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海外展示会の出展サポート完全ガイド   

公開日時 2024年5月6日
Professional,Leader,Consultant for SME's overseas expansion

海外展示会の出展を成功させるには「準備が9割」と言われています。

しかし海外の展示会と日本の展示会では必要な準備も各国主催社のルールも異なるため、初めての海外出展で失敗しないために、どのようなことに注意すれば良いのか不安に思う方も多いでしょう。

そんな時は初心者にも安心の、海外展示会の出展サポートサービスを検討されることをお薦めします。

海外展示会の出展サポート実績が豊富な専門会社の力を借りれば、海外出展前の準備段階から現地でのサポートまで自信を持って取り組むことができ、効果的な展示会戦略で海外販路拡大の成功に向けた一歩を踏み出すことができます。

はじめに:海外展示会出展の重要性

海外展示会出展は、グローバル展開を考える企業にとって重要なビジネス戦略の一環です。日本企業が海外の展示会に出展することで得られるものには下記の7つがあるでしょう。

1 新たな市場や顧客層との出会い

2 現地のニーズやトレンド、商習慣の把握

3 ビジネスパートナーの獲得

4 異なる流通網の発見と構築

5 競合他社との差別化のヒント

6 自社のブランド認知度の向上

7 自社製品やサービスの海外視点での再評価

海外展示会出展は、海外進出の近道となるだけでなく企業の国際化戦略を推進できる、事業の成長に不可欠な機会となります。

海外展示会の出展サポートとは何か?

海外出展サポートとは、海外の展示会やイベントに出展する企業が、出展前から出展後までのプロセスで受ける支援やサービスのことを指します。

具体的には、出展準備においては、海外展示会の申込み代行、ブースやディスプレイのデザインや装飾会社の選定と連絡代行、物流手配、出展資料の作成代行などの支援が含まれます。

現地でのサポートでは、通訳や翻訳サービス、現地スタッフの手配、会場における問題解決などが行われます。

海外進出や海外マーケティングを主たるサービスに含める支援会社であればこれに加え、ブース内での海外営業代行や出展前後の海外プロモ-ション戦略等も実施します。

また、出展後の支援としては、会期中に発生した案件の成約化支援、海外企業との交渉代行、今後の見込み顧客へのフォローアップや、出展成果の分析、次回展示会へ向けた戦略立案なども含まれるでしょう。

出展サポートサービスは、企業が海外展示会に成功するための重要な要素ですので、その企業の商品やサービスの強みが活かせる展示会の選定から、ブース来場者の特性に合わせた接客対応のカスタマイズまで、現地企業との成約に向けて、準備段階から出展終了後まで丁寧な伴走が求められます。

海外各国の展示会にはそれぞれ異なる特性があり、参加する展示会によって期待できる効果も違ってくるため、出展サポートノウハウを持つ支援会社を活用することは初回出展からでも受注できる可能性をぐっと高めることにつながるでしょう。

具体的な海外展示会の出展サポートの内容

海外展示会の出展サポートには、大きく分けて2つの支援カテゴリーがあります。

  • 海外展示会への「出展手続き」サポート
  • 海外展示会を活用した「海外販路拡大」サポート

「出展手続き」サポートは、さらに

  • 出展前準備
  • 現地対応
  • 出展後フォロー

の3つのフェーズがあります。

「海外販路拡大」サポートでは、フェーズを分けることなく数ヵ月前から横断的に、戦略立案、海外向け価格設定、貿易書類のひながた作成、ブ-ス内接客Q&Aの原稿づくりと演習、商談支援、海外企業との交渉代行、帰国後の引き合い成約化、契約締結などをサポートします。

これから依頼しようとしている出展サポート企業が、どのサポートを主力メニューとしているか、どのサポートは「実施しない」のかを、最初の段階で確認しておく必要があるでしょう。

ある程度の海外ビジネス経験がある場合は、自社の方法で販路開拓を進める前提で、「出展手続き」サポートだけで十分かもしれませんが、初めての海外展示会出展の場合、「出展手続き」サポートだけではなく「海外販路拡大」サポートも加えて必要になる確率が高いでしょう。

なぜなら海外でのブース装飾が完璧に仕上がったとしても、自動的に「海外販路開拓」そのものが出展ブース内で上手く実施できるわけでは無いためです。

展示会のブースに立って英語で営業しながら、来場した海外企業担当者から本当に必要な情報を聞き出し、日本と異なるプレゼンをその場で円滑に実施し、海外バイヤーとの商談の際に「必ず確認すべきこと」や、「してはいけないこと」などが頭に入っている状態、というのは、海外展示会のノウハウを持っていなければ自然に作り出せるものではないためです。

