眼点は大変鋭いです。
有益なご質問です、誠にありがとうございます。」

ここまで長くしなくとも、質問をありがとう、結論は○○です、着眼点が鋭いですね、ありがとう、でも十分です。



プレゼンテーションのゴールは相手に行動を起こさせることです。

  • 海外企業から質問が出る
  • プレゼン後に今後の進め方について尋ねられる(担当者は誰、資料はいつ貰える、いつまでに何をする)
  • 一度上司に会ってくれ、工場も見てくれと要望される
  • 「仮に○○というケースではどうなるだろうか」と相談される
  • 会社を訪問したい、見積もりが欲しいと依頼される

などが出るようでしたら、そのプレゼンテーションは成功した、と言えるでしょう。

リモート営業って、海外向けにはどうすれば良いですか?

会うことでしか確認できないこと1:会わずに確認できること9

の時代へと、切り替えが進もうとしています。

しかし、もともと日本の中小企業にとって、頻度多く海外営業に行くことは一般的ではありませんでしたので、出来るだけコストをかけずに海外市場を新規開拓をすることが、これまでも、これからも常に求められていくでしょう。

新しい時代の切り替えは、海外進出を目指す中小企業にとって特に目新しい切り替えではないですが、“海外顧客訪問をしていない期間に何ができるか?”のバリエーションを更に増やす機会とはなるでしょう。

まず、その場に自分がいなくても、相手を動かせる力となるような、海外企業内で独り歩きしても受注できるような、「新規取引メリット」が簡単に分かる提案書の作り込みは必須です。

そのためには、海外企業のカスタマージャーニーを深掘りし、場合によっては必要なデジタルツールを整備することも重要です。

これらにはかなりの手間と時間がかかりますが、これをまたと無い機会ととらえ、新しい砦に到達することを目指すことで、

そこには大企業も中小企業も、日本も海外もない、

ただピンチをチャンスに変えることができた企業だけが居場所を持つ未来が待っていることでしょう。

オンライン商談での音声や画像から、言外の言や、空気感までくみ取ること、初対面の場がクロージングの場であり、本番一発勝負となるなど、世界レベルの無茶ぶりにもめげず、

全世界の海外営業パーソンが今みな同じスタートラインに立つ中、

ぜひ日本の中小企業のビジネスパーソンとして、値千金の活躍を、世界中に見せつけてやろうではありませんか。

海外での新規開拓の方法について、今すぐできる気はしませんが(涙)、やることは明確になった気がします。

もともと国内営業の経験もありますし、その点だけは自信がチョットだけ、芽生えてきました!!

頼もしい限りです。

自身で行動し、失敗し、客観的な評価を受け、反応を確認し、考えて、修正する中で、はじめてノウハウは腹落ちしていくものです。それがやがて本物の血肉となります。

知っていることと、出来ることは違うため、せっかく教わったノウハウも、見たり聞いたり表面をなぞるだけでは、実際に再現するのは難しいですよね。やはり行動することが、まずは重要ではないでしょうか。

仰るとおりです。

一番カンタンな異文化適応方法は何ですか? のところで、海外市場で、行動を予知したコミュニケーションが取れるようになる方法をお伝えしましたが、それらを専門家のどなたかとご一緒されるのもひとつです。

それでも難しい場合は、パコロアの海外進出プロサービスのご利用も、ぜひご検討下さい。

(OJT支援があれば、海外での新規開拓の自走も夢でなくなる、ってやつですね)

(・・・・はい。)

さてさて。

この「海外営業」にて、海外進出の「輸出」のロードマップはいったんゴールに到着しました。

いったん、というのは、海外進出では、「輸出」だけではなく、「投資」という局面もあり、現地に事務所や工場、店舗等を設立する場合は、「海外投資をする」 へと更にロードマップは続きます。

海外拠点を立ち上げや、海外現地での海外現地で市場調査(F/S調査)について、引き続き解説していますので是非、海外投資をするも合わせてお読みください。

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