Shopifyで海外販売を成功させる方法と実例|越境ECで成果を出す戦略とは?
更新 2026年8月11日 公開 2025年7月31日
グローバル市場への展開を検討中の日本企業にとって、Shopifyは非常に魅力的な海外販売のプラットフォームです。
加速を続ける”越境EC”というビジネスモデルで、世界中の顧客をターゲットに商品を販売する企業も増えています。
しかし、
「Shopifyを使えば海外販売が簡単にできる」
と思って始めたものの、言語対応・決済方法・送料設定・現地向けSEOなど、思った以上にやることが多く、途中でつまずいてしまうケースも少なくありません。
本記事では、
「Shopifyを使って海外販売を始めたいけれど、どこから手をつけていいのか分からない」
という方向けに、基本的な設定手順から実践的なマーケティング・ローカライゼーション戦略、そして成功事例までを分かりやすく解説します。
さらに、他記事ではあまり触れられていない、海外向けコンテンツの作り方や現地法規制への対応、マーケティング支援のポイントについても詳しく紹介します。
「ただ構築するだけで終わらない。売れる越境ECをどう作るか」
にフォーカスした内容でお届けします。
Shopifyを使った海外販売とは?
Shopifyはなぜ海外販売に向いているのか?
Shopifyは、ECサイトを簡単に作成・運営できるクラウド型のECプラットフォームであり、世界175か国以上で利用されているグローバルスタンダードです。
特に多言語・多通貨対応、豊富なアプリ、簡単な初期設定などの特徴により、海外販売との相性が良いのが大きな魅力です。
また、日本語対応や日本円での決済設定なども可能なため、海外展開初心者の日本企業にも導入しやすく、無料トライアルも用意されています。
加えて、Shopify Plusを利用すれば、より高度なカスタマイズやBtoB向け越境ECにも対応できる拡張性があります。
【Shopifyが海外販売に適している主な理由】
- 多言語・多通貨設定が可能
- 各国の配送・関税対応アプリが豊富
- グローバル対応テンプレートのデザイン性が高い
- 外部SNS・広告チャネル(Facebook, Instagram, Googleなど)との連携がスムーズ
越境ECとShopifyの関係
越境ECとは、国境を越えて商品やサービスを販売するECビジネスモデルです。
Amazonや楽天グローバルといったモール型の方法もありますが、自社ブランドの世界進出を狙う企業にとっては、Shopifyによる自社ECサイト構築は長期的な成長を支える基盤にもなり得ます。
なぜなら、Shopifyを使うことでブランドイメージを損なわず、現地市場に合わせた柔軟なカスタマイズが可能だからです。
また、GoogleやFacebook広告との連携が可能で、マーケティングの工夫次第で集客力を高めることができ、海外展開にも対応しやすいのが特徴です。
ただし、戦略的な運用が重要で、単に作っただけでは成果が出にくい点には注意が必要です。
越境ECでは、Shopifyの設定だけでなく、多言語サイト全体の設計まで整理しておく必要があります。
→ 多言語サイトの作り方と運用戦略|海外Webで成果を出す設計とは
Shopify海外販売の基本設定と構築ステップ
越境ECをShopifyで始めるにあたっては、多言語対応や通貨設定、配送・関税の対応など、押さえておきたいポイントがあります。
ここでは、その初期設定と構築の基本を解説します。
多言語・多通貨・決済対応の基本設定
Shopifyでは、言語・通貨・決済手段を柔軟に設定することで、現地の顧客にとってストレスのない購入体験を提供できます。
これは、売上を大きく左右する最重要ポイントです。
【多言語設定】
Shopifyは複数の言語に対応したテーマを選ぶことで、簡単に海外向けのページを作成できます。
自動翻訳アプリ(例:Shopify Translate & Adaptなど)を使えば、手間をかけずに日本語から英語、中国語、スペイン語などに翻訳することも可能。
