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海外進出の可能性を検証する

海外事業用のビジネスモデルはありますか

公開日時:2020年08月18日

更新日時:2026年06月12日

小川 陽子

著者紹介 :小川 陽子 (代表取締役)

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海外進出の実現可能性を考える上で重要なのはビジネスモデルです。

海外進出をきっかけに、自社にとって最強の海外進出ビジネスモデルとは何かを熟考することは、今後の戦略づくりに大変役立ちます。
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海外進出は自社のビジネスモデルを見直す絶好の機会

海外進出を考え始めると、多くの企業は海外市場や競合企業に目を向けます。

もちろんそれも重要です。

しかし本当に見直すべきなのは、自社の事業そのものかもしれません。

なぜ顧客は自社を選んでいるのか。

どのように利益を生み出しているのか。

自社の強みはどこにあるのか。

日本国内では当たり前になっていて意識していなかった仕組みも、海外進出を検討することで初めて見えてくることがあります。

海外進出は、新しい市場へ挑戦するだけでなく、自社のビジネスモデルを見直す機会でもあるのです。

海外事業のビジネスモデルを考える

海外進出では、日本国内で成功しているビジネスモデルをそのまま持ち込める場合もあれば、大きく見直さなければならない場合もあります。

重要なのは、「海外で売れるかどうか」ではなく、「海外でも継続して利益を生み出せる仕組みになっているか」を考えることです。

そのためには、顧客、販売方法、利益構造という3つの視点から、自社のビジネスモデルを見直してみる必要があります。

特に海外進出では、日本国内では気づかなかった前提条件が大きく変わることがあります。

まずは、どのような部分が変わり得るのかを確認してみましょう。

海外でも同じ顧客に売れるとは限らない

海外進出を考えるとき、多くの企業は「日本で売れているのだから海外でも売れるはずだ」と考えます。

しかし、海外では顧客の課題や価値観が異なることがあります。

日本では高く評価されている品質やサービスが、海外ではそれほど重視されないこともあります。

逆に、日本では当たり前すぎて強みだと認識していなかった特徴が、海外では大きな競争力になることもあります。

重要なのは、「今の顧客と同じように自社の価値を評価する顧客が海外にもいるはずだ」と考えることではありません。

今の自社の価値そのままを必要とする顧客はいるのか。

もしいないのであれば、どのような価値を提供すれば顧客になってもらえるのか。

そこまで考えることが重要です。

海外進出では、顧客が変わればビジネスモデルも変わる可能性があります。

まずは、自社の商品やサービスの価値が海外でも普遍なのか?、そうでなければ何をどうすれば顧客になってもらえるのか?を考えてみましょう。

日本と同じ販売方法が通用するとは限らない

日本国内で成功している販売方法が、海外でも機能するとは限りません。

国内では営業担当者による直接販売が中心でも、海外では代理店やパートナー企業を活用した方が効率的な場合があります。

逆に、日本では小売店経由で販売していた商品でも、海外ではメーカー直販のD2C販売の方が成果につながることもあります。

重要なのは、日本国内の成功パターンにこだわることではなく、現地市場で成果が出る方法に合わせて販売方法そのものを見直すことです。

海外進出では、「何を売るか」だけでなく、「どう届けるか」もビジネスモデルの重要な要素になります。

海外展開を進めると日本国内にはないコストが発生する

輸出を始めると、国際輸送費、梱包費、通関費用、関税、銀行手数料など、日本国内にはないコストが発生します。

現地生産を始める場合も、現地から他国への輸送費や物流費、管理費用など、別のコストが発生することになります。

加えて、販売代理店や小売店経由で販売する場合は、それぞれのマージンも考慮しなければなりません。

さらに、ブランドを維持するためには、現地スタッフ教育やアフターサービス、メンテナンス体制の整備なども必要になってきます。

こうしたコストを負担しながら事業を継続していくためには、価格以外の価値を顧客に提供できなければなりません。

もし海外市場で「安いから買う」という理由しか見いだされなければ、厳しい価格競争に巻き込まれる可能性があります。

その結果、売上は増えても利益が残らないという状況に陥ることも少なくありません。

つまり海外進出では、「売れるかどうか」だけでなく、「利益が残る仕組みになっているか」も再確認する必要があります。

そのためには、海外事業のビジネスモデルを十分に検討し、どのような条件であれば利益を生み出せるのかを考え抜くことが重要です。

また、海外進出によってビジネスモデルをどの程度変更する必要があるのか、という視点も欠かせません。

国内事業とほぼ同じ仕組みで展開できる場合は、一部の調整で済むこともあります。

しかし、新しい顧客層、新しい販売方法、新しい収益モデルに挑戦する場合は、事実上の新規事業に近い検証が必要になります。

そのため、ビジネスモデルの変更幅によっては、海外進出におけるF/S(フィージビリティスタディ)の規模や負荷も大きく変わってきます。

特に、机上の分析だけでは判断できない場合は、実際に現地へ足を運び、

・本当にニーズがあるのか

・想定している販売方法は機能するのか

・利益が出る価格帯はどこなのか

までを確認する必要があります。

F/Sとは単なる市場調査ではありません。

「そのビジネスモデルは本当に成立するのか」を検証するための活動でもあるのです。

まずは自社のビジネスモデルを整理しよう

海外進出を考えると、多くの企業は海外市場や競合企業に目を向けます。

しかし、自社が海外で成功できるかどうかは、現在のビジネスモデルをどれだけ理解しているかにも大きく左右されます。

誰に価値を提供しているのか。

どのような方法で顧客へ届けているのか。

どのように利益を生み出しているのか。

まずは現在の事業を整理したうえで、海外でも同じ仕組みが通用するのかを考えてみましょう。

ただし、ビジネスモデルが成立しそうに見えても、それだけで海外事業が成功するとは限りません。

契約、代金回収、知的財産、製品事故、為替変動、パートナーとのトラブルなど、実際に事業を進めて初めて見えてくるリスクも数多く存在します。

そのため海外進出では、ビジネスモデルの検討と並行して、想定されるリスクと対策を整理しておくことが重要です。

次は、海外進出でよくあるリスクと、その管理方法について確認していきましょう。

海外進出のリスク管理は考えていますか?

小川 陽子

著者紹介 :小川 陽子 (代表取締役)

英語英文学科を卒業後、中小メーカーの国際部で海外営業に従事後独立。27年以上にわたり、1,900社以上の中小企業の海外展開を支援。国際化支援アドバイザー、海外販路開拓アドバイザー、中小企業アドバイザー(経済産業省系組織)としても活動。

これまでに35カ国での商談・出展・調査を経験。支援対象は製造・小売・サービス・BtoB・BtoC・DtoCなど多岐にわたり、海外投資・輸出・輸入・展示会・海外SEOなど幅広く対応。

「海外進出は"急がば回れ"。場当たりではなく、"自走できるチカラ"を社内で育て、未来の世界市場で誇れる一社を目指して——今日も中小企業の現場で伴走支援を続けています。」

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