海外企業との商談や展示会、オンラインミーティングでは、自社や製品について英語でプレゼンする機会があります。
しかし、英語でのプレゼンとなると、
- どのような構成で話せばよいのか
- 最初の挨拶や説明を英語でどう表現すればよいのか
- 質疑応答で質問を聞き取れなかったらどうするのか
- 英語に自信がなくても、相手に伝わるプレゼンができるのか
など、不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
ビジネス英語のプレゼンで大切なのは、難しい英語を使うことではありません。
伝える内容を整理し、基本となる構成やフレーズを準備しておけば、英語に自信がなくてもプレゼンを進めることはできます。
この記事では、海外ビジネスの現場で使える英語プレゼンの構成、基本フレーズ、資料の作り方、質疑応答への対応まで、実践的に解説します。
ビジネス英語プレゼンの基本構成
英語のプレゼンも、基本的な構成は日本語のプレゼンと大きく変わりません。
まずは、次の3つに分けて考えると整理しやすくなります。
- Introduction(導入):挨拶、自己紹介、プレゼンの目的や全体像を伝える
- Body(本題):製品・サービスの特徴、課題、提案内容などを説明する
- Conclusion(まとめ):要点を整理し、次のアクションや質疑応答につなげる
特に海外企業向けのプレゼンでは、最初に「今日は何について話すのか」「相手に何を知ってほしいのか」を明確にすることが重要です。
Introduction|最初に目的と全体像を伝える
冒頭では、挨拶や自己紹介を長くするよりも、プレゼンの目的を簡潔に伝えます。
たとえば、次のような流れです。
“Thank you for taking the time to meet with us today.”
(本日はお時間をいただき、ありがとうございます)
“Today, I’d like to introduce our company and our main products.”
(本日は、弊社と主な製品についてご紹介します)
“First, I’ll briefly introduce our company, and then I’ll explain our products and their key features.”
(まず弊社について簡単にご紹介し、その後、製品と主な特徴についてご説明します)
最初に全体の流れを示しておくと、聞き手も「これから何の話をするのか」を理解しやすくなります。
Body|伝えたい内容を絞って説明する
本題では、会社や製品について知っていることをすべて説明する必要はありません。
相手にとって重要な情報を優先し、
- どのような課題を解決できるのか
- 自社や製品の特徴は何か
- 他社との違いは何か
- 相手にとってどのようなメリットがあるのか
を中心に組み立てます。
英語に自信がない場合ほど、一文を短くし、一つのスライドで伝えるポイントを絞ると説明しやすくなります。
Conclusion|要点をまとめ、次につなげる
最後は、説明した内容を簡潔にまとめます。
“Let me briefly summarize the key points.”
(要点を簡単にまとめます)
“Thank you for your attention. I’d be happy to answer any questions.”
(ご清聴ありがとうございました。ご質問があればお答えします)
商談を目的としたプレゼンであれば、説明して終わりではなく、次の面談や見積もり、サンプル提供など、次のアクションにつなげることも意識しましょう。
ビジネス英語プレゼンで使える基本フレーズ
英語プレゼンでは、すべての文章を暗記する必要はありません。
「始める」「話題を切り替える」「資料を説明する」「まとめる」など、場面ごとの基本フレーズをいくつか準備しておくと、プレゼンを進めやすくなります。
プレゼンを始める
“Good morning, everyone. Thank you for joining us today.”
(皆さま、おはようございます。本日はご参加いただきありがとうございます)
“My name is [Name], and I’m responsible for overseas sales at [Company].”
([会社名]で海外営業を担当している[名前]です)
“Today, I’d like to introduce our company and our products.”
(本日は、弊社と製品についてご紹介します)
話題を切り替える
“Now, let’s move on to our main products.”
(それでは、主な製品についてご説明します)
“Next, I’d like to explain the key features.”
(次に、主な特徴についてご説明します)
“Let’s take a look at the next slide.”
(次のスライドをご覧ください)
こうした短いフレーズを使うと、聞き手にも話題が変わったことが伝わりやすくなります。
グラフや数字を説明する
“As you can see from this chart, sales have increased steadily.”
(このグラフから分かるように、売上は着実に増加しています)
“This graph shows the changes over the past three years.”
