海外企業との商談が決まったとき、多くの中小企業の担当者が最初に不安に感じるのは「英語」です。
単語が出てこなかったらどうしよう。
相手の話が聞き取れなかったらどうしよう。
うまく説明できなかったら、チャンスを逃してしまうのではないか。
こうした不安はとても自然なものです。
実際、初めての海外商談では、英語の壁を強く意識する人がほとんどです。
しかし、これまで多くの海外商談を見てきた中で感じるのは、商談がうまくいくかどうかを左右するのは、英語力そのものよりも「進め方の設計」であるという事実です。
英語が流暢でも、商談の流れが整理されていなければ、話はまとまりません。
逆に、多少たどたどしい英語でも、仮説を持って提案し、次のアクションまで整理できれば、商談は前に進みます。
特に中小企業の海外営業では、初回のオンライン商談が「一度きりのチャンス」になることも少なくありません。
何度も会って関係を深めていく前提ではなく、限られた時間の中で、相手に「次も話を聞きたい」と思ってもらう必要があります。
そのためには、単なる英語フレーズ集ではなく、商談全体の進め方を理解しておくことが重要です。
本記事では、海外企業とのBtoB商談を想定し、事前準備から仮説提示、提案、交渉、フォローまでの一連の流れを、実務ベースで解説します。
英語に自信がない方でも、そのまま使える基本フレーズもあわせて紹介していきます。
「英語ができるかどうか」ではなく、
「海外企業との商談をどう設計するか」。
その視点で、海外BtoB商談の進め方を整理していきましょう。
海外BtoB商談で英語より重要な「進め方」の設計
海外企業との商談というと、多くの人がまず「英語ができるかどうか」を気にします。
しかし実際の現場では、商談がうまくいくかどうかを左右するのは、英語力そのものよりも「進め方の設計」であることが少なくありません。
英語が流暢でも、話の順番が整理されていなかったり、提案の意図が曖昧だったりすると、相手は判断材料を持てず、商談はそのまま終わってしまいます。
逆に、多少ぎこちない英語でも、仮説に基づいた提案があり、次のアクションまで明確に整理されていれば、商談は前に進みます。
特に中小企業の海外営業では、初回の打ち合わせがオンラインで一度きり、というケースも珍しくありません。
相手は複数のサプライヤーと同時に話をしていることも多く、何度も会って関係を築く前提ではないこともあります。
そのため、限られた時間の中で「この会社とは次も話したい」と思ってもらえる進め方が必要になります。
実際に、海外商談がうまく進まないケースには、いくつか共通したパターンがあります。
一つ目は、英語に意識が向きすぎて、商談の構造が曖昧になるケースです。
「正しい英語を話さなければ」と意識するあまり、説明が長すぎて、結局何を提案したいのかが伝わらないまま時間が過ぎてしまいます。
二つ目は、相手の話を聞くことに終始してしまうケースです。
海外営業では「まずは相手のニーズを聞くべき」と考えがちですが、初回商談では相手もまだ日本企業側が何をどこまで出来るのかをよく知りません。
こちらから仮説を提示しない限り、具体的な話に進まないまま終わることも多いのです。
三つ目は、商談の最後に次の行動が決まっていないケースです。
「では、分からないことがあればメールして下さい」と曖昧に終わってしまうと、そのまま連絡が途絶え、せっかくの接点が消えてしまうこともあります。
こうした状況を避けるためには、商談を「その場の会話」ではなく、「あらかじめ設計された流れ」として捉えることが大切です。
たとえば、
- どの順番で話すのか
- どのタイミングで仮説を提示するのか
- 最後に何を合意するのか
といった流れを事前に整理しておくだけで、商談の質は大きく変わります。
英語はあくまで、その設計を伝えるための手段です。
まずは商談の骨組みをつくり、そのうえで必要な英語表現を準備する。
この順番で考えることが、海外BtoB商談を前に進める近道になります。
次の章では、実際の海外BtoB商談を想定し、初回の打ち合わせでも使える「基本の5ステップ」を具体的に整理していきます。
海外BtoB商談の基本フロー(5ステップ)
海外企業との商談は、英語での雑談や自己紹介がうまくできれば自然に進む、というものではありません。
特に中小企業の海外営業では、初回のオンライン商談がその後の関係を左右する重要な場面になることも多く、限られた時間の中で「次につながる構造」を作ることが求められます。
ここでは、初回商談を想定した、実務で使いやすい5つのステップを紹介します。
英語表現の前に、まずはこの流れを頭の中に入れておくことが大切です。
ステップ1 事前準備(仮説を立てる)
商談の成否は、打ち合わせが始まる前にほぼ決まっていると言っても過言ではありません。
