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JPEN
02-202-2
必要な能力を開発する

ビジネス英語で対応できますか

商品やサービスの素晴らしさは、それを説明する人の言葉で10にも100にも変わります。
海外市場において”相手に伝える努力を尽くすこと”は必須であり、伝えることにありったけの情熱を惜しみなく注がねばなりません。

はじめに

商習慣や文化の異なる海外の顧客に対しても、伝え方次第では、相見積もりの1つに過ぎない比較品から、must-have(絶対手に入れたいもの)に変えることはできるでしょう。

ネイティブのような流暢な英語は必須ではありませんが、だからと言っていつまでも、片言のエイゴのままでは信頼はされません。ではどうすれば良いでしょう?

まずは3つのテーマについて英語で話せるようになることから始めてみましょう。

どうすればビジネス英語が話せるようになりますか?

まずは3つのこと、

  1. 会社
  2. 商品
  3. 自分

について英語で話せるようになりましょう。

国内で仕事をする際も常にこの3つについて客先で話をされているはずです。顧客から質問が多いもの、へぇ~と感心されて反応の良いもの、鉄板トーク、とっておきのネタなどを交え、(1) (2) (3)それぞれをA4の紙の裏表に、まずは日本語で原稿を書いていきます。

例えば会社については、

  • 社長のユニークさ
  • 独特の企業理念
  • 工場や社員の魅力
  • 入社してびっくりしたこと
  • 業界動向
  • 競合の優れたところとそうでもないところ
  • 日本独自の市場状況と海外との比較(予想)
  • 海外展開の進捗
  • メディアや第三者からの評判について 

商品については、

  • 売れ始めたのはいつ頃からで勝因は何か
  • どういうお客様からリピートされているかとその理由
  • 過去にどんなトラブルがありどう解決したか(話せる部分のみ)
  • 新商品新サービスの開発秘話(話せるところまで)
  • 今後の展開と見通しについて

自分のことについては、

  • この仕事に出会ったきっかけ
  • この仕事をしていて良かったことつらかったこと
  • コロナ禍ではどう過ごし何を考えていたか
  • 想いを新たにしたことはあるか
  • 日本のどういうところが自慢か好きか
  • 将来の夢
  • 自身のライフワーク
  • 休日の過ごし方
  • 家族構成
  • ボランティアなどの社会貢献の有無

などなど、これらを英訳し丸暗記します。

無料の翻訳に頼らず、プロの翻訳家に正式に訳してもらうことが重要です。せっかく丸暗記したものが万が一信頼をそぐ、残念な英語であっては、ビジネスで良い関係は築けません。

言葉を含むコンテンツは、海外でご自身の価値を上げも下げもする大切な分身として、長きにわたり高い費用対効果が見込めるツールとなります。それなりの予算を投じて損はありません。

この機会に是非、パワフルな自社PR、魅力が伝わる自己PR原稿を作り込んでおきましょう。

なお、初期の頃の商談の場やビジネスシーンでは、この3つ以外のことが話題に上がり深く聞かれることは少ないはずですが、もしこの3つ以外のことを聞かれた場合も、決してあわてず、笑顔で、常に、会社のこと、商品のこと、自分のこと、に何気なく話を戻してみましょう。

ビジネス英語が上手くなるコツはありますか?

海外顧客との会話をつなげていくには、都度反応を示すことが大切です。

あいづちをうち表現豊かに反応すれば相手も安心します。素早く反応することで自然なテンポや流れになり、相手も話しやすくなるでしょう。

ただし、相手の話が分からなくなっているにも関わらず、分かっているふりを続けるのは、厳禁です。初心者だから会話にすぐについていけなくなる、何度もいちいち聞き返すのは心苦しい、という状況もあるかもしれませんが、だからこそ、先述の丸暗記の登場です。

背景知識がないまま外国語で相手の話を聞き、返答することは、たとえ経験者でも容易ではないため、先にご自身から、話せるテーマに沿って話を始めてしまい、話せないからこそ場の主導権を渡さない、という戦略です。