(このグラフは、過去3年間の変化を示しています)
“The most important point here is…”
(ここで最も重要なポイントは……)
数字やグラフは、スライドに表示されている内容をすべて読み上げるのではなく、「何を見てほしいのか」を一言添えると伝わりやすくなります。
要点を強調する
“I’d like to emphasize one important point.”
(ここで一つ、重要な点を強調したいと思います)
“The key point is…”
(重要なポイントは……です)
“What makes our product different is…”
(当社製品の違いは……です)
プレゼンを締めくくる
“To summarize, there are three key points.”
(まとめると、重要なポイントは3つあります)
“That concludes my presentation.”
(以上でプレゼンを終了します)
“Thank you for your attention. I’d be happy to answer any questions.”
(ご清聴ありがとうございました。ご質問があればお答えします)
英語に不安がある場合は、長い文章を覚えるより、こうした短い基本フレーズを自社の説明内容に合わせて組み合わせる方が実践的です。
英語プレゼンを伝わりやすくする5つのコツ
ビジネス英語のプレゼンでは、流暢に話すことよりも、聞き手が内容を理解しやすいことが重要です。
特に海外企業へのプレゼンでは、次の5点を意識すると伝わりやすくなります。
1.一文を短くする
日本語の文章をそのまま英訳すると、一文が長くなりがちです。
英語では、伝えたい内容を短い文章に分けましょう。
一文に一つの情報を入れることを意識すると、自分も話しやすく、相手も理解しやすくなります。
2.結論を先に伝える
背景から順番に詳しく説明するのではなく、まず結論や重要なポイントを伝えます。
たとえば製品の特徴を説明する場合も、
“Our product reduces processing time by 30%.”
(当社製品は処理時間を30%短縮します)
と最初に結論を示し、その後に理由や仕組みを説明すると理解されやすくなります。
3.スライドに情報を詰め込みすぎない
英語プレゼンでは、スライドを文章で埋める必要はありません。
- 見出し
- キーワード
- 数字
- グラフ
- 写真や図
などを使い、見ただけでも要点が分かるようにします。
話す英語に自信がない場合ほど、視覚的に伝わる資料を準備しておくことが助けになります。
4.ゆっくり、はっきり話す
英語を速く話す必要はありません。
聞き手も英語を母語としない場合があるため、短い文章を区切りながら、はっきり話す方が伝わります。
重要な数字や製品名、専門用語の前後では少し間を取るのも効果的です。
5.原稿を読むのではなく、伝えるポイントを決める
全文の英語原稿を暗記しようとすると、一文忘れただけで次の言葉が出なくなることがあります。
プレゼンでは、
- このスライドで何を伝えるのか
- 必ず説明する数字は何か
- 相手に覚えてほしいポイントは何か
を決めておきましょう。
英語を完璧に話すことよりも、相手が理解できる順番と表現で、必要な情報を確実に伝えることが大切です。
英語プレゼンの質疑応答で使えるフレーズ
英語プレゼンで不安を感じやすいのが、プレゼン後の質疑応答です。
準備したプレゼンは話せても、想定していない質問を英語で受けると、すぐに答えられないこともあります。
大切なのは、分からないまま推測して答えないことです。聞き取れない、質問の意味が分からない、すぐに回答できない場合にも使えるフレーズを準備しておきましょう。
質問を聞き取れなかったとき
“Could you repeat the question, please?”
(もう一度質問していただけますか?)
“Could you speak a little more slowly, please?”
(もう少しゆっくり話していただけますか?)
“Sorry, I didn’t quite catch that.”
(すみません、よく聞き取れませんでした)
聞き返すこと自体は失礼ではありません。曖昧なまま答えるより、確認してから回答する方が安全です。
質問の意味を確認したいとき
“Do you mean…?”
(……という意味でしょうか?)
“If I understand correctly, you’re asking about… Is that right?”
(私の理解が正しければ、……についてのご質問ですね?)
質問を自分の言葉で言い換えて確認すると、認識違いを防ぐことができます。
少し考える時間がほしいとき
“That’s a good question. Let me think for a moment.”
(よいご質問ですね。少し考えさせてください)
“Let me clarify that.”