ただし、重要なページやCTA(購入ボタンまわりなど)は、コンバージョン率に影響が大きいためプロ翻訳+ローカライズは必須。
【通貨設定】
Shopify Paymentsを利用すれば、主要通貨での表示や決済が可能になります。
為替レートも自動反映されるため、現地価格での購入がスムーズ。
国ごとの価格設定もできるため、エリア別戦略に合わせた価格調整が可能です。
【決済方法】
海外向けにはPayPal・クレジットカード・Shopify Payments・Stripeなどを設定するのが一般的です。
国によってはKlarna(欧州)やAlipay(中国)など、地域特有の決済手段を導入することで購入率が高まります。
▶ヒント:
Shopify Plusを利用すれば、より高度な決済ロジックやBtoB向け取引対応も可能。
高単価商品の販売や法人取引にも適しています。
配送・関税・送料設定の注意点
日本国内とは異なり、海外配送では「通関・関税・配送会社の選定」などが重要になります。ここを曖昧にするとカート離脱率やトラブルの元になるので注意が必要です。
【配送方法の選択】
基本的には、DHL・FedEx・日本郵便のEMSなどを利用するケースが多いです。
Shopifyでは「送料プロファイル」機能を使い、国別・商品別の配送方法を設定できます。
【関税・税金の対応】
商品代金に関税が含まれているか否かは、現地ユーザーの満足度に直結します。
DDP(関税込)配送が可能な業者を選ぶと、安心して購入してもらいやすくなります。
▶おすすめアプリ:
- Zonos Duty and Tax:関税計算&自動表示
- Easyship:各国ごとの配送&通関対応が一括でできる
アプリ活用による機能強化
Shopifyの魅力は、拡張機能(アプリ)を使って必要な機能を後から追加できる点にもあります。
海外販売に役立つアプリを導入することで、効率的なサイト運営が可能に。

これらのアプリを目的に応じて選択・連携させることで、販売体験の質を向上させ、越境ECの成功率を高めることができます。
海外市場に合わせた商品戦略と価格設定
越境ECでは「何を・いくらで売るか」は、日本とまったく異なるロジックが求められます。
日本国内の感覚で商品構成や価格を決めると、現地ユーザーのニーズに合致せず、売れない…という結果に。
【よくある失敗例】
- 日本では定番のセット商品が、海外では“過剰すぎる”と判断される
- 日本円でのお得感が、ドル・ユーロ換算するとまったく伝わらない
- 人気商品が競合他社と比較して高価格すぎ、選ばれにくくなる
【成功のための視点】
- 現地の「競合分析」に基づいた価格設定(相場・送料・関税込み)
- 「現地レビュー」を元に人気商品とニーズを見極めた商品ラインナップ
- クレジットカード以外の現地で主流な決済手段を想定したプラン設定
【パコロアでできる支援】
- 商品構成と価格設計の見直し・シミュレーション
- ローカル価格戦略(価格帯別・訴求軸別)アドバイス
- 海外決済・配送モデルとの連動コンサル
販売戦略は、商品そのものより「市場の求め方」に目を向けることがカギです。
海外向けSEOとコンテンツマーケティング戦略
海外に向けてShopifyで商品を販売する際、「サイトを翻訳する」だけでは不十分です。
真の意味で現地顧客にリーチするには、その国の検索ニーズや文化的な検索行動に合わせたSEO対策と、現地市場に伝えきるコンテンツ戦略が必要です。
海外SEOは「ローカル検索行動」に合わせて最適化
たとえば「チョコレート 通販」は日本国内の検索ワードですが、アメリカでは “buy artisan chocolate online” のような表現に変わります。
つまり、単なる英語翻訳ではなく、現地の言語習慣や購買ワードを踏まえたキーワード選定が超重要。
では、どのような点に気をつければよいのでしょうか?