特に海外の新規開拓では、相手企業の情報が十分に手に入らないことも多く、「何を求めているのか」がはっきりしないまま商談に入るケースもあります。
そのため、事前準備では「情報収集」だけでなく、「仮説づくり」が重要になります。
- 相手はどの市場で、どの顧客に売っているのか
- 現在の製品ラインナップはどうなっているのか
- 自社の商品や技術、サービスが、どの部分で役立ちそうか
こうした情報から、「もしこの会社と組むなら、こういう展開になるのではないか」という仮説を1つでも2つでも用意しておきます。
商談は、白紙の状態で始めるよりも、「こうではないですか?」という提案から始めた方が、会話が具体的に進みやすくなります。
ステップ2 アイスブレイク(目的共有)
商談の冒頭では、軽い挨拶や自己紹介の時間が入ります。
ただし、ここで長く雑談を続けてしまうと、肝心の商談時間が足りなくなります。
初回の海外商談では、雑談よりも「今日の目的」を共有することが重要です。
- 今日は何について話したいのか
- どのような情報交換をしたいのか
- どのような次のステップを想定しているのか
こうした目的を冒頭で整理しておくだけで、商談全体の流れが安定します。
ステップ3 仮説提示と検証
従来の営業では、「まずは相手の課題を聞く」というスタイルが一般的でした。
しかし、海外の新規商談では、相手もまだ日本側の当社のことを十分に理解していないため、質問だけでは具体的な話に進まないことがよくあります。
そこで有効なのが、「仮説提示型」の進め方です。
たとえば、
- 御社の現在のラインナップを見ると、〇〇の部分で補完できるのではないか
- アジア市場向けに、こういう製品が必要ではないか
- インバウンドとなると、この仕様は国内流通が不可ではないか
といった形で、こちらから仮説を提示し、それが合っているかどうかを確認していきます。
仮説が外れていても問題ありません。
相手が「実はそこではなくて…」と話し始めれば、そこから具体的な課題が見えてきます。
大切なのは、会話のきっかけをこちらから作ることです。
ステップ4 提案(選択肢を示す)
仮説の方向性が見えてきたら、次は具体的な提案に進みます。
このときのポイントは、「1つの答え」ではなく、「いくつかの選択肢」を提示することです。
たとえば、
- まずはサンプル出荷を行い、フィードバックをもらう
- 詳しいフォーキャスト情報の提供を依頼する
- ベンダーリストへの登録を打診する
- 現地代理店を通じた小ロットのテスト販売を提案する
このように、具体的な行動と期限をその場で確認しておくことで、商談が単発で終わらず、次のステップにつながりやすくなります。
ステップ5 次のアクション合意
商談の最後で最も重要なのが、この「次のアクション合意」です。
ここが曖昧なまま終わってしまうと、せっかくの商談もそのまま消えてしまうことがあります。
逆に、小さくてもよいので次のステップが決まっていれば、関係は継続していきます。
たとえば、
・来週までにサンプルを送る
・追加資料を共有する
・次回の打ち合わせ日程を決める
といった具体的な行動と期限を、その場で確認しておきます。
この5つのステップを意識するだけで、海外BtoB商談の流れは大きく安定します。
次の章では、この流れの中でそのまま使える、基本的な英語フレーズをステップ別に紹介していきます。
ステップ別|そのまま使える英語フレーズ
ここからは、先ほど紹介した商談の5ステップに沿って、そのまま使える基本的な英語フレーズを紹介します。
すべてを完璧に覚える必要はありません。
まずは「商談の流れ」を頭に入れ、その中で必要な表現を数個ずつ準備しておくだけでも、安心感は大きく変わります。
英語はあくまで、設計した商談の流れを相手に伝えるための手段です。
自分が何を伝えたいのかを整理したうえで、必要なフレーズを準備しておきましょう。
商談開始・目的共有
商談の冒頭では、簡単な挨拶のあとに、今日の目的を共有します。
ここで方向性を示しておくと、商談全体が安定します。
・Thank you for your time today.
本日はお時間をいただきありがとうございます。
・We’d like to briefly introduce our company and discuss potential collaboration.
まず当社の紹介をさせていただき、協業の可能性についてお話しできればと思います。
・Does this agenda work for you?
この進め方で問題ありませんか。
仮説提示
仮説を先に提示することで、商談が具体的な話に進みやすくなります。
・Based on your current product line, we believe our solution could complement your offering.