(その点を整理してご説明します)
すぐに話し始める必要はありません。数秒考えてから答える方が、内容も整理しやすくなります。
その場で回答できないとき
“I don’t have that information with me right now.”
(今、その情報を手元に持っていません)
“I’ll confirm the details and get back to you after the meeting.”
(詳細を確認して、ミーティング後にご連絡します)
“I’d rather confirm that before giving you an answer.”
(回答する前に、その点を確認させてください)
特に価格、仕様、納期、契約条件などは、分からないことをその場で推測して答えないことが重要です。
質疑応答も「すべて英語で即答できること」が成功ではありません。
質問を正しく理解し、必要であれば確認し、正確な回答につなげることを優先しましょう。
オンラインで英語プレゼンをするときの注意点
海外企業との商談では、ZoomやMicrosoft Teamsなどを使って英語でプレゼンする機会も増えています。
基本的な構成や話し方は対面と同じですが、オンラインでは相手の反応が分かりにくいため、少し工夫が必要です。
最初に音声と画面共有を確認する
プレゼンを始める前に、相手に音声が届いているか、資料が見えているかを確認します。
“Can you hear me clearly?”
(音声は問題なく聞こえていますか?)
“Can you see my screen?”
(画面は見えていますか?)
“Please let me know if you have any trouble seeing the slides.”
(スライドが見えにくい場合はお知らせください)
資料は事前に開いておき、画面共有後すぐにプレゼンを始められる状態にしておきましょう。
対面より短く区切って話す
オンラインでは、聞き手の表情や反応を読み取りにくくなります。
長時間一方的に説明するのではなく、内容を短く区切りながら、
“Does that make sense so far?”
(ここまでで内容は分かりやすいでしょうか?)
“Do you have any questions before I move on?”
(次に進む前に何かご質問はありますか?)
などと確認すると、相手を置き去りにせず進められます。
通信トラブルに備えて資料を共有しておく
オンラインでは、音声が途切れたり、画面共有がうまくいかなかったりすることがあります。
重要なプレゼンでは、事前にPDFなどで資料を共有しておくと安心です。
接続が切れた場合の再接続方法や連絡手段も、社内で決めておきましょう。
オンラインだから特別な英語が必要なのではありません。
相手が見えているか、聞こえているか、内容を理解できているかを対面以上に確認しながら進めることがポイントです。
英語プレゼンでは事例やストーリーを活用する
製品の機能や会社情報を順番に説明するだけでは、相手に「自社にとってどんな価値があるのか」が伝わりにくいことがあります。
特に海外企業へのビジネスプレゼンでは、実際の顧客事例や導入例を交えると、製品やサービスを具体的にイメージしてもらいやすくなります。
課題→解決→結果の順で伝える
事例を紹介するときは、複雑なストーリーを作る必要はありません。
- Customer’s challenge(顧客が抱えていた課題)
- Our solution(自社が提供した解決策)
- Result(導入後の結果)
の3つに分けると、英語でも説明しやすくなります。
たとえば、
“One of our customers was facing a problem with production efficiency.”
(あるお客様は、生産効率に課題を抱えていました)
“We introduced our system to improve the process.”
(そこで、工程を改善するために当社のシステムを導入しました)
“As a result, they reduced processing time by 30%.”
(その結果、処理時間を30%短縮できました)
という流れです。
数字や具体例を入れる
“Many customers like our product.”
