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無印良品の海外進出|世界で愛されるMUJIのブランドづくりとは

公開 2025年9月8日
小川 陽子

著者紹介 :小川 陽子 (代表取締役)

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World map with red location pins and Japanese text reading 'MUJI's Overseas Expansion

海外進出と聞くと、「それって大企業だけの話でしょ?」と一歩引いてしまう中小企業の方も多いかもしれません。

でも――実はMUJI(無印良品)も、最初から順風満帆だったわけではありません。

1991年に初めて進出したロンドンでは、現地文化とのズレや運営の課題に直面し、全面撤退を余儀なくされたのです。

それでもMUJIは失敗から学び、戦略を修正し続けてきました。

その結果、今では世界30以上の国と地域に1,000店舗以上を展開し、“現地に根ざしたブランド”として多くの人に愛されています。

その舞台裏には、

  • 現地との小さな対話を積み重ねる力
  • 顧客の声を拾い、地道に修正する姿勢
  • 長く愛されるための環境配慮やデジタル化への工夫

がありました。

大企業であっても必死で遅れを取り戻そうとした現実は、中小企業にとっても「やり方次第で現実的に学べる」ヒントにあふれています。

この記事ではMUJIの海外戦略を、「あなたのビジネスで活かせる視点」に分解してご紹介します。

【この記事で分かること】

  • MUJIが海外進出で最初に失敗・撤退した理由と、その後の巻き返し戦略
  • 中小企業が海外展開で“やってはいけない”典型的な落とし穴
  • 現地ローカライズと小さな改善で信頼を積み上げる方法
  • サステナビリティとブランド信頼を両立させる視点
  • デジタル接点を作る、最小限から始められるDXの第一歩

最後まで読む頃には、「ウチにもできる一歩がある」と前向きに感じてもらえるはずです。

それでは早速、MUJIの舞台裏へ一緒に潜入してみましょう。

MUJI流・海外進出のリアルな背景と教訓

構造的な要因が生んだ“撤退”という現実

無印良品が初めて海外に進出したのは1991年、イギリス・ロンドンでした。

しかし、この最初のチャレンジは、残念ながら成功とは言えないものでした。

現地の生活スタイルやニーズへの理解が浅く、商品の価格帯やコンセプトが十分に伝わらなかったのです。

MUJIはこの失敗をきっかけに、一度ロンドンから撤退します。

この撤退には、以下のような構造的なビジネス課題が関係していました:

  1. パートナーシップの戦略的ミスマッチ

    現地百貨店リバティとの提携によって進出しましたが、ブランド哲学や運営方針にズレがあり、方向性に齟齬が生じました。
  2. ドミナント戦略の失敗による認知不足

    複数店舗を地域集中展開したものの、プロモーション不足でブランドの認知が拡大せず、欧州市場では“説明なきミニマリズム”は理解されにくいものでした。
  3. 高すぎる家賃コストによる経営圧迫

    ロンドン中心部の店舗では家賃が売上の約19%に達し、収益性が大きく損なわれました。

このように、単なる「現地ニーズとのズレ」にとどまらず、ビジネスモデルの設計や実行における課題が撤退の要因となったのです。

MUJIはこの経験を教訓に、次なる海外展開に向けて戦略を大きく転換していきました。

  • 出資比率の見直し(現地パートナー依存からの脱却)
  • 自社主導の店舗運営
  • 出店エリアとコスト構造の最適化
  • 商圏人口や賃料水準に基づく出店判断

初期の失敗が教えてくれたこと

MUJIのコンセプトは「これでいい」。

しかし、海外市場では「なぜそれがいいのか?」という文脈の翻訳が必要でした。

商品の背景やストーリーが語られなければ、魅力が伝わらず、「ただシンプルなだけの製品」と誤解されてしまう。

その結果、MUJIは長らく海外では赤字が続き、かなりの苦戦を強いられます。

ここで得た大きな気づきが、

「MUJIの良さを現地の文脈で説明できていない」

ということでした。

この気づきこそが、以降の展開で実践される「現地に合わせた届け方・魅せ方」の出発点となったのです。

同じ商品でも、誰に届けるかによって当然ながら、伝え方を適切に変える必要があります。

再挑戦で変えた視点と戦略

2000年代以降、MUJIは中国や台湾、タイなどで海外展開を再始動。

このフェーズでは、以下のような方針転換が見られます:

  • ローカルスタッフの積極採用と育成
  • 現地チーム主導の店舗運営
  • 地域文化や生活習慣に合わせた売場づくり

たとえばシンガポールの「MUJI Plaza Singapura」では、入り口付近にすぐに使える食品類を配置。

都市部の仕事帰りのニーズに応え、ブランドの利便性と即時性を両立させました。

このような現地適応型の売場設計やオペレーションが、MUJIブランドの「ミニマルで実用的」な価値と融合し、共感を得ることに成功していきました。

商標登録は“先手”が鉄則!