御社の現在の製品ラインを見ると、当社の製品が補完できる可能性があると考えています。
・We assume that there may be demand for this type of product in your market.
御社の市場では、このタイプの製品に需要があるのではないかと考えています。
・Does this align with your current needs?
これは御社の現在のニーズに合っていますか。
提案
仮説の方向性が合っていれば、次は具体的な提案に進みます。
・As a first step, we can start with sample shipments.
最初のステップとして、サンプル出荷から始めることができます。
・We can begin with a small test order.
小ロットのテスト注文から始めることも可能です。
・Another option would be to work with a local distributor.
現地代理店を通じた展開という選択肢もあります。
条件確認・プロセス確認
商談の中盤から後半では、条件や社内プロセスについて確認していきます。
・Could you share your expected volume or forecast?
想定数量やフォーキャストを共有いただけますか。
・What would be the next step on your side?
御社側の次のステップはどのようになりますか。
・Is there a vendor registration process we should follow?
ベンダー登録の手続きはありますか。
クロージング(次のアクション合意)
最後に、次の行動と期限を明確にして商談を締めくくります。
・Shall we send the samples by next week?
来週までにサンプルをお送りしましょうか。
・We will share the additional materials by Friday.
金曜日までに追加資料をお送りします。
・Can we schedule the next meeting in two weeks?
2週間後に次の打ち合わせを設定できますか。
これらのフレーズは、すべてを覚える必要はありません。
自社の商談フローに合わせて、各ステップで2〜3個ずつ準備しておくだけでも、商談の進行はぐっと安定します。
次の章では、業界ごとに異なるBtoB商談の英語表現や、話題の違いについて整理していきます。
業界別に変わるBtoB商談の英語表現
同じBtoB商談でも、業界が変われば、会話の内容や重視されるポイントは大きく異なります。
英語そのものよりも、「どの観点で話をするか」が業界ごとに違うためです。
ここでは、代表的な3つの分野を例に、商談の特徴とよく出てくる表現を整理します。
製造業の商談
製造業の商談では、製品の仕様や品質、供給体制など、具体的な条件の話が中心になります。
感覚的な表現よりも、数値や仕様に基づいた説明が求められるのが特徴です。
よく出てくる話題:
・製品スペック
・品質基準
・納期
・最小発注数量(MOQ)
・量産体制
よく使う表現:
Our standard lead time is about six weeks.
標準のリードタイムは約6週間です。
The minimum order quantity is 500 units.
最小発注数量は500個です。
We can customize the specification if needed.
必要に応じて仕様のカスタマイズが可能です。
IT・サービス業の商談
ITやサービス分野では、物理的な製品よりも、「導入効果」や「運用イメージ」が重視されます。
そのため、機能説明よりも、「何ができるようになるのか」を伝える表現が多くなります。
よく出てくる話題:
・導入効果
・既存システムとの連携
・サポート体制
・料金体系
よく使う表現:
This solution helps reduce manual work.
このソリューションにより、手作業を削減できます。
It can be integrated with your existing system.
既存のシステムと連携可能です。
We offer online support and regular updates.
オンラインサポートと定期的なアップデートを提供しています。
医療・ヘルスケア分野の商談
医療・ヘルスケア分野では、性能や価格だけでなく、規制や安全性、臨床データなどが重視されます。
そのため、「エビデンス」や「認証」に関する話題が商談の中心になることが多いです。
よく出てくる話題:
・臨床データ
・規制対応
・認証(CE、FDAなど)
・安全性
よく使う表現:
This product complies with CE regulations.
本製品はCE規制に適合しています。
We have clinical data to support this result.
この結果を裏付ける臨床データがあります。
The product is currently under regulatory review.
