×
02-202-2
海外進出の能力を開発する

海外進出で伝わる英語が話せますか 

公開日時:2020年08月04日

更新日時:2025年07月02日

海外事業をexpand(拡大)するなら、英語での“伝わる表現力”が必要不可欠です。

え?ネイティブ並みの発音が必要?…実は違うんです。
 
「伝えたいことをきちんと伝える」―それが最初の一歩。

商品の魅力も、会社の理念も、語る人の英語によって印象が100倍に跳ね上がることもあるんです。
 
海外operations(事業)で“英語で勝てる”よう、そのコツを一緒に探っていきましょう。
staff2 scene
pacco8 scene

英語は海外進出の入口!

たとえ商品が素晴らしくても、英語の使い方ひとつで「また連絡します」で終わるか、「これはmust-haveだ!」と心を動かすか、大きく変わります。

英語ネイティブのような完璧なfluency(流暢さ)はいりません。でも、

“片言”のままだと「この会社、大丈夫だろうか?」と不安を持たれるのも事実です。

では、どうすれば信頼される「伝わる英語」が話せるのでしょうか。

まずは、3つのテーマを英語で話す練習から始めましょう!

staff2 scene

ビジネス英語を話せるようになるには?

pacco3 scene

ビジネス英語を話せるようになる近道は、実はとてもシンプルです。

まずは3つのこと――「会社」「商品」「自分自身」について英語で話せるようになること。

国内でもこの3つは商談や営業の鉄板ネタです。つまり、

英語力よりも「自分の言葉で伝える内容」が最初の勝負所なんです。

それぞれ、次のようなテーマをピックアップしてみましょう。

会社のこと:

  • 社長のユニークさ
  • 独特の企業理念
  • 工場や社員の魅力
  • 入社して驚いたこと
  • 業界動向
  • 競合との違い
  • 日本独自の市場状況と海外との比較(予想)
  • 海外展開の進捗
  • メディアや第三者からの評判 

商品のこと:

  • 売れ始めたきっかけと成功の理由
  • リピーダーの特徴とその理由
  • トラブルと解決エピソード(話せる範囲で)
  • 新商品新サービスの開発秘話(話せる範囲で)

自分のこと:

  • この仕事を選んだきっかけ
  • 楽しかったこと、つらかったこと
  • コロナ禍で考えたこと
  • 日本で誇りに思うこと
  • 将来の夢、ライフワーク、家族構成、休日の過ごし方
  • ボランティアや社会貢献など

これらをまずは日本語でA4用紙1枚(両面)に書き出す。
そのあと、プロの翻訳者に依頼して英訳し、丸暗記することをおすすめします。

ポイントは、「無料翻訳で済ませない」こと。

翻訳ミスやニュアンスのズレは、時に信頼を損なう原因にもなります。

せっかく時間をかけて覚えた英語が“残念英語”にならないように、ここだけはしっかり予算をかけてでもプロ品質を選んでほしいところです。

また、オリジナルの英作文帳や「自分用の辞書」を作っておくと、海外営業の場での緊張を和らげるお守りになります。

伝えたい内容を可視化するだけで、自信が生まれます。

初期の商談で深く聞かれるテーマは、ほぼこの3つの範囲に収まります。

仮に、それ以外の話題を振られたとしても大丈夫です。

常に「会社」「商品」「自分」のどれかに話を戻す意識を持ちましょう。

これだけで、相手に飲まれない商談の“軸”が自然とできあがります。

交渉・プレゼンテーション・Q&A…あらゆるシーンで活かせる、実戦型の話術です。

president3 scene

英語スキルを伸ばすコツ、教えます!

