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海外展示会が成功する出展サポートとは

更新 2025年6月2日 公開 2024年5月6日
Professional,Leader,Consultant for SME's overseas expansion

海外展示会の出展を成功させるには「準備が9割」と言われています。

しかし、初めての海外出展でビジネスチャンスを逃さないために、どのようなことに注意すれば良いのか不安に思う方も多いでしょう。

そんな時は初心者にも安心の、海外展示会の出展サポートサービスを検討されることをお薦めします。

海外展示会の出展サポート実績が豊富な専門会社の力を借りれば、海外出展前の準備段階から現地でのサポートまで自信を持って取り組むことができます。

海外展示会出展の重要性

海外展示会出展は、アメリカ、欧州、中国、アジア、タイ等へのグローバル事業展開を考える企業にとって重要なビジネス戦略の一環です。

日本企業が海外の展示会に出展することで得られるものは下記の7つです。

1 海外ビジネスパートナー、海外顧客の獲得

2 海外現地のニーズやトレンド、商習慣の把握

3 新たな市場や新たな顧客層との出会い

4 国内とは異なる流通網の発見と構築

5 競合他社との差別化のヒント

6 自社のブランド認知度の向上

7 自社製品やサービスの海外視点での再評価

海外展示会成功のカギは、展開予想と準備

海外展示会の成功のカギは、海外展示会準備から帰国までに起こりそうなイベントを具体的に想定し、先回りして準備しておく、につきます。

たとえば株式会社パコロアでは、海外展示会出展支援を実施しています。

そこでは、海外での販路開拓の流れ(下記)の中の、どのフェーズに海外展示会出展があり、その前後にどのようなアクションが必要となるのか、がリストアップされ、ToDoの一覧が常にクライアント企業と共有されています。

Paccloa-Overseas-expansion-flow

例えば、成功する海外展示会や、海外での販路開拓は、下記の順で進んでいきます。

1. 海外進出の計画を立てる

まずは「どの国に」「どんな商品やサービスを」「どんなルートで」届けたいのかを決めます。
自社の強みが活きる市場を見つけて、流通方法や用途のイメージを具体的にしていきます。

2. 海外の競合や海外事情を調査する

海外の市場で、似たような商品はどんな風に売られてるのか?競合はどんな戦略を取ってるのか?の事前情報収集がカギです。
ここでのリサーチ次第で、後の準備がグッとスムーズになります。

3. 海外で越えなくてはいけない“壁”を確認

輸出規制や認証の有無、契約・言語・文化の違い。
現地で売れそうでも、規制ルールを知らないと「持って行ったが売ることはできない」ということも、実際にあります。
だからこそ、事前にクリアできる課題はなるべく早く片づけておくのが鉄則です。

4. 海外での“販売仮説”は複数立ててみる

「こうすれば海外で売れるかも!」という仮説は一つとは限らないため、複数のシナリオを立てて、それぞれに合わせた戦略を準備しておくと安心です。

5. 英語ツールを作り込む

Webサイト、提案書、図面、価格表。
それぞれの仮説に対応する形で、英語の販促ツールをしっかり用意します。
これは、数ヶ月かけてじっくり仕上げるのがコツです。

6. 海外展示会は「答え合わせ」の場

海外展示会では、お客様との対話の中で「どの仮説が現地で通用するか」を検証していきます。
どんな質問が来るか、どの資料が刺さるか、現地のリアクションを見逃さずにチェックします。

7. その場で戦略を調整する重要性

海外での展示会中に商談が進んだり、想定外の反応があったり、その場で感じた“手応え”をもとに、次の一手を考えます。
スピード感を持って動けるかが成功の分かれ道です。

以上が、成功する海外展示会の準備からの流れですが、このような展開の想定を行う日本企業はかなり少ないのが現状です。

ほとんどの日本企業とその担当者は、現実的には下記の様な出展準備に忙殺されています。

・出展ブース施工、どんなデザインにするか
・展示品は航空便で運ぶか、船で運ぶか
・サンプルはハンドキャリーで持ち込めるのか
・その際の必要な書類はどう作るのか
・渡航メンバーのロジの手配はどうなっているのか