(多くのお客様に当社製品をご評価いただいています)
だけでは、相手にとって判断材料になりにくい場合があります。
可能であれば、
- 導入企業数
- コスト削減率
- 作業時間の短縮
- 売上や生産量の変化
- 導入している国や地域
など、具体的な数字や事実を示しましょう。
ただし、顧客名や導入実績、数値などをプレゼンで使用する場合は、外部に公開してよい情報か事前に確認しておくことも重要です。
英語で上手に物語を語ることが目的ではありません。
相手が「自社でも使えそうだ」と具体的に想像できる材料を示すことが、ビジネスプレゼンで事例を使う目的です。
海外企業向けプレゼンで意識したいこと
海外企業への英語プレゼンでは、英語表現だけでなく、相手が理解しやすい伝え方を意識することも重要です。
同じ業界でも、国や企業、役職、商談の目的によって、求められる情報や説明の詳しさは異なります。
相手に合わせて説明内容を変える
自社紹介用のプレゼン資料を一つ作り、すべての相手に同じ説明をするのではなく、商談相手に合わせて重点を変えます。
たとえば、
- 経営層には、導入効果や市場性、投資対効果
- 技術担当者には、仕様や性能、導入条件
- 購買担当者には、価格、納期、供給体制
- 販売代理店候補には、市場性、販売支援、取引条件
など、相手が判断するために必要な情報を優先します。
日本では通じる前提を省略しない
国内では説明しなくても理解される商習慣や業界の常識が、海外企業にも共有されているとは限りません。
専門用語、略語、国内規格、日本独自の制度などを使用するときは、必要に応じて簡単な説明を加えましょう。
また、「高品質です」「長年の実績があります」といった抽象的な表現だけではなく、その根拠となる数字や事例を示すと伝わりやすくなります。
相手の反応を見ながら調整する
準備したスライドを最後まで説明することが、プレゼンの目的ではありません。
相手が特定の製品や数字について詳しく質問してきた場合は、そこに時間を使った方が商談につながることもあります。
反対に、関心が薄い部分は短く切り上げても構いません。
英語プレゼンでも重要なのは、用意した内容を一方的に話すことではなく、相手が何を知りたいのかを確認しながら説明することです。
英語プレゼンは本番前の練習で仕上げる
英語プレゼンは、原稿や資料を作って終わりではありません。
本番前に実際に声に出して練習すると、言いにくい表現や説明しにくいスライド、時間配分の問題に気づくことができます。
特に確認しておきたいのは、次の点です。
- 最初の挨拶と自己紹介をスムーズに言えるか
- 各スライドで伝えるポイントが明確か
- 製品名や専門用語を言い慣れているか
- 想定時間内にプレゼンが終わるか
- よく聞かれる質問に英語で答えられるか
全文を暗記する必要はありません。
むしろ、「このスライドでは何を伝えるか」を覚え、多少表現が変わっても説明できる状態にしておく方が、本番で対応しやすくなります。
また、社内のメンバーに聞き手役になってもらい、実際に質問してもらう練習も有効です。
英語そのものだけでなく、資料を操作しながら話す、質問を受ける、回答して次の話題へ戻るところまで一度通しておくと、本番で慌てにくくなります。
英語プレゼンを次の商談につなげる
英語プレゼンは、発表を無事に終えることがゴールではありません。
海外企業との商談では、プレゼンを通じて相手の関心を確認し、次に何をするのかを具体的に決めることが重要です。
プレゼンの最後には、質疑応答だけで終わらせず、相手の反応を見ながら次のアクションを確認しましょう。
たとえば、
- 詳しい製品資料を送る
- 見積書やサンプルを提出する
- 技術担当者を交えた打ち合わせを設定する
- 代理店契約や取引条件について改めて協議する
- 次回のオンラインミーティングの日程を決める
など、その場で次の一歩を具体化できれば、プレゼン後の商談を進めやすくなります。
英語で伝えることに集中しすぎると、「説明すること」が目的になりがちです。しかし、海外営業で本当に必要なのは、相手に自社を理解してもらい、次の行動につなげることです。
プレゼン資料を作る段階から、「このプレゼンを聞いた相手に、最後に何をしてもらいたいのか」を決めておきましょう。
英語力だけでなく、プレゼン後の商談まで設計しておくことで、海外企業とのビジネスを次の段階へ進めやすくなります。
英語プレゼンを海外営業の成果につなげるために
英語プレゼンでは、難しい英語を使うことよりも、「誰に、何を伝え、次にどのような行動につなげたいのか」を明確にしておくことが重要です。
しかし、海外営業ではプレゼンだけを準備しても、商談は前に進みません。
- どの市場・企業をターゲットにするのか
- 自社の何を強みとして伝えるのか
- 価格や取引条件をどこまで提示するのか
- プレゼン後にどのような商談へ進めるのか
- 誰が継続してフォローするのか
こうした営業全体の流れまで準備しておくことで、英語プレゼンを実際の商談や取引につなげやすくなります。
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