本製品は現在、規制当局の審査中です。
このように、業界によって商談の焦点は大きく変わります。
そのため、「正しい英語」を覚えるよりも、「自分の業界では何が重視されるのか」を整理しておく方が、商談は進みやすくなります。
次の章では、国や地域によって異なる商談スタイルの違いを見ていきます。
国・地域別に異なる商談スタイルの違い
海外BtoB商談では、同じ英語を使っていても、国や地域によって商談の進め方や重視されるポイントが大きく異なります。
英語が通じているのに話がかみ合わない場合、その原因は語学力ではなく、商談スタイルの違いにあることも少なくありません。
ここでは、実務でよく接点のある地域ごとに、商談の特徴を整理します。
欧米企業の商談スタイル
欧米企業、特にアメリカや北欧、ドイツなどの企業は、商談を「判断のための場」として捉える傾向があります。
そのため、雑談や関係構築よりも、「何を提案し、どう進めるのか」が重視されます。
特徴的なポイント:
・結論や提案を早い段階で求められる
・数字や条件の話にすぐ入る
・意思決定プロセスを確認してくる
よくある流れは、
「御社は何ができるのか」
「どのくらいの価格で、いつ納品できるのか」
「次のステップは何か」
といった、実務的な話題が中心になります。
このような相手に対しては、長い会社紹介よりも、
・仮説に基づく提案
・選択肢の提示
・次のアクションの明確化
を意識した進め方が有効です。
アジア企業の商談スタイル
アジア圏では、関係構築や信頼感を重視する商談スタイルが多く見られます。
初回商談では、いきなり具体的な条件に入るよりも、会社の背景や考え方を共有する時間が取られることもあります。
特徴的なポイント:
・会社の歴史や実績を重視する
・関係構築のプロセスがある
・意思決定に時間がかかることがある
この場合、初回商談でいきなり結論を求めるよりも、
・自社の実績や強みを丁寧に説明する
・長期的な協力関係を前提とした提案をする
といった進め方の方が、自然に受け入れられやすくなります。
ただし、オーナーや経営層が欧米留学経験者や帰国子女の場合、商談スタイルは大きく変わることもあります。
しっかりしたPPT資料を前提に、結論から提示する欧米型の進め方を求められるケースも増えています。
中東・新興国企業の商談スタイル
中東や新興国の企業との商談では、柔軟でスピード感のある交渉が行われることも多く、商談の進め方がその場で変わるケースもあります。
特徴的なポイント:
・価格や条件の交渉が早い段階で出てくる
・参加者が多く、役割が分かりにくいことがある
・その場の判断で方向性が急に変わることもある
このような商談では、事前に決めたシナリオ通りに進まないことも珍しくありません。
そのため、細かい順番にこだわりすぎず、
・要点を簡潔に伝える
・相手の反応を見ながら提案を都度調整する
・最後に必ず次のアクションを確認する
といった柔軟な進め方が求められます。
このように、国や地域によって商談の進め方は大きく変わります。
重要なのは、「正しいやり方」を一つ覚えることではなく、相手のスタイルに合わせて進め方を調整できることです。
次の章では、海外商談でよくある悩みについて、具体的な対処法をQ&A形式で整理していきます。
海外商談でよくある悩みと対処法(FAQ)
Q1 情報が少ない相手企業への準備方法
【質問】
相手企業のHPやSNSを見ても、初回打ち合わせに役立つ情報がほとんどありません。どう準備すればよいですか?
【回答】
海外企業の情報が少ないことは珍しくありません。
特に新興企業や、営業情報をあまり公開していない会社の場合、詳細な事業内容や戦略が見えないまま商談に入ることもあります。
まずは、できる範囲で情報の取りこぼしがないか確認します。
社名で画像検索をしたり、AIツールで企業情報を整理したりすると、製品写真や展示会出展歴、代理店情報など、思わぬ手がかりが見つかることもあります。
それでも情報が少ない場合は、「情報収集」よりも「仮説づくり」に時間を使う方が効果的です。
たとえば、
・業界の一般的な課題
・地域特有の市場状況
・自社の強みが活きそうな用途
といった観点から、1〜2個の仮説を用意しておきます。
商談では、その仮説を提示し、「この方向性は御社の状況に合っていますか」と確認する形で進めると、会話が具体的になりやすくなります。
Q2 オンライン商談が順番通りに進まない場合の対処
【質問】
初回打ち合わせはオンラインが多く、順番通りに進みません。相手が一方的に話す場合、どう対応すればよいですか?
【回答】
オンライン商談では、想定していた順番通りに進まないことがほとんどです。
相手が話したい内容を一気に話し始め、こちらの準備していた流れに戻せないまま時間が過ぎてしまうこともあります。
このような場合は、無理に進行を戻そうとせず、相手の話の流れを最優先にし、すべてに反応していく方式に切り替えます。
話題が前後したり、行き来したりしても問題ありません。
まずは相手の話にしっかり応答し、関心や質問にはすべて拾って対応していきます。
そして、相手の話が一段落したタイミングで、
・まだ確認できていないポイント
・こちらから聞きたかった内容
を一つずつ確認していきます。
順番通りに進めることよりも、「話題を取りこぼさないこと」を優先した方が、結果として商談は安定します。
Q3 参加者が多く役割が不明な商談の進め方
【質問】
相手がグローバル企業で、複数名が参加しており役割が分かりません。どう主導権を持って進めればよいですか?