しかし海外出展はゴールではなく、本来の目的は下記の様な海外販路開拓、のはずです。

・自社ブースでの海外営業(来場者への接客)
・海外関係者へのヒアリングとリサーチ
・海外出展企業(競合会社含む)とのネットワークづくり、逆営業

販路を開拓するための英語での準備が、最優先にもかかわらず、準備半ばで初日を迎えてしまいます。

とくに国内の展示会と異なる点は、海外バイヤーは気軽な会話の中でも、日本での実績以外に、世界の各地域でも通用するような事例紹介や、初めての試みであっても即断即決を好むため、360度の方向から、何を聞かれても冷静に対応できるよう準備を終えておく必要があります。

加えて、海外ビジネスの経験者でなければ難しい、現地企業との交渉事も、出展期間中は頻発します。

例えば、

・その場で必ず確認しておくべきこと(後から聞けないことが割とある)
・その場ではあえて情報開示しない方が良いこと (相手の属性確認が先)
・海外顧客が話しやすい距離感や詰めるタイミングを間違えないこと (とにかく日本と異なるため)

等は非常に重要ですが、それらを「そうだと」理解しないまま不適切な対応、軽すぎる対応で機会を逃すことも実際にあります。

海外展示会において、経験の少ない担当者が、
「自社のマーケティング仮説の答え合わせを、ブース来訪者との英語での立ち話を通じて、正確に行う技術を十分には持っていないこと」
は責められることではありません。

なぜならグローバルに通用する交渉スキルは、国内事業では特には必要とされていないためです。

このように海外展示会には、海外事業固有の
・「アプローチの難しさ」
・「成果検証のし辛さ、分かりづらさ」
があるため、

せっかくの海外出展の機会ですが、準備が十分ではなかった日本企業は、商品やサービスの海外での可能性を正しく検証することなく帰国しています。

海外での見本市出展が成功だったのか不成功だったのかが、次はどうすべきかが判断しづらい、ということです。

判断材料が少ない経営陣としては、次年度の海外出展について思い切った意思決定ができません。

「海外出展はまたいつか補助金が出た時でよいのでは」
「海外展示会は海外進出においてそれほど有効な手段ではないのでは」
という、海外出展で成功を収める他企業とは、180度真逆の結論を下すことになってしまいます。

もちろん、一方で、しっかり準備を整えて海外展示会に臨む日本企業はいます。

事前準備として、海外市場向けに必要な販促ツールの見直しや新規作成を行うことで、出発前から海外出展中の営業クロージングがより鮮明にイメージできるようになります。

出展ブース内での接客トークやQ&A想定集を英語で整備し、演習することで、より自信を持って来場した顧客企業と商談に臨めます。

弊社クライアント企業様はこのような事前準備支援と現地でのOJT支援を通じて、初出展の成功の確率を上げておられます。

ぜひ海外展示会出展を検討する際には、企業のレベルに合わせた出展サポートを提供できる各社のサービスを上手く活用し、初出展の海外展示会でも成功できるよう、出展計画を進めて頂ければと思います。

海外展示会の具体的な出展サポート内容

海外展示会の出展サポートには、大きく分けて2つのカテゴリーがあります。

  • 海外展示会への「出展手続き」のサポート
  • 海外展示会を活用した「海外販路拡大」のサポート

「出展手続き」サポート

会期前の出展サポート内容には下記があります。

  • 展示会主催者へ出展申込み手続きの代行(英語)
  • ブース設営およびブース装飾会社の選定、ディレクション代行(英語)
  • 国際輸送の手配、通関連絡代行、サンプル品の輸送サポート、ATAカルネ手配等(貿易書類は基本的に英語)

現地での出展サポート内容には以下があります。

  • 当日の会場設営から撤収までの工程管理やサポート(英語)
  • 会場内での問題発生の際の対応(英語)
  • 通訳や翻訳サービスの提供(英語)
  • (主催者や輸送会社等の)現地スタッフとの円滑なコミュニケーションをサポート(英語)

会期後の出展サポートは下記です。

  • 展示品の日本への返送手続き
  • 展示品を返送しない場合の現地倉庫預け、あるいは廃棄手続き(英語)
  • 主催者へ次年度の出展小間予約(英語)