話がそれても都度自分の暗記ネタに球を戻して、場をコントロールをしていくのです。そうして丸暗記トークで会話がつながるようになれば、それに加え、次のステップとして、話しながら”相手の話を予想すること”にも、挑戦していきましょう。

海外出張で成果を上げているのは、その多くが、留学・駐在未経験の、”独学、自腹、仕事で必要に迫られて何とか“外国語を習得してきた中小企業のビジネスパーソンのみなさんです。

日々の業務で忙殺される中、英語の勉強を基礎からやり直す時間はありません。それでも現地に行って仕事を前に進めなければなりません。

四苦八苦しながら、最初はつらかったコミュニケーションがあるポイントを超えると少しずつですがラクになっていく、ことに気づきはじめます。

簡単に言うとそれは”慣れてきたから“が理由ですが、もう少し分解すると、先方が何かを話し始めて出だしの二、三言を聞けば、何となく話の着地が予想できてきて、話を聞き終える前に、自分の会話が準備できるようになってきた、ことが大きいでしょう。

海外ビジネスの初心者がそんなに早く聞き取れるようになるかな?と思うかもしれません。

実はビジネスに必要な英語は限られていて、結局は先述の3つのテーマに、どの国の誰であろうと話は集約されていきます。

いつも同じようなことを聞かれる、この話をすればすんなり納得してくれる、というシナリオがご自身で感じられるようになるのは、思うよりは早いでしょう。

相手の話すスピードが早い場合も、話の出だしである程度の予想がつけば、予想内の話については聞き流し、初めての単語だけ注意して聞きとるなど、集中力も調整出来ます。

気を張る時間が減ると、心に余裕が生まれます。余裕が生まれると、聞き取れる内容が更に増えていきます。

全くシナリオが見えなかった最初とは変わって、会話全体が俯瞰できると、相手の表情や周りの状況にも気を配れるようになり、その場に好循環が生まれます。

注意点としては、海外のビジネスパーソンは、(日本企業側にとって)意味のあること、意味のあまり無いことを区別せず自分のペースで脈絡なく話を続けることがあります。

全部の球をまともに受け止めるとこちらの負荷も大きくなります。

従い、初心者であればあるほど、相手が全部話終えたあとにまとめて反応と返事をする、のは絶対に避けるようにして、下記のような状況をまずは目指してみましょう。

  • 相手が話し始めたときに内容の予想を何となくつけます。(最初は難しいですが、そのうちできるようになります)
  • 話している間は都度都度うなずき、驚き、喜び、感心しながら、そうなんだ!、なるほど~などのリアクションを普段の2~3倍豊かに実施。
  • 話を聞きながら予想との誤差調整も、自身の脳内で終えておき、
  • 相手がひと区切り話終えたところで、自分の意見を手短にさっと述べます。
  • 相手の話で理解できなかった部分かつ重要そうな部分のみ、続けて短く確認や質問をします。

とはいえ、丸暗記もして予想もしたが、会話についていけず迷子になる場面が、最初は何度も何度も出てくるかもしれません。そんな時でも心配は無用です。

その聞き取れなかった重要そうな単語をメモしながら、反応を止め、そのままフリーズしましょう。

分からないことを悟られたくなくて、日本人特有の愛想の良い反応でやり過ごしたくなりますが、そこはぐっと抑えましょう。(分かっていないのに笑顔で反応しながら続けると話がややこしくなってしまうためです。)

今まで熱心に反応し会話してきた相手が、目の前でそのように固まれば、「おっと、どうした、もしかして、分からないのか??」と困惑の表情で、相手も一緒に困ってくれるでしょう。

