最近、国際ビジネス支援をしている県のイベントプロモーションのオンライン商談会に参加されていると聞きました、
いかがですか。
なかなかの苦戦ぐあいです。
オンライン商談会は、リアルの商談会とは、前提条件も、準備のレベルも異なるため、そもそも、そんなに簡単ではないのです。
ほぉ、色々お聞きしたいですね。
海外のオンライン商談会が難しい理由
1 海外のオンライン商談会では、”ほぼセミナー”並みの準備が必要
海外オンライン商談会が難しい理由の1つに、営業をかける側(みなさま)がほぼセミナー開催並みの完璧なプレゼン資料とデリバリー(会話の運び)を提供することが前提となっていることが挙げられます。
また、リモート参加の通訳も入りますので、たとえ30分の予定でもトータルで倍の1時間がかかってしまことは珍しくなく、なおかつ初対面の商談ではニュアンスも伝わらりづらく、全て訳そうとするため、話も長くなり、双方の集中力が続きません。
本来、海外企業への売り込みは、先方の課題を事前把握しないままでは、オンラインでもリアルでも成功できませんが、それら仮説を持たずに無料の海外オンライン商談会に参加する日本企業は多くあり、海外オンライン商談会は成立しづらい、とのイメージが持たれているようです。
2 海外のオンライン商談会での、アドリブ展開は高度な技術と心得る
海外オンライン商談会では、相手の海外企業が5分前まで他企業とオンライン打ち合わせをしていることが良くあります。
つまり、海外企業との取引での常識である、
- 時間を無駄にしない
- 結論から話す
- 顧客の課題解決に集中する
- 価格や取引条件は複数の選択肢を準備し即答する
- プレゼンの時間より、自由な質疑応答の時間を充実させる
- 最初から最後までプレゼンターは信頼される立ち居振る舞いを忘れない
が、その海外企業へ、一気通貫で提供できていることが大前提となっています。
その上でアドリブ展開までもしできるようであれば高く評価はされますが、
海外企業が当たり前に5分前まで享受していた、海外企業同士の商談スタイルが無い中でのアドリブは、行き当たりばったりのプレゼンで、顧客を大切にしていない、と誤解されかねませんので、まずは海外企業のオンライン商談の進め方を知り、それに合わせる意識が重要です。
海外のオンライン商談会の改善策3つ
1 海外企業との目線合わせを最初に行う
オンライン商談会とはいえ、忙しい中、お互いに時間を作って、臨んでいます。
商談のはじめに、本日の目的とゴールを、簡単に目線合わせしておくと良いでしょう。
・本日の進め方
・本日の参加理由
・本日のお互いのゴール
・先方の、今現在のお困りごと
・現地と当地の、市場/業界の情報交換
ちょっと、恥ずかしいかもしれませんが、ちゃんとご自身で司会進行をしてくださいね。
対面の商談では、いちいち言わないことも多いですが、
オンラインでは、最初に宣言してしまって先方の反応を見ながら進めると良いでしょう。
一番良くないのは、目線合わせをしないで、いきなりプレゼンを始めることです。
これで相手から受注するのは難しく、「また何かあれば連絡します」、で終わるのが関の山でしょう。
その山、何回か見たかもしれないです(ガックリ)・・・。
(ドンマイ・・・)
2 海外のオンライン商談会用の一人ボケとツッコミ練習は必須
オンライン商談会では、先方の受け身度が相当高いですが、それは裏を返せば、商談全編で主導権を握ることが、頑張り次第で出来る、ということです。
この際、商談の脚本を作ってしまいましょう。
お客さまのリアクションを、様々に想定して、営業トークを前もって組み立てておく、ということですね。
ええっと、それって普段からしていなかったかい?
ウチで、しているよね?
はい、そのくらいのことなら、いつもしていることです。
営業トークは私の頭の中に入っていますし、ケースに応じて臨機応変に・・・
フフッフ、そこが、落とし穴なんです。
それはリアルの商談会での臨機応変さであり、
リアルで通用した準備ですよね。
”脚本”と表現したのは、決して誇張ではなく、
全部書いてみてほしいからです。
3 海外のオンライン商談会用プレゼン資料の最適化
B2Bの場合、
・こういう話が来れば、こう答える、この資料を見せる、
・関心が低めであれば、この事例と実績をこのURLと共に説明する、
・かなり関心が低いようなら、業界情報提供に切り替える、
・その時の話題はまずは自動車、次に半導体、最後に医療機器
とここまで、3分30秒
・競合情報はここまでは知っているだろうけれど、反応を見て追加情報の開示有無を決める、
・もし食いついてきたら、商品の話に誘導して、商品購入のメリットに含めて、競合との差を強調する、
・競合がなぜ追従できないかは、別資料と共に客観数字で説明する、
・これは発注書を頂けたらエビデンス詳細を提供するバーターとする
この間に想定されるQ&Aは・・・・
などなど、
ここでのポイントは、プレゼン資料や、マニュアル通りのセールストークを有効活用しつつも、
会話の端々で見え隠れするニーズや、疑問は決して見逃さず、都度、データ、画像、図表、写真などを使って、小さな満足感を一緒につくりあげていく、
あるいは端的に言葉で説明して、納得感を共有していく、ということです。
一方、
B2Cの場合は、
・オンラインショッピングで売れているTOP10に入っていること、あるいはニッチ売り上げのTOP10であることのエビデンス画像
・店舗ディスプレイ画像や小売店の声とリピート理由
・抱き合わせでの棚全体の商品施策の具体例、資料提供
とここまで4分30秒
・SNS、メディアでの評価
・コロナ禍での売れ行きの特徴、今後の想定
・最近取引が始まったバイヤーからの評価
・具体的な取引条件、原料不足と輸送費高騰での値上がり懸念、今が買い時のPR
等々・・・
これらを、時間を計りながら、画面の向こうにお客さまがいると思って、実際に資料共有の操作をしながら、ハキハキと話す練習をするのです。
練習してみると、対面でのプレゼン資料と異なり、
その時々の顧客ニーズに応じて見せる資料やデータや画像が、こまかく必要だったり、直接のURLの共有で事足りたり、
あるいは食いつきに応じていっそトークのみに切り替えたり、といった臨機応変さが、より必要になる、と気づきます。
だからこそ、何度も何度も、海外顧客を想定して、一人ボケとツッコミの練習をしてみるのです。
いいですね、そこまでしたことは、さすがにないだろウチでは?
・・・・・・。
無いですよ。
一人ボケとツッコミの練習って、一体。。。。
(かんべんしてくださいよ~、
社長、ノリノリじゃないですか、んもう==!!)
オンライン商談の結果、即買いに至らずとも、
「今日は話せてよかった、また連絡していいですか?」
という言葉を、海外顧客候補から引き出せたとしたら、それはそれで、まずは、いったん、上出来ではないですか~~
だってアフターパンデミックの海外展開なんですもの、
下を向かずに、Just Keep Going !!