pacco9 scene

海外顧客と良い関係を築くには、ただ英語を話すだけでは不十分です。

“会話をつなげる力”=反応力が、実は最も重要なスキルの一つです。

相手の話には、リアクションを2〜3倍豊かに返しましょう。

うなずく・驚く・笑う・共感する…。

その表情と声の反応があるだけで、相手は安心し、会話が滑らかに進みます。

ただし、わかっていないのに分かっているフリをするのは絶対にNG。

初心者こそ、先述の丸暗記トーク”を活用して、自分から話題をリードするのが効果的です。

背景知識のないまま外国語で応対するのは、経験者でも難しいものです。

だからこそ、話せる内容は自分から提示し、話の主導権を渡さないのが賢い戦略です。

相手が話を逸らしても、うまく“暗記ネタ”に球を戻して、会話をコントロールしていきましょう。

丸暗記に慣れてきたら、「相手の話を予想する」力を鍛えるステップへ。

英語で成果を上げている中小企業の方々も、多くは留学や駐在経験などなく、必要に迫られて独学でやってきたという、ビジネスパーソンたちです。

英語環境に慣れてくると、不思議とある“壁”を超える瞬間が訪れます。

相手が話し始めた数語だけで、着地点の予想ができるようになり、自分の返答も話の途中から準備できるようになってきます。

ビジネスの会話で使われるテーマは、実際かなり限られていて、結局は「会社」「商品」「自分」の3つに集約されることがほとんどです。

この3つを軸に会話の“型”をつかんでいけば、思ったより早く慣れる実感が得られるはずです。

話の流れが読めるようになると、集中すべき部分の選別も上手くなります。

たとえば相手のスピードが早くても、知っている話は流して、新出語だけ集中して聞き取る。

気を張る時間が短くなれば、余裕が生まれ、結果的に聞き取れる内容も増えていきます。

とはいえ、最初は何度も“迷子”になります。

そんな時は、勇気を持ってフリーズしてください。

分からないまま相槌だけ続けるのは、かえって話をややこしくします。

リアクションがピタッと止まれば、相手も「どうした?」と気づいてくれます。

そのタイミングで、聞き取れた単語と関連しそうな単語を、困った顔でゆっくり発音してみましょう。

たとえば「ターキー」と聞こえたなら…。

「Turkey(トルコ)? Ankara(首都のアンカラ)?」
「Turkey(七面鳥)? Bird(鳥)?」

そんなふうに聞き返せば、相手は「No, no, Turn-key Contract」と補足してくれるかもしれません。

自分からヒントを出すこと、がポイントです。

これが「すみません、分かりません」だけで済ませない、ピンチ回避の最重要点なのです。

希望的観測で「そのうち分かるかも」は通用しません。

分からないと思ったら即フリーズ、即軌道修正。

これが初心者にとって最も重要な心得です。

会話が少しずつ繋がってくると、不思議と発音や語彙の習得にも意欲が湧いてきます。

「もしかして、私にもできるかも」

その自信と期待が、海外進出そのものを前向きに変える原動力になります。

ですから、最初は丸暗記で乗り切る覚悟でOKです。

わからなくなる直前で聞き返し、相手の話を“つなぐ”ことに意識を集中してください。

それだけで、あなたのビジネス英語はグッと実戦力を増していきます。

聞き取りができずについやってしまうことー「すみません、もう1回言って下さい」ーを英語で言ってしまうと。

即座に相手は、少し前に話を戻しつつも、同じスピードで同じ聞き取れない単語を、親切心から長めに説明しなおそうとします。しかし、

”同じ単語が出てくる限り”、

その説明を聞いてもたぶんまた聞き取れないのです。

このピンチを切り抜けるためにはこちらから、何が聞き取れて何がわからないかのヒントを出す必要があるのです。

分からなくなっても聞き流せばそのうち分かるようになるかも、、、と、希望的観測は一切持たず
(途中から分かるようには残念ですが、なりません・・・)、
すぐに白旗宣言、すぐに軌道修正が、初心者の一番大切な心得となります。

それでも、だんだん会話がつながりはじめると、発音やイントネーション、ボキャブラリーを増やすことへの欲も生まれ、地道な努力も苦でなくなります。

もしかすると自分は英語が話せるようになるのかも!
すごいかも!
できるかも!
と期待と自信が芽生えます。

そうなると海外進出自体もとっても良い方向に回り始めます。

ですので、初心者であれば、まず丸暗記戦術を用いて、分からなくなる寸でのところで聞き返し、軌道修正をし、会話を何とかつなげること、に全意識を集中させることが重要なのです。

staff16 scene

NG英語、あなたはやってない?

pacco4 scene

どんなに拙くても、その商品やサービスに対する自分の言葉、自分の想いで語れば、多くの海外顧客はしっかりと耳を傾けてくれます。

ただし、それもある程度関係ができた相手に限られるという現実があります。

特に新規開拓の場面では、相手がブロークンイングリッシュに我慢してくれることはほぼありません。

“伝わらない”ことが、そのまま“この人とはビジネスできない”に直結する可能性もあります。

ですから、海外進出を始めて1〜2年以内には、英検2級・TOEIC700点レベルの英語力を目安に、義務教育レベルの英語でも、きちんと話せるようになることを目指しましょう。

よく見かけるのが、ネイティブらしさを演出したくて

「Well, um, I mean, actually, you know…」と、filler wordsを多用するケースです。

これは日本語でいう「えーと、ていうか、マジで、あの~」といった間つなぎの言葉で、スピーチコンテストでは減点対象、ビジネス会話では不要かつ不自然に聞こえることもあります。

もうひとつ注意したいのが、海外留学経験者が“学生英語”のまま商談に臨んでしまうケース。

たとえば、見た目はバリッとスーツのビジネスパーソンなのに、話し始めると「ヤバ」「イケてる」「マジすか」のような学生まじりの口調が出てしまうのは、どう感じて良いのか一瞬迷ってしまいます。

これは英語でも同じで、カジュアルすぎる表現や学生っぽい言葉づかいは、「この人に任せて大丈夫だろうか?」と不安を招きかねません。

ビジネス英語とは、“正しい表現”というより、“ふさわしい空気感”を持った言葉です。

英語圏でも、「学生のノリ」と「プロの会話」では使う言葉がまったく違います。

語彙やトーンに意識を向けることも、大事なスキルの一部です。

まずは、会社のこと・商品のこと・自分のことですね、早速まとめてみます!

I can do it!

Great ! I’m so excited about it. I cannot wait.

英語が話せれば異文化適応の半分以上の力がすでに身についていると言ってもよいでしょう

異文化適応力?

まだ半分強なんですか?

(その気になってきたのに、まだあるんだ。。)

ええ、まだ半分強なのです。

なぜなら――日本の常識は、世界の非常識。そう言われるほど、文化の差は深いんです。

次は異文化への適応について詳しく見て参りましょう。

>02-3 異文化に適応できますか?

PaccloaQ

中小企業のコンサルティング&実務(OJT)支援ならパコロアにお任せください。
延べ1900社以上の海外進出支援実績