展示会ブース内での「海外販路拡大」サポートも出展サポート企業から合わせて得られることで、海外初出展でも適切に自社の海外ターゲットに向けて、PRすることができるようになるでしょう。

自社に必要なのは、海外展示会への「出展手続き」サポートだけなのか、「海外販路拡大」サポートも含めてなのか、事前の適切な判断が海外展示会の成功の鍵になります。

「出展手続き」サポート 出展前準備

出展前準備のサポート内容には下記などがあるでしょう。

  • 展示会主催者へ出展申込み手続きの代行(英語)
  • ブース設営およびブース装飾会社の選定、ディレクション代行(英語)
  • 国際輸送の手配、通関連絡代行、サンプル品の輸送サポート、ATAカルネ手配等(貿易書類は基本的に英語)

「出展手続き」サポート 現地対応

現地でのサポート内容には以下のような項目が含まれています。

  • 当日の会場設営から撤収までの工程管理やサポート(英語)
  • 会場内での問題発生の際の対応(英語)
  • 通訳や翻訳サービスの提供(英語)
  • (主催者や輸送会社等の)現地スタッフとの円滑なコミュニケーションをサポート(英語)

「出展手続き」サポート 出展後フォロー

出展後フォローサポートとしては下記があります。

  • 展示品の日本への返送手続き
  • 展示品を返送しない場合の現地倉庫預け、あるいは廃棄手続き(英語)
  • 主催者へ次年度の出展小間予約(英語)

「海外販路拡大」サポート 海外販路開拓

「海外販路開拓」サポートとしては下記があります。
(パコロアでの支援メニューより抜粋)

  • 世界中で開催される展示会からサポート企業に最適な展示会の選定
  • 戦略立案のための現地市場、顧客、競合企業の事前リサーチ
  • 海外向け商品施策、現地流通規制の確認と準拠
  • 海外向け知的財産管理の確認、権利化
  • 国際輸送、輸出梱包、パッケージデザイン(B2Cの場合)、海外向け価格設定
  • 貿易実務に必要な知識習得と社内仕組み化、英文貿易書類ひながた整備
  • 英文契約書のひながた整備
  • 決裁権のある海外企業担当者やバイヤーへのアプローチ方法仮説立案
  • ブース内接客トークQ&A作成、事前演習
  • 展示会初日、2日目、3日目、最終日それぞれ当日中に接客トークや仮説の修正
  • 展示会期間中に、ターゲットと今後の課題を明確化
  • リアルとデジタルの相乗効果でカスタマージャーニーを最適化
  • (ブース内対面での情報収集と、その後のデバイス経由での競合比較検討、企業ブログを通じたナーチャリングやSNSを活用した継続的集客施策の提案等)

海外展示会の出展サポート企業の選び方

出展サポート企業を選ぶ際は、下記などを具体的に確認することが重要です。

・過去の支援実績、具体的な展示会トラブル解決例

・事前にしっかりとヒアリングを行い、自社の展示会戦略や最終目標に対してどのようなサポートを提供してくれるか

・支援実績として海外の展示会名だけを出すのではなく、実際の支援顧客企業が出展を通じて具体的にどのような成果を得たのか

・海外展示会での商談時には外国語版のWebサイト、カタログ、プレゼンテーション、動画が必要になるが、単なる翻訳ではなくローカライゼションができるか

・出展サポートサービスを十分活かすためには、支援される企業側の準備や協力も必須と伝え、事前に何をすべきかの時系列での提示が具体的にあるか

一方で、下記等の出展サポート会社などは少しだけ注意が必要です。

  • 海外現地に拠点があり情報やネットワークがあり、フルサポート可能
  • Webサイトにインパクトがあり、実績には行政や大企業のロゴがある
  • サポート費用は1回○○万円のみとあり、他のサービスより安価

まず、海外販路開拓を真剣に検討する場合は、支援サポート業者の現地ネットワークだけではスポット注文の域は越えられないため、いずれにせよ出展後の自助努力は継続して必要です。

例えば現地のDistributorと呼ばれる販売代理店を、海外展示会を通じて出展企業自身が継続して開拓していくことは海外進出上、必須となりますが、「出展サポート」会社にこの部分を委ねすぎると自社にノウハウが残らず、毎回「出展サポート」会社が必要になります。

