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知っててよかった!輸出(事業化)しづらいもの8カテゴリーまとめ

2020年9月19日
輸出しづらいもの こわれもの

輸出(事業化)しづらいものって、どういう意味ですか?

輸出はできるのですが、「輸出で利益を出すこと」が難しい商品、という意味です。

ほぅ、ぜひ聞いておきたいですね。

8つあります。

illustration of 8 categories that are difficult to commercialize as an export

まず、前提として、輸出はできます。

ただ、利益を出すのに、あるいは利益が出るまでに、時間とお金がかかるものも現実にはあります。出来れば、海外展開を始める前に、戦略構築の参考として知っておいた方が良いでしょう。

1.重い物/大きい物

大きいもの重いものは送料がかかり過ぎますので、現地の代替品と比較し競争力は弱いでしょう。但し、

  • 代替できない機能、性能
  • 現地で入手できない別格の何か

があれば、この限りではありません。

2.国ごとにある規制・規格

海外各国には輸入規制があります。準拠したり、何の規格かを調べるのにも費用がかかります。

規制はたいていの場合その国の法律となっており、無視して輸出はできないでしょう。

輸出輸入規制について知っていますか
CEマーキング、知らなかったでは済まされない??

3.要メンテナンス品

美理容師用シザーや包丁、畳や業務用水槽など、メンテナンスが必要となる商品となれば、どのようにメンテナンスサービスを組みこむのか、を事前に考える必要があります。

もし、優れた顧客体験“カスタマーズエクスペリエンス”を構築できれば、かかる手間もいとわなくなるかもしれません。

カスタマーズエクスペリエンス(CX)とは、商品やサービスの購入前後のプロセスや利用時に顧客が体験する「心地よさ」「驚き」「感動」「誇らしさ」などの、感覚的、感情的な付加価値のことです。価格や機能以外にも、これら優れた顧客体験は、リピートされる理由として年々重要視されています。

4.現地安価同等品

商品自体は良いのですが、現地にも同等品、類似品があり、国際輸送費用がかかる分、現地価格に勝てないというものも、多くあるでしょう。

う~ん、色々あるんですね。
ウチは機械もありますが、難しいのでしょうか。

重い機械、定期的にメンテナンスが必要なデバイス装置等であっても、輸出が成立している事業はいくつもあります。

競争力が高ければ売れます、心配無用です。

そうですか!

とはいえ、ハンディがあるような・・・

この1.から4.については、現地生産に切り替えることで優位性を築くことはできます。

ほぉ、現地生産ですか、ナルホド、

このあとの5.から8.については、現地生産という切り札も使いづらく、難易度は更に高くなります。

5.旅の思い出品

旅先で「これは素敵」「本当に便利」と思って来日時に購入頂けたものの、個人輸入してまではリピートしてもらえない、というのは、インバウンドの現場では多いでしょう。

これも先ほどのカスタマーズエクスペリエンス、顧客が感動体験するための工夫次第で、ピンチをチャンスに変えることはできます。例えば、

  • 購入しやすくする為に海外向け自社ECサイトを立ち上げる
  • その企業にしかできない、顧客が真に必要とする情報発信を続ける
  • ワークショップを開催し、特別な体験を提供する
  • 他では得られない商品を企画し、開発時から顧客を巻き込む
  • 買い続けることで得られる、代替できない関係を築く

などで、ブランドロイヤリティが高まればリピート注文も増えていくでしょう。

6.異文化・風習

文化風習の背景が異なるため、ニーズの有無が微妙というものも多くあります。
例えば、仏壇、着物、扇子、雪駄、和小物、日傘やマスク、など。

これらは何らかの理由で「異なる文化と風習を乗り越えてでも手に入れたい必須アイテムとなる場合」を省き、異文化なりの美しさやストーリーに共鳴した少数派からの購入に留まることが多いでしょう。

海外では今回のコロナ禍において、マスクを着用したがらない人が多くいることが伝えられています。
文化風習の異なる一部の人々にとっては、マスクはたとえば犯罪や弱さをイメージさせるものであり、拒絶感、違和感が日本人の比ではないことを理解する1つの機会となりました。

なお、商品を普及させるために、まずは「文化の啓蒙」が必要となった場合、時間がかかる覚悟が必要でしょう。

例えばキッコーマンの場合、アメリカでは醤油のことを今では「KIKKOMAN」と呼びますが、市場に浸透するまでに40年ほどかかっています。サロンパスはパッチテクノロジーが根付いていないアメリカで30年以上かけて啓蒙し、近年米国において貼り薬シェアno.1を獲得しました。

このようにもともとその国に無いか馴染みの薄いもので、一から啓蒙が必要な商品は、資金という体力と、長い時間が必要です。たとえその商品がどんなに優れたものであっても、海外市場に根付くまでには遠い道のりが待っているでしょう。

7.客層未細分化

日本の小売店は、ターゲットとする顧客が実に細分化されています。

例えば、ビレッジバンガードとマツモトキヨシとドン・キホーテはそれぞれターゲット顧客が違います。似ている点もありますが、それぞれやはり違います。ただ、その違いをニーズとすれば、そのニーズに応えるための多店舗展開は、海外では一般的ではないでしょう。

顧客ニーズがそこまで細かく分かれていないため、細かい商品施策も不要となり、そもそも誰のための商品だろう?と、計画がスタート地点に戻ってしまいかねません。

海外展開の検討段階で、日本で売れに売れていたとしても、もしかすると想定するターゲットがその国にはいないかもしれない、という着地になることはよくあります。

これは日本市場が大変特殊なためです。東京で流行れば、名古屋でも大阪でも福岡でも仙台でもある程度は売れる、という現象は、海外では少ないと言えるでしょう。

8.導入時期尚早

商品やサービスを買うより、「人力」の方がまだまだ安いという国はあります。

たとえば、インドでとある家庭用品(日本で売れに売れている、必ずどの家庭にもあるものです)のF/S調査を行った際には、該当商品を買うより大工さんにオーダーメイドで作ってもらう方が「断然安い」ということが分かりました。(そこから3年たち、インドでもその商品は売れ始めています。)

お客様のお困りごと=面倒な修理、を改善するため、「耐久性の高い商品を輸出する」とのミッションを掲げても、現地からは「壊れても代替品は安い」「壊れても修理をする人件費も更に安い」ことから、日本の商品を買う必要はないと言われることもあります。

但し、タイミングとして、そのように人力の方が安い状態から、いつのまにか、長持ちするものを買った方がお得な状況に切り替わること、ほんの1-2年で現地の状況が変わること、はよくあります。
いつ輸出を開始するかは、注意深く検証、検討する必要があるでしょう。

モノより人の方が安いんですか、日本では考えられないなぁ。

5.から8.の商品も決して売れないことはありません。
ただ、売るのがたいへんな部類に入るため、事前に入念な計画が必要となるでしょう。

実際に、ハサミ、マスク、畳、着物、5本指ソックスにいたっても輸出事業化できている企業様はキチンといらっしゃいます!

陰には並々ならぬ努力があります。

ところで、
文化風習の影響がなく、
規制も少ない商品であれば、
それは、それだけ最初から輸出優位性がある、ってコトですかね??

その通りです!
そういった機会、ぜひ活かせると良いですね!!