「海外販路拡大」サポート

「海外販路拡大」サポートとしては下記があります。
パコロアでの支援メニューより抜粋)

  • 世界中の展示会からサポート企業に最適な展示会の選定
  • 戦略立案のための現地市場、顧客、競合企業の事前リサーチ
  • 海外向け商品施策、現地流通規制の確認と準拠
  • 海外向け知的財産管理の確認、権利化
  • 国際輸送、輸出梱包、パッケージデザイン(B2Cの場合)、海外向け価格設定
  • 貿易実務に必要な知識習得と社内仕組み化、英文貿易書類ひながた整備
  • 英文契約書のひながた整備
  • 海外調達担当者やバイヤーへのアプローチの仮説立案
  • ブース内での接客トークQ&A作成、事前演習
  • 展示会初日、2日目、3日目、最終日それぞれ当日中に接客トークや仮説の修正
  • 展示会期間中に、ターゲットと今後の課題を明確化
  • リアルとデジタルの相乗効果でカスタマージャーニーを最適化
  • 企業ブログを通じたナーチャリングやSNS運営を通じた継続的集客施策の提案等
  • Webマーケティング経由のネットワーク構築、オンラインサミナー提案

出展サポートを提供する企業が、どのレベルの支援を提供できるのかは、事前確認が重要です。

なぜなら、海外展示会のブースに立ち、
・英語で海外営業をしながら
・来場した海外企業担当者から本当に必要な情報を聞き出し
・日本とはスピードと質が異なるプレゼンテーションをその場で円滑に魅せ
・商談の際に「必ず確認すべきこと」や「してはいけないこと」などが最初から頭に入っている状態

というのは、海外展示会のノウハウを持っていなければ自然に作り出せるものではないためです。

株式会社パコロアでは、「海外販路拡大サポート」と「出展手続きサポート」の両方のサポートが可能です。(どちらかだけでももちろん可能です。)

自社に必要なのは、どのようなレベルの「海外販路拡大」サポートなのか、「出展手続き」サポートなのか、その両方なのか、を冷静に判断して海外展示会に臨むことは成功に近づく第一歩となります。

海外展示会の出展サポートの確認ポイント

出展サポートサービスを選ぶ際の確認ポイントは下記の通りです。

・過去の出展サポート実績、具体的な海外展示会トラブル解決例

・十分なヒアリング時間、自社の展示会戦略や最終目標への理解とそれに合った出展サポート提案

・過去の支援顧客企業が出展を通じて、具体的にどのような成果を得たのか

・海外展示会での商談時には下記が必要となるが、単なるテキスト翻訳ではなく内容修正を含むローカライゼションができているか
 (外国語版のWebサイト、多言語カタログ、英語プレゼンテーション、海外向け動画)

・支援される企業側の準備や協力も必須で、事前に何をすべきかの時系列での提示が具体的にあるか

海外出展前に知っておきたい法的制約

日本企業が海外展示会に参加する際には、現地の法的制約もぜひ把握しておきましょう。

まず、現地の税法について十分な理解が必要です。

なぜなら現地税法は海外市場での最終価格への影響が大きい為、その商品やサービスが現地で現実的に「売ることができるかどうか」に直結してくるためです。

特に輸入関税や輸出入の規制、流通規制については、国によって異なるため出展前に確認が必要です。

国際輸送費や関税、現地消費税を考慮すると、そもそも現地で販売できない商品価格帯になってしまうことなどは、意外と見落としがちです。

さらに、知的財産権や特許権などの法的保護に関する適用も日本と海外とでは異なる場合があります。

これらの法的制約を知らないまま海外出展すると、自社の貴重な技術ノウハウや、ブランドの核なる部分を無防備に開示してしまう恐れが出てきます。

一方で、逆に、海外他社の権利侵害を無意識なまま行っていて、出展後に相手企業から警告レターが届き訴えられてしまう、など法的トラブルに巻き込まれる可能性もあります。

現地税法や知的財産のトラブルを避けるには、現地の法的制約についての情報収集や専門家のアドバイスを積極的に活用することが重要です。

海外出展前にこれらの法的制約について充分な理解を深め、法令遵守の観点からリスクを回避し、海外出展の成功を目指しましょう。

海外出展サポートの費用効果を高める

海外展示会での出展サポート費用は、各サポート会社で様々です。

海外出展パッケージとして、1回50万円~100万円でサポートするものや、弊社のように数十万円の月額費用に組み込んで、海外展示会全般をサポートするものがあり、前者は主に「出展そのものをサポート」し、後者は「出展および海外販路拡大もサポートする」というものです。