以下に代表的なポイントを挙げます。
- 現地語の検索ボリューム調査(GoogleキーワードプランナーやSEMrushなどを活用)
- ローカルの競合調査(Shopifyストア or Amazon, Rakutenなど)
- Googleだけでなく、Baidu(中国)、Naver(韓国)なども意識
また、タイトルタグやメタディスクリプション、URLスラッグのローカライズも重要です。
言語だけでなく、
「どんな単語がクリックされるのか」
「どんな表現が信頼されやすいか」
を意識しましょう。
コンテンツマーケティングは“あえて売り込まない”がカギ
越境ECにおけるコンテンツとは、ブログや動画、SNS投稿、商品説明などを含みます。
重要なのは「買わせる」よりも「共感」や「信頼」を得る内容にすること。
たとえば下記などがあります:
- 使用シーンに即したライフスタイル紹介
- 製品にまつわるストーリー(産地、職人技など)
- 「現地の生活でどう役立つか」という視点でのFAQやレビュー紹介
- 文化的な“あるある”や課題を拾うSNSキャンペーン
海外向けSNS活用のポイント
「SEOで集める」+「SNSで育てる」ことが最強の組み合わせです。
ShopifyならInstagramやFacebook、Pinterestとの連携が簡単なので、ビジュアルを重視する商材(アパレル、雑貨、コスメ等)と大変相性が良いです。
具体的には、
- ターゲット国ごとの人気ハッシュタグをリサーチ
- 現地のインフルエンサーとのコラボ(日本より手軽な場合も)
- 商品紹介よりストーリー重視の投稿が効果的
などでファンの共感や信頼を獲得し、ブランドへの愛着を高めることができます。
▶補足:アプリ「Plug in SEO」「JSON-LD for SEO」などを使えば、構造化データやタイトルタグ最適化もスムーズにできるのでおすすめです。
現地カスタマーサポートとローカライズの実務
海外販売において、「多言語化されたECサイトがあればまずはOK」と考えていませんか?
実際には、現地ユーザーの信頼を得るためのカスタマーサポートと、徹底したローカライズが成功のカギを握ります。
実は、日本のように「お問い合わせフォームで翌営業日に対応」では、海外ユーザーには冷たく・不安に感じられることも。
たとえば欧州や北米では、チャット対応や即時返信メールが一般的。
対応が遅いと、返品・キャンセルやSNSでのネガティブ拡散にも直結します。
【カスタマーサポートを強化する具体策】
- 自動翻訳+人力レビューで現地語の正確な返信テンプレートを整備
- Shopifyアプリ「Gorgias」や「Tidio」など、チャットボット連携も活用
- FAQページは現地言語&検索キーワードに対応
- 外部カスタマーサービス代行業者の活用(北米・欧州に特化したBPOなど)
また、「翻訳したら終わり」ではなく、文化・宗教・ライフスタイルに合わせた“価値訴求”の最適化も必要です。
たとえば:
- 食品カテゴリ: ハラール、ベジタリアン表記への対応
- アパレル: 国によって違うサイズ基準・返品ポリシーの明記
- ギフト商材: 禁忌色・忌避モチーフの配慮(中国では白・時計NG など)
▶ 実践ポイント:
- 商品名や説明文だけでなく、バナーやCTAの文化的ニュアンスにも注目
- 各国ホリデーに合わせたキャンペーン表現(例:Black Friday、Ramadanなど)
- 「ローカルレビュー」や現地ユーザーのSNS投稿を導入し“地域感”を演出
なにより、現地決済と配送も“体験の一部”です。
サポートとローカライズが購入体験全体と不可分だとの認識が重要です。
Shopifyで設定可能な、海外決済(PayPal、Klarna、iDEALなど)に加え、ローカル物流・関税表示まで含めた導線設計が必要です。
【パコロアができること】
私たちは、ただ翻訳やフォーム対応を整えるだけではなく、
- カスタマー対応テンプレートの設計・運用
- 多言語チャットシナリオの構築
- 文化背景に基づく言葉選び・画像提案
など、“売るための言葉”と“現地との接点”のプロとして支援しています。
海外集客では、EC単体ではなく海外向けWebサイト全体の役割整理も重要です。
→ 海外向けWebサイトはありますか
各国の法規制・文化差に基づく販売戦略
「海外販売=世界に一気通貫」は幻想です。
国ごとに異なる法規制・文化・消費者意識を理解し、それに沿った戦略を立てることが、Shopifyでの成功率を大きく左右します。
法規制は“国ごとに把握”が基本
越境EC運営で気をつけるべき法的リスクには以下のようなものがあります:
【EU(ヨーロッパ連合)】
- GDPR(個人情報保護)への対応が必須
- VAT(付加価値税)の明確な表示義務
- クーリングオフ制度が厳格に運用されている
【アメリカ(北米)】
- 州ごとに異なるSales Tax(消費税)の計算が必要
- 製品ラベル(原材料や警告文など)の表示義務あり
- 返品ポリシーは明示されていないと信頼を失いやすい
【アジア圏(中国・東南アジアなど)】
- 成分表示や原産地表記に関する規制
- コスメや食品は登録制・輸入制限がある場合も
- 関税コード(HSコード)やインボイスの記載が求められるケースもある
▶ Shopifyでは、「Shopify Markets」などを活用し、国ごとの表示内容や税制設定が可能です。
ただし完全ではないため、専門家監修のもと、法対応ページ(プライバシーポリシー、返品規定など)を調整しましょう。
文化や商習慣の差も“購入意思”を左右する
たとえば日本と比べた以下のような違い、知ってましたか?
