海外進出の実現可能性を考える上で重要なのはビジネスモデルです。
海外進出をきっかけに、自社にとって最強のビジネスモデルとは何かをじっくり考えてみるのも良いでしょう。
はじめに
海外市場では、顧客、流通、競合、が変わります。
変わり具合によっては、自社(の商品や価格)も大きく変える必要が出てきます。
自社が変わらなければならない可能性を見積もり、許容範囲を想定しておくことや、自社を変えることが難しい場合は、ターゲット国を選びに選び抜く、など、
海外でも勝てる方法=自社のビジネスモデル最適解、を海外進出する前に、検討しておくことは重要でしょう。
ウチのビジネスモデルって何でしょう?
どのような事業においても、ビジネスモデルは存在します。今の事業で継続して利益が出ている場合、そこにはれっきとした”ウチ独自の”ビジネスモデルがあります。
自社のビジネスモデルを改めて理解する為には、海外展開事業計画書(輸出編)、もしくは海外展開事業計画書(投資編)の策定をおススメします。
計画書を作ってみることで、国内事業の棚卸からはじまり、他社にはない強み、競合との関係、顧客ニーズの変化、先送りしてきた課題、今後の展望、選択等、会社全体のこれまでの状況、これからの可能性が大まかに見えてきます。
そのあと事業ごとの”健康診断”を行い、”レントゲン写真”を撮ってみるのです。
- 長年、一番売上の多い事業にマンパワーを注いできたが、この御時世、本事業が来年以降も伸びる根拠はないため、人員配置の見直しが必要ではないか
- 利益の少ない事業からはただ撤退するのではなく、流通や商品施策を変えることで、これまでより安定利益が見込めないか
- 各事業をバラバラで展開するより、要素技術で軸をとり、事業別から技術別に展開しなおすことで、強みの見える化にもなり、新しい顧客を開拓できないか
などなど、そこに映し出された骨格=どのような論理、顧客価値でウチは儲けているのか?、を突き詰めると、その会社のビジネスモデルは、おおよそ把握できます。
国内と同じビジネスモデルではダメですか?
国内事業と同じビジネスモデルで海外進出できることもありますが、ビジネスモデルを変えなければ展開が難しい場合もあります。その見極めのために、進出もしくは輸出予定国の流通、競合、市場、顧客可能性等をまずは調べます。
現地に日本と同じ様なニーズがあり、競合も少なく、流通構造も類似している場合、事業展開は可能と言えそうですが、障壁が低いということは、競合参入も容易ということ。
今見えている”点”だけではなく、1年後3年後の”線”で浮かび上がるリスクの検討も合わせて行い、プランBプランCを練り上げ、競合との戦いや市場の変化を想定しながら、総合的に判断していきます。
海外事業用の新しいビジネスモデルは通用するでしょうか?
海外事業向けにビジネスモデルを再構築する際、既存モデルの”部分”修正なのか、全体を刷新する新規構築なのかで、その後の検証工程は変わってきます。
新規モデルの場合は新商品や新サービスや新業態を、経験のない新市場で展開するため、リスクとコストが大きくなります。国内事業として市場展開した経験が無く、それら商品を海外で”初めて”試すには、綿密なプランと海外現地で市場調査(F/S調査)が必要となるでしょう。
しかしながら、実際の中小企業の海外進出では、ほとんどが部分修正で進められています。値付けには現地の流通が、継続性には現地の輸出入の規制と競合企業の存在が、それぞれ大きく影響するため、適切に修正を加えましょう。
自社のビジネスモデルを考える良いきっかけになりそうですね!
なんだか、成功する気がしてきました!
いやいや、まだ1歩目を踏み出したにすぎません!
えっ、そうなんですか
海外進出には、事業を進めてみてはじめて気づくリスクがたくさんあります。
次は海外進出のリスクとその回避方法について学んでいきましょう!