でも、備えておかないと、気づかないまま“つまずく”ことが多いのも事実なんです。


具体的にはどのような能力が必要になりますか?
まずは貿易実務です。
例えば、海外の取引先に送る見積書やインボイス(請求書)。
これ、社内の誰かが「前の書類の通り、なんとなく」でやってると、あとで税関トラブルになったり、支払いが遅れたりします。
??、そんなことで?
はい。貿易って、決まりごとがとても細かい世界。
でも、逆に言えば“正しい型”を知っていれば、怖いことはないのです。
英文書式の整備、インコタームズの理解、輸送と決済のルールづくり
──これが整えば、海外と直接取引しても、変な誤解は起きません。
貿易実務の全体像が分からないまま進めると、どこでミスが起きるのかすら把握できません。
まずは基本の流れを整理しておきましょう。
→ 貿易実務の基本とは?初心者が最初に知るべき流れと知識まとめ
なるほど。
実務のルールを知らないと、自信がないまま進めがちなんですね。
こうしたルールを曖昧なまま進めてしまうと、利益が出ない取引になってしまうこともあります。
→ 輸出で利益が出ない8つの理由|中小企業がやりがちな落とし穴と改善策
そうなんです。
そして次に必要なのが「伝わる」ビジネス英語です。
ビジネス英語??
私、英語は苦手ですが・・・
英語力そのものよりも、「どう伝えるか」で結果が変わる場面は非常に多いです。
→ 海外進出で伝わる英語が話せますか
英語と言っても、学校英語じゃないんです。
“伝わる”っていうのは、「相手が何を重視してるか」をくみ取って、それに合わせて提案できる力。
実務で通じるかどうかが大事なんです。
例えば海外から、長文ラリーのすえに、こちらの質問にまったく答えていないメールが返ってきて、「これ、次なんて返すのが正解なんだ……?」って悩むこと、よくあります。
それに、相手からのメール文面も、局面によってカジュアルだったり、やたら丁寧だったり。
返信すべきトーンを読み間違えると、その後のやりとりを大きく変えてしまいます。
実際のやり取りで起きがちなズレや誤解については、こちらで具体的に整理しています。
→ 海外メールで誤解される日本語10選|なぜヒアリング・すり合わせが通じないのか
わ、めんど……いや、大変ですね。
大変ですが、逆に言えば“使い分け”ができるようになると強いんですよ。
言葉の裏にあるニュアンスをくみ取ることで、相手との距離感が一気に縮まります。
となると、翻訳ソフトじゃ無理ですね。
翻訳ソフトも使えますが、前後の文脈や、微妙なニュアンスを反映させていない英語をそのまま送ってしまうと、ピタと、先方から返事が来なくなります。
無料アプリは長文の要約には便利ですが、実際の新規開拓の営業メールにそのままでは使えないんです。
交渉の現場では“行間を読む”力が命です。
そしてそれを助けるのが、3つ目──異文化適応力です。
異文化適応……ちょっと漠然としてます。
一番やっかいで、一番面白いのが、異文化適応力です。
たとえば、日本では、担当者ベースで細かくすり合わせながら進めるのが一般的ですが、
ある国では「決定権を持つ人しか話す意味がない」と思われて、
初回の打ち合わせで担当者が出るだけで
「あ、この会社は本気じゃない」と誤解されてしまうこともあるんです。
えっ…それだけで印象悪くなるんですか!?
なります(笑)
逆に、日本の感覚で「まずは現場同士で細かく相談してから、上にあげて…」と進めると、
相手は「この話はずっと本題に入らないな」と思って離脱してしまうことも。
さらに、日本では“察してフォロー”が美徳でも、海外では言わないことは「気にしてない」と受け取られます。
たとえば、こちらが納期の遅れを内心ハラハラしながら我慢してたら、「(日本側は)大丈夫だと思ってるようだ」と思われて、結局トラブルになるとか。
まさか、黙ってるだけでそう思われるとは…。
文化の違いって、無意識のうちにすれ違いを生むんです。
だから「こう伝えたつもり」が「そう受け取られていない」ことに、早く気づけるかどうかがカギなんです。
でも、文化の違いを理解して対応できれば、むしろ強いです。
そして、この能力は、放っておいて自然に身につくものじゃありません。
きちんと学んで、現場で意識してこそ「適応力」に変わるんです。
こうしたズレは、個人の問題ではなく“前提の違い”から生まれます。あらかじめ知っておくことが重要です。
→ 日本と海外マーケティングの違い5つ|意思決定・広告・消費行動を比較
ということで、
海外進出を目指す企業に必要なの3つの力
- 「貿易実務」
- 「ビジネス英語」
- 「異文化適応力」
のうちの1つ目、まずは貿易実務について学んでいきます!