MUJIは2000年に中国市場へ本格進出する際、「MUJI」ブランドの商標を使用しようとしましたが、すでに現地企業が類似商標を登録済みでした。

これによりその後、24年にわたる商標権争いが発生。

最終的に2025年、中国での「MUJI側の敗訴」が確定しました(※日経新聞 2025年8月報道より)。

この事例は、大企業でも直面する“現地先登録リスク”の代表例です。

20年以上に渡る争いの時間と費用は想像を超えるコスト負担です。

海外進出時には、進出前に現地で商標が既に登録されていないかを必ず確認し、商標取得を最優先事項として行動すべきだという非常に重要な教訓となります。

中小企業への示唆

MUJIのような大企業でも、最初からうまくいくわけではありません。

だからこそ、海外展開を考える中小企業にとっても、以下の視点が重要です:

  • 「日本とどう違う市場なのか?」を丁寧に検証する
  • 「伝えたい本質」が現地でも伝わるか確認する
  • 「価格設定」はその市場に合っているかを再考する

一度の失敗で終わらせず、現地の声を受け入れ、柔軟に戦略を修正していく。

この“適応力”こそが、長く現地に根ざし、愛されるブランドを築く基盤になります。

現地の暮らしにすっと溶け込む工夫とは?

現地ニーズを翻訳する商品開発力

MUJIが大切にしている「シンプルで機能的」という美学。

これをそのまま海外に持ち込むのではなく、現地の生活文化や動線に合わせて“翻訳”する力こそ、その後のMUJI海外成功の原動力となりました。

たとえば、東南アジアでは高温多湿な気候や調理頻度の高さに配慮して、軽量で多機能なキッチンツールが人気を集めています。

共働き世帯や高齢者世帯でも扱いやすく、洗いやすく、見た目も控えめ。

これこそMUJIの「引き算の美学」が生きたプロダクトといえるでしょう。

また、飲料や調味料の自家保存文化が根付く地域では、耐熱ガラスポットや密封性の高い保存瓶が支持されています。

見た目は飾らず美しく、収納性にも優れた設計が評価され、現地の暮らしに自然と溶け込んでいます。

MUJIは「日本のやり方を押し付ける」のではなく、「現地の文脈にそっと寄り添う」形で商品を再設計。

日常に馴染むことで、静かに、でも確実にブランドの信頼を築いているのです。

小さな改善でも、信頼されることで、”リピート”が生まれる。

これはどんな中小企業でも今日から実践できる戦略です。

東南アジアの生活動線に合わせた商品設計

シンガポールやタイでは、石やタイルの床に裸足で過ごす家庭が多く見られます。

MUJIはこのような住環境に合わせて、再生プラスチック素材のモップとバケツのセットを展開。

控えめながら実用性を追求した設計が、現地の日常生活に自然とフィットしています。

また、Tシャツをハンガーにかけたまま収納する習慣に応えるかたちで、10本セットの再生プラスチック製ハンガーも登場。

いずれも“使いやすさ”と“空間へのなじみやすさ”を両立させたプロダクトであり、MUJIの「素の良さ」を壊すことなく、生活動線に溶け込んでいます。

中国市場での“家具の再設計”

中国では、家族で食卓を囲む文化が根強く、ダイニング空間や収納の使いやすさが重視されます。

MUJIはこの背景に応じて、収納付きのダイニングテーブルやスツール型収納家具などを展開。

限られたスペースでの機能性と美観を両立し、高い評価を受けました。

また、都市部では玄関スペースが狭く靴を脱ぐ文化が再び広がっており、スリムなシューズラックや引き戸収納といった商品も人気です。

現地デザイナーやスタッフと連携しながら、MUJIらしさを保ちつつローカルニーズを丁寧にくみ取る設計がなされています。

自社でも応用できる視点とは

MUJIの成功は「大企業だからできた」ものではありません。

中小企業であっても、以下のような姿勢はすぐに取り入れられます:

  • まず“現地の当たり前”を丁寧に観察する
  • 小さな違和感から課題を発見する
  • 商品開発の前に現地で本当に「売れている商品」「売れていない商品」を冷静に分析する

「現地に合わせる=現地化する」ではなく、 「自社らしさを崩さず、現地に“翻訳”する」。

この視点こそが、地味でも長く愛されるブランドをつくる鍵になるのです。

デジタルで世界をつなぐMUJIの挑戦

MUJI(無印良品)がグローバル市場で存在感を強めているのは、単なる店舗展開にとどまりません。

デジタルとリアルをつなぐ「オムニチャネル」の仕組みが、現地ファンとの距離を着実に縮めています。

「MUJI passport」アプリで顧客体験を拡張

MUJIは2013年に日本で「MUJI passport」アプリを開発。

その後、アジアを中心に中国、台湾、韓国、香港、インド、ベトナム、マレーシアなどでも展開されています。

このアプリを通じて、利用者は店舗でのチェックインや購入で「MUJIマイル」を獲得でき、プロモーション情報の配信やポイント利用を通じて、オンラインとオフラインがシームレスにつながる顧客接点が構築されています。

2021年にはシンガポール版アプリも登場し、店内でのチェックインやクーポン配布、商品・店舗情報の案内など、店舗利用を促進し顧客ロイヤルティを高める機能が導入されています。

チャネルをつなげる戦略:MUJIのOMO型アプローチ

近年、MUJIは「OMO(Online Merges with Offline)」、すなわちオンラインとオフラインの垣根を越えた顧客体験の設計を本格的に推進しています。

2024年のサステナビリティレポートによれば、MUJIは以下のような取り組みを通じて、オムニチャネル戦略を多面的に強化しています:

  • 店頭での電子決済導入による利便性向上
  • ショッピングモール店舗との連携による立地最適化
  • 他ブランドやプラットフォームとの協業による接点拡大

これらの施策に共通しているのは、「どこでも買える」だけでなく、「どこでもつながれる」ブランド体験の実現です。

実際に、MUJIの顧客はオンラインで情報収集し、オフラインで商品を試す。

あるいは、店舗で見つけた商品を、後日アプリやECで購入するといった行動を日常的に行っています。

つまりMUJIは、“選ばれる店舗”ではなく、“顧客のタイミングで思い立った時に、つながり続けられる存在”としての立ち位置を築きつつあるのです。

このような「チャネル統合型の顧客導線」は、一時的な販促にとどまらず、ブランドロイヤルティの醸成にも大きく貢献しています。

顧客が接点を選び、企業がその選択肢をつなぐ──MUJIのOMO戦略は、その「選ばれ方」そのものを変えているのです。

中小企業への示唆

「OMO」や「顧客体験の統合」と聞くと、予算もスタッフも限られた中小企業にはハードルが高く感じられるかもしれません。

しかしMUJIのように、顧客との“つながり方”を見直すだけでも、関係性は確実に深まっていきます。

まずは、こんな小さな一歩から始めてみませんか?

  • お客様の「声」をきっかけに会話を生む

    → 店頭で「お気に入りの商品は何ですか?」と簡単な質問カードを設置し、回答を店頭ボードやSNSで紹介してみる。

    それだけで、来店者は「ここは自分のことを見てくれるお店」と感じ始めます。
  • LINEやメールは“お知らせ”より“共感の共有”に

    → 「今週いちばん手に取られた商品」や「お客さまの声で再入荷しました」など、“売り込み”ではなく“つながる話題”を届けてみましょう。

    クーポンよりも、「このお店のこと、もっと知りたい」と思ってもらうことが最初のゴールです。
  • QRコードは“商品の裏話”につなげる

    → 店頭POPに「この商品のおすすめレシピ」「開発時の裏話」「使い方のコツ」などが読めるQRコードを添えると、商品との心理的距離がぐっと縮まります。
  • データは“数字”より“気づき”として使う

    → アンケートや簡単な投票で得た情報をもとに、「〇〇が多かったので今月はこれを強化!」と発信すれば、顧客も参加者として関われるようになります。

無理に“販促”しなくても、お客様とつながる仕組みはつくれる。

MUJIのデジタル戦略が教えてくれるのは、「大がかりな仕組み」よりも、「小さな共感の積み重ね」なのです。

こうした取り組みは、すべて「知ってもらう」ではなく、「思い出してもらう」ための工夫。

人は“良い商品”だから買うのではなく、“思い出した商品”を選ぶ。

そんなふうに言われることもあるほど、日常の中でふと思い出してもらえる存在であるかどうかが、購買の鍵を握っています。

ここにも、中小企業がMUJIから学べるヒントがあります。

サステナビリティ×ビジネスの両立:海外で信頼されるには?