【回答】
大企業との商談では、営業、技術、購買など、複数の担当者が同席することがよくあります。
その場合、誰が最終的な判断者なのか分からず、話の焦点がぼやけてしまうこともあります。
たとえば、会議冒頭の自己紹介ではAさんが担当者のように見えたのに、実際の商談ではBさんばかりが発言している、というケースも珍しくありません。
そのため、商談中だけで役割を判断しようとせず、商談後の確認メールで整理することが重要です。
たとえば、
・本日の整理内容
・次のアクション
・主担当者の確認
をまとめたうえで、
「この進め方で問題なければ、Aさん宛てに進めてよろしいでしょうか」
と確認しておくと、社内の意思決定構造が見えてくることもあります。
Q4 予算やプロセスが曖昧な場合の対応
【質問】
相手の予算や今後のプロセスを聞いても、はっきりした答えが返ってきません。どう考えればよいですか?
【回答】
初回商談では、予算やスケジュールが明確でないことも多くあります。
情報が十分集まっておらず、担当者自身も進め方を決めかねているケースも考えられます。
このような場合は、どのような資料があれば社内検討を進められるのかを率直に確認します。
そして、新たな作成コストがほとんどかからない資料であれば、早めに提供してしまった方が商談は進みやすくなります。
一方で、
・資料作成にかなりの時間やコストがかかる
・その資料が相見積もりのベースとして使われそう
といった場合には、無理に商談を進めないという判断も現実的です。
すべての案件を追いかける必要はありません。
Q5 英語が聞き取れないときの対処法
【質問】
最初はゆっくり話してくれますが、すぐに英語が速くなり、途中から単語自体がよく聞き取れません。どうすればよいですか?
【回答】
海外商談では、ネイティブ以外の英語話者と話すことも多く、発音や表現が標準的な英語と異なる場合もあります。
そのため、「聞き取れない=自分の英語力不足」と決めつける必要はありません。
聞き取れなかった場合は、
・少しゆっくり話してもらう
・言い換えてもらう
・チャットで単語を書いてもらう
といった方法を組み合わせることで、理解の精度を高めることができます。
とはいえ、実際の打ち合わせの最中に「もう一度お願いします」と言うのは、心理的なハードルが高いものです。
会話のスピードが速い海外企業との商談では、その渦中にいると、なかなか割り込めないのも現実です。
そこでおすすめなのは、「会議中に1回は確認してもよい」と、あらかじめ自分に許可を出しておくことです。
そして、勇気を出して会話に割り込み、少し大きめの声で、
「今の単語は〇〇という意味ですか?」
Does that word mean “〇〇”?
「今おっしゃったのは〇〇ですか?」
Did you say “〇〇”?
と確認してみます。
急に会話が止まるため、全員が一度「?」となり、流れが一度リセットされます。
そこで改めて、
「今の単語を確認したいのですが、〇〇で合っていますか」
I’d like to confirm the word. Did you say “〇〇”?
と伝えると、ほぼ確実に、より分かりやすい発音で言い直してもらえます。
こうした悩みは、多くの中小企業が同じように経験しています。
重要なのは、英語の上手さだけで解決しようとするのではなく、「商談の進め方」を設計し、その中で必要な対応を整理していくことです。
次の章では、英語力以上に成果を左右する「商談設計」という考え方について、あらためて整理します。
英語より先に設計すべき「海外商談の進め方」
海外企業との商談というと、「英語ができるかどうか」に意識が向きがちです。
しかし実際の現場では、英語力だけで商談の成否が決まることはほとんどありません。
・どの順番で話すのか
・どのタイミングで仮説を提示するのか
・どんな選択肢を用意しておくのか
・最後に何を合意するのか
こうした「進め方の設計」ができているかどうかで、商談の結果は大きく変わります。
特に中小企業の海外営業では、初回のオンライン商談が一度きりのチャンスになることも少なくありません。
その場で次のアクションまで合意できるかどうかが、その後の展開を左右します。
もし、
・海外企業との商談が控えているが、何を準備すればよいか分からない
・英語もそうだが、商談の進め方にも不安がある
・初回の打ち合わせを次のステップにつなげたい
と感じている場合は、商談前に一度、全体の進め方を整理しておくことをおすすめします。
パコロアでは、中小企業の海外営業や海外商談の進め方について、初回の相談から実務ベースでサポートしています。
「この案件、どう進めればよいか分からない」といった段階でも構いません。
状況を整理しながら、現実的な進め方を一緒に設計していきます。
まずは、海外進出の状況を確認できる無料のチェックリストや、個別の無料相談をご活用ください。
小さな一歩でも、進め方が整理されると、商談の見え方は大きく変わります。