- 北米: セール・送料無料文化が強く、レビュー重視
- 中国: モバイル中心、決済はAlipay・WeChat Payが主流
- 中東: 商品イメージに宗教的配慮必須、女性向け商品は慎重な打ち出し
▶ 一部の文化は、ビジュアルデザインやキャッチコピー、配送方法にまで影響を及ぼします。
各国の戦略設計のコツ
【実践ポイント】
- ターゲット国の消費者インサイトは、Googleトレンド+SNSモニタリングで調査
- Shopifyテーマはグローバル対応テンプレートを選択(例:Prestige、Impulseなど)
- 各国で実績あるShopifyアプリを活用(レビュー表示、言語・通貨切替など)
- 価格表示:税込/税抜・為替変動への対応も忘れずに
【具体的成功例】
- 北米向けアパレルブランド: サイズ表記をUS基準+返品条件明記 → 売上120%UP
- EU向け食品ブランド: アレルゲン表記対応+GDPRチェック → 広告承認通過率向上
- ASEAN向けコスメ: LINE活用+商品説明を多言語動画化 → CV率が2倍に上昇
越境ECでは、販売戦略だけでなく、国ごとの制度やリスク管理も欠かせません。
→ 海外進出のリスク管理は考えていますか
【パコロアができること】
パコロアでは、各国の法文化を理解した“越境ECコンテンツ戦略の立案”が可能です。
Shopifyの「構築」だけでなく、「文化背景×販売戦略」に強みを持っており、
- 国別に最適化したランディングページ設計
- 商品の見せ方やストーリー展開のローカライズ
- 購入率を高める導線設計
…など、「その国で売れる」仕組みを一緒に作ります。
Shopifyで成功した海外販売の事例紹介
HORIBA(フランス)精密機器業界でもECでグローバル展開

計測機器や環境分析装置などの精密B2B製品を展開するHORIBAは、Shopifyを使ってECチャネルの構築を実現。
特に製品カタログの多言語化と導入事例や技術サポート情報の可視化に重点を置いた設計が特徴です。
B2B製品は「スペック・信頼性・カスタマイズ性」が重視されるため、EC導入に慎重な企業も多い中、
HORIBAはECを「販売窓口」ではなく「技術営業のデジタル強化ツール」と位置づけ、
Shopifyの柔軟な構成・翻訳アプリ・資料DL機能を駆使して、見込み顧客の育成(リードナーチャリング)にも成功しています。
▶ 学びポイント:
- B2BでもEC活用できる(商談前段階の「情報提供型EC」)
- Shopifyなら複雑な製品仕様も多言語で整理・表示が可能
- 営業資料やPDFカタログDLとの連携も容易
▶ちなみに:アメリカではこんな事例も:

アメリカの干し草ネット販売企業「Hay Chix」では、女性経営チームがB2B向けに輸出販売を展開。
ニッチな分野でもブランドストーリーの明確化とSNS活用によって、Shopifyで成功を収めています。
このように、B2Bでも業種に関係なく、ECの導入余地は広がっていることがわかりますね!