ある程度のノウハウを習得後、自社だけで海外出展できるようになること、海外からの引き合いに自社だけで対応できるようになることは、海外進出を志向する日本企業のゴールの一つですので、「出展サポート」会社の活用目的、期間、費用対効果について、契約前に社内でよく話し合っておく必要があるでしょう。

出展サポート企業の過去の実績については、大企業への支援実績より自社と同等の中小規模企業の支援実績がある方が、より自社の成功率が事前把握しやすく安心です。

また、出展サポートは1ヵ月や1回で終わらず、出展後のサポートと称して他社同様の金額や、合計してみると想定以上の費用が請求されることもあるため、出された見積金額だけで本当に求める支援すべてを実施してくれるかの事前確認は重要でしょう。

出展サポート企業に何を一番支援してもらいたいのか冷静に検討し、適切な出展サポート企業を選ぶことで、海外展示会での成功がより盤石なものに近づきます。

海外展示会の出展前に知っておきたい法的制約

日本企業が海外展示会に参加する際には、現地の法的制約を把握することが重要です。

まず、現地の税法について十分な理解が必要です。

なぜなら現地税法は海外市場での最終価格への影響が大きい為、その商品やサービスが現地で現実的に「売ることができるかどうか」に直結してくるためです。

特に輸入関税や輸入規制、流通規制については、国によって異なるため、出展前に確認が必要です。

国際輸送費や関税、現地消費税を考慮すると、そもそも現地で販売できない商品価格帯になってしまう場合があることは、意外と見落としがちです。

さらに、知的財産権や特許権などの法的保護に関する適用も異なる場合があります。

これらの法的制約を知らないまま海外展示会に参加すると、自社の貴重な技術ノウハウや、ブランドの核なる部分を無防備に開示してしまうのみならず、逆に、海外他社の権利侵害を無意識なまま行っていて、出展後に相手企業から警告レターが届き訴えられてしまう、など法的トラブルに巻き込まれる可能性もあります。

現地税法や知的財産のトラブルを避けるには、現地の法的制約についての情報収集や専門家のアドバイスを積極的に活用することが重要です。

出展前にこれらの法的制約について充分な理解を深め、法令遵守の観点からリスクを回避し、成功を目指しましょう。

海外展示会の費用対効果を高めるためのヒント

海外展示会で費用対効果を高めるためには、慎重な計画と戦略も不可欠です。

まず、目標を明確にしましょう。どのような結果を得たいのか、具体的な数字や目標を設定します。

次に、ターゲット市場を徹底的に分析し、展示会でのターゲットとする顧客層や競合他社を把握します。

それに加えて、展示会にかかる費用をきちんと把握し、予算を立てます。予算内で効果を最大化するために、展示会ブースの魅力的なデザインや効果的なプロモーションツールを活用しましょう。

また、展示会後のフォローアップや顧客対応も忘れずに計画しましょう。

さらに、現地の文化やマナーを尊重したマーケティング戦略を展開することも重要です。

現地の習慣やニーズに合ったアプローチを取ることで、効果的な販促活動を展開することができます。

また、展示会当日のスタッフのトレーニングやスキルアップも見逃せません。万全の準備と計画によって、海外展示会での費用対効果を最大化することが可能になります。

まとめ:成功のカギは準備段階からの戦略と出展サポートの質の高さ

海外展示会における成功のカギは、出展後を見据えた準備段階からの入念な戦略づくりと、それを実現できる出展サポート支援の質の高さにあります。
出展サポートは、準備段階から展示会終了後まで包括的なサポートが受けられることが何より重要となるでしょう。

株式会社パコロアでは、展示会のみのご支援(数ヵ月で終わるご支援)は現在は行っていませんが、3年契約の海外進出プロ支援には、最初から複数回の包括的な海外展示会出展支援が含まれています。

日本企業の海外販路開拓方法の主な方法は、海外展示会出展と海外F/S調査のほぼ2択というのが実際ですので、海外出展は海外進出の要のアクションと言えます。

準備不足のまま複数回出展するより、流暢な接客トークと仮説を携え、自信を持って1回出展する方が、成約率は各段に高くなります。

ぜひ海外展示会出展を検討する際には、出展サポート企業各社のサービスを上手に活用し、初出展の海外展示会でも成功の確率をぐんとあげられるよう積極的に取り組んで頂ければと思います。

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