MUJIの「サステナビリティ戦争」—大企業が背負う宿命

MUJIがグローバル展開で信頼を得ている背景には、サステナブルな姿勢がある──そう聞くと、「やっぱり大企業だから余裕があるんでしょう」と思ってしまうかもしれません。

でも、実は逆です。

MUJIのようなグローバル企業だからこそ、「これくらいは最低限」だと見なされるハードルがどんどん上がっており、他のグローバルプレイヤーと戦うために、常に“サステナビリティ戦争”の最前線に立たされているのが現実です。

持続可能性を重視する国際市場では、ただのトレンドでは済まされず、認証・透明性・地域貢献といった「本気度」が問われます。

MUJIも、それに応えるために多大なリソースを注ぎ込み、必死でキャッチアップしています。

MUJIが挑む「グローバル基準のサステナビリティ」

MUJIは、企業規模に見合うだけの覚悟を持って、サステナビリティと本気で向き合っています。

その代表的な取り組みを3つに整理してご紹介します。

地域社会への本気の貢献

  • ケニア、カンボジア、キルギスタンなどで手仕事支援を展開。
  • 特に女性職人の技術育成や収入向上に注力。
  • 2013年には「Business Call to Action」に参加。

国際基準に沿った環境配慮

  • AFIRM等への加盟で、有害化学物質の国際管理を徹底。
  • 衣料品製造プロセスの透明化と安全性向上を推進。
  • 店舗運営においても太陽光発電、省エネ照明、リサイクル素材を活用し、2030年には全直営店での太陽光導入を目指す。

“地域に根づく”企業姿勢

  • 単なる出店ではなく、店舗を地域拠点として機能させる。
  • 生活者視点での経営と、地域との共創文化を大切にしている。

こうした取り組みは、広告でアピールするためではなく、ブランドの“生存戦略”として欠かせないもの。

MUJI自身が“評価され続ける企業”であり続けるための、地道な戦いでもあるのです。

中小企業が“自分ごと化”するなら?

MUJIのような取り組みを見ると、「やっぱり特別な企業だからできる」と感じてしまいます。

でも本質は、「地域や社会に対して、できる限り誠実に関わる姿勢」にあります。

中小企業でも等身大のやり方で、同じ価値観に沿った行動がとれるはずです。

地元素材 × 自社らしさ で、ストーリーのある商品を

地元の素材で作る“ご近所限定シリーズ”や、作り手の紹介カードを添えた商品など、小規模でも「背景が見える商品づくり」を。

パートナーとの関係性を価値にする

信頼できる職人や生産者との「協働のストーリー」を発信することで、品質+人の価値が伝わります。

店舗でできる“やりすぎないエコ”を積み重ねる

LED化、廃材再利用、エコな包装などの工夫を「見える化」するだけでも、共感は生まれます。

地域との“顔の見える関係”を築く

地元イベントへの参加、学校との連携、町内清掃など。


「ただ売る場所」から「関わる場所」へ、店舗の存在価値を転換できます。

サステナビリティは、CSRやSDGsのためにやるものではなく、商売における“誠実さ”のかたち。

人や地域と“ちゃんと向き合う”姿勢があるブランドこそが、MUJIのように長く信頼され選ばれていくのです。

あなたの会社ならどうする?MUJI流から学ぶ実践ステップとNG例

MUJIの海外展開ストーリーから学べることは、「大企業だからできた話」で終わらせるには惜しいものばかりです。

むしろ、MUJIのような大企業ですら、現場での気づきと地道な改善の積み重ねによって信頼を築いてきたという事実にこそ、私たち中小企業が実践できるヒントがあります。

ここでは、「自社ならどうするか?」を考えるための視点と具体策、そして避けるべき落とし穴を整理しました。

商品|現地の暮らしに“やさしくフィット”させる

MUJIは、東南アジアでのモップ&バケツのように、現地の小さな“違和感”をヒントに商品を調整しています。

中小企業であっても、以下のような姿勢が十分武器になります:

  • 現地の生活習慣や気候、文化を観察し、「そのまま持ち込まない勇気」を持つ
  • 現地パートナーや販売先から聞こえてくる「ちょっとした困りごと」に耳を傾ける
  • 既存商品を“微調整”して現地対応させる発想を持つ(素材・サイズ・色・ネーミングなど)

「大きく変える」よりも「違和感をなくす」ことが、現地への第一歩です。

顧客接点|“日常の中でふと思い出される”仕掛けを

MUJIのようなアプリ開発までは難しくても、中小企業でもすぐに始められる接点の工夫はたくさんあります。

  • LINEやInstagramで「商品が売れた話」より「お客さんの声や気づき」を発信
  • 店頭のPOPやパッケージにQRコードをつけ、「使い方のコツ」や「開発裏話」に誘導
  • 展示会や現地販売会で“感想ノート”を置き、その内容を社内で共有・反映

商品を売るより先に、「思い出してもらえる存在」になること。
そこに接点づくりの本質があります。

ブランド哲学|“うちっぽさ”を体験で伝える

MUJIが強いのは、ロゴや広告ではなく「全体を通じて感じるMUJIらしさ」。

これは中小企業にとっても再現可能な考え方です:

  • 商品、接客、空間、SNSまで“一貫したトーン”を意識する
  • 「これはうちの会社らしい」と感じられる言葉や表現を使う
  • ブランドストーリーや創業の想いを、社内外で語れるようにしておく

ロゴよりも、“体験としての統一感”こそが、ブランドの強さになります。

中小企業が海外展開で避けたい3つの落とし穴

  1. 日本と同じ商品・同じ売り方をそのまま持ち込む
    → 現地の文化や生活習慣とズレたままでは、共感を得られません。
  2. 商標やブランド保護の準備を後回しにする
    → MUJIの中国での事例にもあるように、先に登録されているリスクは常に存在します。
  3. フィードバックを軽視して過去の実績に基づいた戦略を続ける
    → 仮説が外れたら、前例はなくとも柔軟に方向転換することが“最終的な信頼”につながります。

中小企業が「最初にできる」実践アクションまとめ

  • PopUp店舗やテスト販売で、現地のリアルな反応を観察する
  • ブランド名やロゴの商標登録状況を、進出前に必ず調べる
  • SNSやLINEで「価値」や「考え方」を共有する接点をつくる
  • ブランド体験を一貫させ、安心感や信頼を積み上げる

MUJIの成功の本質は、派手な投資ではなく、
「現地の声に徹底的に耳を傾けた姿勢」→「自社でリスクをとって新しいことを始める姿勢」
にあります。

規模や予算に関係なく、“気づき”と“地道なリスクテイク”、”迷いのない実行”の積み重ねで、海外展開はぐっと現実的なものになるのです。

「うちで出来ることは何だろう?」という視点で、“うちらしく始める一歩”を、今日から探してみませんか?

海外進出、「どこから手をつけるべきか?」

MUJIの事例から見えてきたのは、海外進出とは「特別な企業だけの話」ではなく、視点と仮説を持てばどの企業でも始められる挑戦だということです。

でも実際には──

  • 「何から始めればいいかがわからない」
  • 「自社に合う進め方が見つからない」
  • 「理想と現実のギャップに悩んでいる」

そんな企業が、国内にはまだまだ多いのが現実です。

私たちパコロアは、中小企業の“最初の一歩”に並走するコンサルティング会社として、戦略立案から現地調査、販路開拓まで、実務に根ざした支援を提供しています。

必要なのは「大きな予算」でも「完璧な計画」でもありません。

“自社らしいやり方”で踏み出す一歩です。

気になることがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。

小川 陽子

著者紹介 :小川 陽子 (代表取締役)

英語英文学科を卒業後、中小メーカーの国際部で海外営業に従事後独立。27年以上にわたり、1,900社以上の中小企業の海外展開を支援。国際化支援アドバイザー、海外販路開拓アドバイザー、中小企業アドバイザー(経済産業省系組織)としても活動。

これまでに35カ国での商談・出展・調査を経験。支援対象は製造・小売・サービス・B2B・B2C・D2Cなど多岐にわたり、海外投資・輸出・輸入・展示会・海外SEOなど幅広く対応。

「海外進出は"急がば回れ"。場当たりではなく、"自走できるチカラ"を社内で育て、未来の世界市場で誇れる一社を目指して——今日も中小企業の現場で伴走支援を続けています。」

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PaccloaQ

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