Christy Dawn(米国)サステナブルを軸にしたアパレル越境ECの好事例

アメリカ・ロサンゼルス発のアパレルブランド「Christy Dawn(クリスティ・ドーン)」は、オーガニックコットンやデッドストック生地を活用した、サステナブルなファッションで注目を集めています。
同ブランドのShopifyストアは、ブランドの世界観を最大限に表現した設計が特徴で、ナチュラルで温かみのあるビジュアルとコピーで訪問者を惹きつけています。
特に、アメリカ国内はもちろん、日本を含む海外ユーザーにも明確なメッセージが届くデザイン構成となっており、ブランド価値の伝達に成功しています。
【再現性のあるポイント】
- 「ファッション×サステナブル」ニッチ戦略により、他社との差別化を実現
- Shopifyのテーマテンプレートを上手にカスタマイズし、ブランド世界観を構築
- 海外配送対応、関税明記、FAQ整備など、海外ユーザーにも優しい構成
- Instagramとの連携を中心としたSNSマーケティングで集客
【パコロア的視点での注目点】
Christy Dawnは制作会社に頼ることなく、Shopify上で世界観の作り込みを丁寧に行っているのが特徴です。
Shopifyの基本的な機能を活用しながらも、ブランドに必要なページ構成や配送表示などを独自で強化しており、少人数運営でも“伝わる”ECサイト運営が可能であることを示しています。
また、サステナブルやオーガニックといった価値観を強く打ち出すことで、価格競争に巻き込まれずに自社のペースで販売戦略を展開できる好例でもあります。
Houjicha Maruyoshi(日本)文化を伝える食品ECの挑戦

滋賀県にある「Houjicha Maruyoshi」は、日本の伝統飲料であるほうじ茶を専門に取り扱うブランドです。
Shopifyを使った越境ECに取り組み、海外の消費者に向けて“日本茶文化”の魅力を丁寧に発信しています。
【伝統とモダンが融合したブランド演出】
サイト全体のデザインは、和のテイストを残しつつ、動画や美しい写真を駆使して視覚的に世界観を表現。
Shopifyの柔軟なテーマ設計やマルチメディア対応の強みを活かし、商品の魅力と文化背景を印象的に伝えています。
【翻訳とローカライズにも配慮】
英語による商品説明、海外発送への対応、多言語決済など、海外ユーザーがストレスなく購入できる導線設計がなされています。
言語・通貨・発送といったShopifyの越境機能がうまく活用されています。
【食品ECならではのヒントも】
食品の越境販売は、保存や配送条件、法規制など特有のハードルがある分、丁寧な設計とブランドストーリーが鍵を握ります。
特に、「安心感」や「共感」を生むためのSNS連携や継続的な発信は、文化商材ならではの有効施策といえます。
【ブランド価値 × 海外販路の今後】
こうしたローカル商材が、オンラインで世界に認知される時代。
丁寧に設計されたShopifyサイトは、海外に向けて「日本らしさ」を発信する強力な武器になります。
越境ECは、一過性の構築ではなく“育てるプロジェクト”。
その点で、文化を背負うブランドは、戦略次第で大きなポテンシャルを秘めています。
Shopifyで海外販売を始める前に確認したいこと
ここまで見てきたように、Shopifyには海外販売に必要な機能が数多く用意されています。
しかし、Shopifyで越境ECサイトを構築できることと、その商品が海外で売れ、事業として続けられることは別の話です。
サイト制作を始める前に、少なくとも次の点は確認しておきましょう。
1.その商品は、本当に海外で買われる可能性があるか
日本で売れている商品でも、海外で同じ理由から選ばれるとは限りません。
現地に似た商品はないか、誰がどのような場面で使うのか、競合と比べて何が購入理由になるのか。
「日本で人気だから」ではなく、対象市場の顧客から見た商品価値を確認する必要があります。
また、海外で反応があったとしても、日本で想定していた用途や顧客層とは違うところに需要が見つかることもあります。
最初の商品構成や訴求を固定せず、現地の反応を見ながら修正できる余地を残しておくことも重要です。
2.送料・関税・販売コストを加えても利益が残るか
越境ECでは、商品原価だけで採算を判断できません。
- 国際輸送料
- 海外仕様の梱包費