そうやってやっと相手が話すスピードが落ちた、もしくは止まってくれたタイミングで、こちらから会話を再開します。軌道修正をします。

この時に最初に発する単語は、聞き取れた単語、と 関連しそうな単語、です。それらを困った表情でゆっくり発します。

例えば、ターキー、という音が聞き取れたとします。

図面を見ながら商談中に、なぜ急にターキー=トルコ、が出てくるのかあなたには分かりません。

そこでまずはフリーズし、相手が話を止めてくれたタイミングで、ゆっくり、

「Turkey(トルコ)? Ankara(首都のアンカラ)?」
「Turkey(七面鳥)? Bird(鳥)?」

などと、困った顔で聞き返すと、

「No、No、Turn-key Contract (一括請負契約)」

といった、Contract(契約)という単語による補完説明を引き出せるかもしれません。

そうすれば、あ~、ターンキーのことか!
とご自身の陣地に戻って、話を続けることができるでしょう。

「Yes, We can do that, if you need~」

もし、聞き取りができず、分からなくなったときに「すみません、分からないです」だけを英語で言ってしまうと、

即座に相手は、少し前に話を戻しつつも、同じスピードで同じ聞き取れない単語を使って、親切心から長めに説明しなおそうとしますが、

同じ単語が出てくる限り、その説明を聞いてもたぶんまた聞き取れないため、同じピンチを避けるためにはこちらから、何が聞き取れて何がわからないかのヒントを出す必要があるのです。

分からなくなっても聞き流せばそのうち分かるようになるかも、、、と、希望的観測は一切持たず(途中から分かるようにはまず、なりません)、すぐに白旗宣言、すぐに軌道修正が、初心者の一番大切な心得となります。

それでも、だんだん会話がつながりはじめると、発音やイントネーション、ボキャブラリーを増やすことへの欲も生まれ、地道な努力も苦でなくなります。

もしかすると自分は英語が話せるようになるのかも!すごいかも!できるかも!と期待と自信が芽生えます。

そうなると海外展開自体もとっても良い方向に回り始めます。

ですので、初心者であれば、まず丸暗記戦術を用いて、分からなくなる寸でのところで聞き返し、軌道修正をし、会話を何とかつなげること、に全意識を集中させて参りましょう。

こんなビジネス英語はダメ、というものはありますか?

他の誰でもなく、その商品やサービスを企画し製造し販売している、会社の経営者、担当者自身から湧き出る言葉であれば、どのようなつたない英語でも海外の取引先や顧客であれば話を聞いてくれるでしょう。

但し、いつまでもカタコト、初心者、ブロークンイングリッシュでは、扱える話題も限られ、信頼関係も一定以上は深まりづらいでしょう。

そして新規開拓先など、関係構築がこれからの海外企業については、つたない英語を辛抱強く聞いてくれることなど、まず無いと覚悟せねばなりません。

海外展開を始めて1-2年以内には、英検2級、TOEIC700点、義務教育で習った英語くらいは話せるレベルを、頑張って目指しましょう。

また、ネイティブっぽさを目指すためか、会話中に、Well, um, uh, er, ah, you know, I mean, actually, Let’s seeといった単語を付け加えるビジネスパーソンが時々おられます。

これらは日本語では、えーと、あー、ほら、あのね、だから、ていうか、実際、という意味で「filler words」と呼ばれています。

スピーチコンテストでは減点対象でもあり、無い方がスマートでしょう。もちろん文間をつなぐために加える必要は全くありません。

また、海外留学時に馴染んだカジュアルな学生英語のままで商談に望むビジネスパーソンもたまにおられます。

日本国内でも学生と社会人では言葉も服装も異なります。見かけと立ち居振る舞いが完璧なビジネスパーソンにも関わらず口を開くと学生言葉では、奇異に映るでしょう。

例えば、信頼できるビジネスパーソンだと思っていたのに実際に話し始めると、っていうか、ヤバ、それ有りかも、マジ、イケてますね、と、何度も不要な日本語が入ると、この人とのビジネスは、、、?と心配になることは想像に難くないでしょう。

英語圏でのビジネスシーンにおいては、「filler words」や学生言葉を使うのは極力避けた方が無難でしょう。

まずは、会社のこと・商品のこと・自分のことですね、早速まとめてみます!

I can do it!

Great ! I’m so excited about it. I cannot wait.
英語が話せれば異文化適応の半分強の能力はすでに身についていると言ってもよいでしょう

異文化適応力?
まだ半分強なんですか?

(その気になってきたのに、まだあるんだ。。)

ええ、半分強なのです。

なぜなら日本の常識は世界の非常識とも言われているためです。

次は異文化への適応について詳しく見て参りましょう。

>02-3 異文化に適応できますか?