そもそも海外出展には、下記の様な費用が発生します。

booth size price ASIA EU USA

※主に国際的なB2B展示会のホール単価。角小間(角2面)だと+10~20%増しあり

booth decoration price ASIA EU USA

出展品の国際輸送やハンドキャリー費用は下記の通りです。

Handcarry Airfreight Seafreigt

通訳の現地雇用、担当者の出張経由概算は下記の通りです。

Interpreter fee hotel airticket fee ASIA EU USA

担当者のエリア別出張経概算費用は、ホテルと航空券費の合計(1週間滞在)で、

アジアは 約 $1,000〜$2,000
欧州は  約 $2,000〜$3,300
北米は  約 $2,200〜$4,000

が相場です。

つまり、日本企業が欧州や北米で18平米の自社ブ―スをオリジナルデザインで出展した場合、通訳1名、担当者1名だとしても、1回あたり300万円~400万円の出展費用が発生します。

(特に今は、かなりの円安ですので高めの支出設定となります。)

同じサイズをアジアの展示会で、装飾性の低いブースで出展した場合でも200万円~250万円は発生します。

これだけの費用を投資するわけですから、海外出展の成果を持ち帰りたいところですが、

・ニーズの把握が正確にはできなかった
・海外バイヤーからは「高い」が最も多い反応だった
・今後の方向性が見えなくなっている

という状況になってしまうと、次回出展は厳しい、という環境になります。

海外展示会での出展サポートの費用対効果を高めるためには、一見遠回りに思えるかもしれませんが、海外事業をどのように進めたいのかを、仮説でも良いのでまずは決める、海外展開事業計画書策定が欠かせません。

まず、目標を明確にします。どのような結果を得たいのか、具体的な数字や目標を設定します。

次に、ターゲット市場を徹底的に分析し、展示会でのターゲットとする顧客層や競合他社を把握します。

それに加えて、海外出展にかかる費用をきちんと見積収集し、予算を立てます。

予算内で効果を最大化するために、コスト削減一辺倒ではなく、場合によっては展示会ブースの魅力的なデザインや効果的なプロモーションツールの活用も前向きに検討します。

高価格帯の商品を展示しているのに、既存のシステムブースに、自前のスタンディパネル、暗い照明に、最安値の応接レンタルセットでは、海外バイヤーに商品価値を正しく伝えられないかもしれません。

オリジナルの木工ブース制作は多くの場合100万円以上はかかりますが、競合ブースを見渡して、自社ブースだけが見劣りしていないか、本来の目的であるターゲット層の集客に合致したデザインになっているか、留意することが大切です。

もし、技術的なスペックで勝負できる商品であれば、ブースサイズも最少の9㎡、ブース装飾もごくシンプルに、そのかわり事前の現地競合リサーチをぬかりなく行い、展示会終了後は、海外営業も行ってくる、といったプランも費用対効果を高めるアイデアの1つになるでしょう。

展示会後はフォローアップも必要です。

帰国後は現地の文化やマナーを尊重した海外マーケティングや英語での地道な営業活動を継続することは海外出展での種を育てることにつながります。

こうした万全の準備と計画によって、海外展示会での費用対効果を最大化することが初めて可能になります。

海外展示会出展は一大イベントですので、準備することがあまりに多く、そもそもの目的である「海外販路拡大」の進め方について自社だけで客観的に深く考える時間が取れないかもしれません。

そんな時こそ、海外出展サポートのエキスパートである株式会社パコロアに一度ご相談ください。

初めての海外出展でも海外顧客から受注できるよう、無理なく滞りなく必要な準備を一緒に進めていくことができます。

もし宜しければ下記の関連記事海外展示会の出展のコツを知っていますかも是非合わせてお読みください。

皆さまの海外出展が成功し無事成果を得られることを心より願っております!

PaccloaQ

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