- 関税・税金
- 決済手数料
- 返品・再発送費用
- 広告・集客費
- 多言語対応やカスタマーサポート費用
など、国内ECにはない、あるいは国内より大きくなるコストがあります。
「売れる価格」と「利益が残る価格」の両方が成立するかを、サイト構築前に確認しておく必要があります。
3.そもそも、その国へ問題なく販売できるか
商品によっては、海外から注文を受けられる状態にしただけでは販売できません。
食品、化粧品、医療・健康関連商品、電気製品などをはじめ、国によって輸入規制、成分・ラベル表示、認証、個人情報保護など、さまざまなルールがあります。
注文が入ってから「輸出できない」「現地で販売できない」と分かるのでは遅いため、対象国を決めた段階で確認しておきましょう。
4.海外顧客が安心して買える購入環境を用意できるか
商品に魅力があっても、購入までの途中に不安があれば顧客は離脱します。
現地で一般的な決済方法が使えるか、送料や関税はいくらなのか、いつ届くのか、返品できるのか。
海外顧客にとっては、こうした情報も商品を買うかどうかを判断する材料です。
Shopifyの機能を導入することより、「この国の顧客なら、どこで不安になるか」という視点から購入導線を確認することが重要です。
5.売れた後の対応を続けられる体制があるか
越境ECは、サイトを公開して終わりではありません。
注文が入れば、発送、問い合わせ、配送トラブル、返品、返金などへの対応が始まります。
さらに、商品情報の更新、為替や送料の見直し、広告やSNS、SEOなどの集客施策も継続する必要があります。
誰がどこまで担当するのか、社内で対応できない業務を誰に任せるのかまで決めておかなければ、売上が増えるほど運用負担が大きくなることもあります。
そして、ここまで確認した結果、必ずしもShopifyによる自社ECが最初の選択肢になるとは限りません。
商品や市場によっては、海外ECモール、現地代理店、既存の販売プラットフォームなどから始めた方が、低いリスクで市場を検証できる場合もあります。
大切なのは「Shopifyでどう売るか」を考える前に、「自社はこの市場で、どの方法なら事業として販売を続けられるのか」を確認することです。
Shopifyは海外販売の「仕組み」であって、海外戦略そのものではない
Shopifyは、中小企業が自社で海外販売を始めるための非常に便利な仕組みです。
多言語表示、海外決済、通貨対応、配送設定など、以前なら多額の費用をかけなければ実現できなかった海外向けECの環境を、比較的短期間で構築できるようになりました。
しかし、
- Shopifyでサイトを作れること
- 海外から注文が入ること
- 継続して利益の出る海外事業になること
は、それぞれ同じことではありません。
例えば、海外からアクセスが集まっても購入されなければ、価格や商品、伝え方、購入導線などに原因があるかもしれません。
注文が入っても利益が残らなければ、価格設定、物流、販路そのものを見直す必要があります。
さらに、一定の売上が出ても、問い合わせや返品対応、広告費、社内の運用負担が大きすぎれば、事業として続けることが難しくなる場合もあります。
つまり、Shopifyの海外販売で本当に考えたいのは、「どうやってECサイトを作るか」だけではありません。
「誰に、何を、いくらで、どのように売り、どうすれば継続して利益を出せるのか」
という海外事業全体の設計です。
その結果としてShopifyが最適なら、Shopifyを使えばよいですし、別の販路から始めた方がよければ、最初からShopifyにこだわる必要もありません。
海外販売では、ツールから事業を考えるのではなく、自社が目指す海外事業から逆算して、必要なツールや販路を選ぶことが重要です。
→ 海外進出を検討するとき、中小企業は何から整理すべきか?【判断整理ガイド①】
パコロアでは、Shopifyの制作前に必要になる、海外市場の選定、商品・価格・販路、Web集客、物流、規制、運用体制などを含め、「海外で事業として成立させるには何を整理すべきか」という視点から支援しています。
「Shopifyを始めるべきか迷っている」
「すでに海外販売を始めたが、思うように売上につながらない」
「売れてはいるものの、この方法を続けるべきか判断できない」
という場合は、まずは30分の無料相談をご利用ください。