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02-102-1
必要な能力を開発する

貿易実務が身についていますか

貿易実務をマスターして、海外営業、経理、物流の事務ルーティンを確立し、直接輸出でしっかり儲けを出していきましょう。

はじめに

海外企業との取引で難しいことの1つに代金回収があります。

支払い条件を常時100%銀行送金前払いに設定出来れば良いのですが、顧客との力関係でそれが叶わないこともあります。

ただし少なくとも、最初に自社リスクを減らした正しい見積書の提示と、適切なコレポン(コレスポンデンス、海外企業との商業通信、メールのやりとり)で取引をスタート出来れば、

注文間違い、輸送梱包不備、倉庫代加算、追加検査費用、関税支払い拒否、ひいては客先からの返品や交換、などの憂き目にあうリスクは大きく減らせるでしょう。

国内取引と異なり貿易取引では、ちょっとしたミスでも手間=コストがかかります。

例えば、shipping mark(段ボールの側面にあるMade in Japanなどの記載)の段ボール個数番号を1つ打ち間違え、書類と一致しない場合などでも、無償で修正できるタイミングは限られています。

すでに飛行機や船に商品を載せようとしているタイミングでは修正は間に合わないため、その便での出荷はキャンセルとなります。それに伴い、スケジュールの変更、markの貼り替え/訂正、船積書類の訂正などが必要となって、手数料=人件費が発生します。

納期に間に合わなければ顧客からは受け取り拒否や減額要求もあるかもしれません。

貿易体制が未構築のままでは、予期せぬミスやクレームで追加の手間や費用がかかり、輸出は思ったより利益が少ない、ということも大いにあり得るでしょう。

輸出で得られる利益を安定させるには、貿易の全体の流れ、例えば海外から引き合いが入るところから商品を届けるまでの流れを学び、貿易取引で起こり得る“想定外”を予め想定しておくことが重要でしょう。

貿易実務はどうやって勉強すれば良いですか?

はじめて海外企業へ見積書や請求書を作ることになった時、前任者もおらず会社にひながたも無い状態では、インターネットでQuotation(見積書)やInvoice(送り状兼請求書)という単語を、Template(ひながた)という単語と共に検索してみましょう。

検索した複数のひな形を見比べることで、文書に含むべき必須項目も分かります。さっそく空欄に単語や数字を打ち込んでみると、何となく形にはなってきます。

よろしければこちらもどうぞ

→ パコロアTIPS お役立ち英文書式 Quotation(見積書)

貿易実務については、分からないことが発生したら、都度検索してみましょう。貿易実務の情報サイトも増えており、おおよそのあたりをつけることは出来ます。そして勉強方法としてはこのやり方が一番効率的と言えます。

もしインターネットで検索しても分からない時は、お取引のある、銀行の外国為替部や、国際輸送会社、輸出梱包会社、海上保険会社、第三者認証機関、商工会議所、各当局のいずれかに直接問い合わせることで、例えカテゴリー外の質問だったとしても、どこに聞けば良いかのあたりをつけることはできるでしょう。

いや、そういうチャレンジングな感じは苦手で、事前に貿易実務の全体像をしっかり理解しておきたい、という方には、下記の本をおススメします。

貿易実務講座の受講や、分厚い本を読破するのは、初心者の時ではなく、後輩に教えられるレベルになった時くらいが適切でしょう。

その頃であれば、今まで蓄積してきた知識の点が、線につながる瞬間を、体系立てた学びを通じ、存分に味わうこともできます。

そうか、これだったのか、と日々の業務を再認識できると大変スッキリします。そして同時に、ここからが大事なのですが、

実際に何年か最前線で貿易実務を担ってきたご自身が、一度も聞いたことも、見たことも、必要となったこともない、多くの貿易実務の知識が、それらの教材に含まれていることを知り、

もし最初にこちらから入っていれば、貿易実務はとても難しいもの、まだまだ勉強が足りないのでは、と誤解していたかもしれない、と、分かるでしょう。

貿易実務の大抵のことはインターネットで即時検索できます。分からないことも貿易実務を担うパートナー各社に直接聞けばある程度分かります。

それら部分理解を統合して、自分の頭で考えて、道をつけていく、という能動的な進め方は、海外展開そのものにも通じます。

是非、分からないことが分かるようになる柔軟な学びを日々の仕事の中で続けていきましょう。

貿易実務の難しいところはどこですか?

貿易実務の難しいところは、イレギュラーなことが起こった時に明確な答えがなくとも、誰かが(多くの場合みなさまが)リスクを取って何か行動を起こさねば、前に進まないことがある、ところです。

例えば、現地で流通させるために必要な書類を完備していたのに、別の書類を他機関による発行で提出せよと現地から言われる。

そのような発行実績が他機関では無いにも関わらず。
→ 仕方がないので現地と交渉しつつ、指定された他機関にも依頼を進める。


例えば、海外企業がL/C(Letter of Credit)を開設してきても、相手国の信用リスクが高いことを理由に日本側の銀行から、万が一買い取れなかった場合、支払いができない可能性について了承する、という書面に事前にサインを求められる。

支払い保証があるため手数料を払ってL/C取引をしているにも関わらず。
→ 会社と銀行の力関係上、他の選択が無ければサインをする。


その他、貿易取引ですので、すでに生産に入っていたり、あるいは倉庫搬入を終えていたりと待ったなしの場合もあり、誰がどこまでのリスクを負うのか、負えるのか?を踏まえながら、

実務経験者の経験則による最適解で都度、判断していくことが貿易実務の難しいところ、そしてやりがいのあるところでしょう。

貿易実務の醍醐味は何ですか? 

トラブルを解決した時、かつ自社に損失が無かった時には大きな醍醐味を味わえます。しかし、もっとじんわり胸に灯る醍醐味もあります。

海外企業から引き合いが来て、見積もりを出し、注文が入り、代金回収し、商品を届け、現地での使用に際して、“期待通り素晴らしかった、また買いたい”、と高評価を得た時、
またこれら一連の流れをつつがなく終えた時、が、もしかすると一番の醍醐味を感じる瞬間かもしれません。

海外営業と貿易実務の担当者が別々の場合など、貿易実務担当者は、一度も会ったことが無い海外企業と通信だけで何年も取引していることが珍しくありません。

わざわざ日本から輸入して購入していただけるのは、会社としての信頼と商品やサービスの優位性があるからこそですが、

本当は貿易実務担当者の、ミスの無い、先回りした、誠実なコレポン(コレスポンデンス、Correspondence)が更なる付加価値を与えている、という場合も多く、

決して目立ちませんが、陰の立役者として果たす役割は、本当に大きいと言えるでしょう。

貿易実務、ガゼンやる気が出てきました!

自分が作った見積書に対して、英文の注文書が届くのは格別です。

でも、私、英語が苦手なんですよねー。

いいですね!

苦手ということは、伸びしろが大きいということ。話せたときの感動が大きいということです。

続いて、ビジネス英語についても学んでいきましょう。

>02-2 ビジネス英語の対応はできますか