*本記事は、2023年10月に公開された『海外進出に強い!おすすめコンサルティング会社16選』の記事内で触れた「コンサル選びの注意点」について、より詳しく解説したスピンアウト記事です。
コンサル比較の前に、「そもそも自社に合うコンサルとは何か?」「任せすぎで失敗しないための注意点は?」など、見落としがちなポイントを整理しました。
まだ比較記事をご覧になっていない方は、ぜひ以下の記事もあわせてご参照ください。
海外進出に強い!おすすめコンサルティング会社16選|目的・国別に比較解説
どんな海外進出コンサルを選ぶべきか、迷っていませんか?
「海外に進出したいけど、何から手をつけていいかわからない…」
そんな不安やモヤモヤを抱えたまま、情報収集だけが進んでしまっていませんか?
実は、多くの中小企業が、海外展開を検討する段階でつまずいてしまうポイントがあります。
「どの国を狙うべきか」
「うちの強みは海外で通用するのか」
「リスクは?法規制は?」
といった疑問に対し、全体像が見えないまま動き出すケースが少なくありません。
そんなときに頼れるのが、“海外進出コンサルティング”という存在です。
これは単なるアドバイスではなく、限られたリソースで成果を出すためのパートナー。
日本企業特有の強みや課題を理解し、現地市場とのマッチングや実行支援を通して、成功までの道筋を共に描いてくれる専門家です。
手探りで進めるよりもずっと速く、そして確実に。
正しく活用すれば、あなたの海外ビジネスの「迷い」は「確信」に変わります。
なぜ海外進出がうまくいかないのか?
海外進出を考える中小企業が最初につまずくのが、
「どのコンサルを選べばいいのか」
「どこまで任せればいいのか」
という点です。
よくあるのは、ネット検索やまとめサイトの情報を頼りに、「実績が豊富そう」「相談が無料」「サイトが詳しい」などの表面的な条件だけで依頼先を決めてしまうパターン。
でも実は、この最初の選択こそが海外展開の成功・失敗を大きく左右します。
というのも、海外進出の世界では、コンサルタント側と企業側の情報格差(非対称性)がとても大きいのが現実。
そのため「最初に出会った1社」が、自社の課題に合っているとは限らないんです。
1. 成功する企業は“全体設計”から入っている
多くの企業は「まず展示会」「まず代理店探し」と、局所的に進めてしまいますが、海外進出はパーツの積み重ねではなく“全体設計”から始めるべきプロジェクトです。
「どの国で、何を、どの手段で売り、いつ黒字化を目指すのか」
このストーリーが描けないまま進めてしまうと、後から施策がバラバラになり、かえって失敗しやすくなります。
2. 海外で「自社ができること」を正しく見極めるには?
まず、「何がしたいか」ではなく、「何ができるか」を軸に整理しましょう。
具体的には次の3つです:
- 商品・サービスの特性
(競争力・独自性・ローカライズのしやすさ) - 人的リソース
(現地対応できる社員の有無、語学スキル) - 投資体力・スピード感
(どこまでコストをかけられるか、いつまでに成果を出したいか)
これらを踏まえたうえで、海外進出の方法(投資型/販路開拓/インバウンドなど)を決める必要があります。
3. 「現地に行けばなんとかなる」は危険!
実際に現地に足を運ぶことは大切ですが、それだけで成功するわけではありません。
- 法規制や商習慣を理解していなければ、せっかくの人脈も活かせない
- 現地に行っても「誰に会い」「何を聞き」「どう判断するか」が曖昧だと、時間とコストばかり消費してしまう
「現地視察=進出準備」ではなく、「準備あっての現地視察」なのです。
4. 海外進出に必要な4つの能力、足りてますか?
海外展開に挑む企業に求められるのは、次の4つの力です。
- 新規事業を立ち上げる力
- リスク管理の力
- 異文化への適応力
- ビジネス英語力
国内ではそれほど重視されていなくても、海外ではこの4つが前提条件。
つまり、「今は足りていないけど、これから身につける」と決めておかないと、最初の一歩からつまずいてしまいます。
5. 自社の“仕組み”自体を見直す必要も
海外で成果を出すには、単に「能力」を身につけるだけでは不十分です。
以下のような点も大きく修正していく必要があります:
- ビジネスモデル
- 社内体制
- 交渉力・営業体制
- 販促ツール(Web、資料など)
「国内向けのやり方を英訳しただけ」では、海外市場ではまったく通用しないのが現実。
コンサル選びにおいても、こうした仕組み面まで一緒に見直してくれる会社を選ぶ視点が必要です。
6. コンサルに丸投げしてはいけない理由
海外コンサルに「とりあえずやってもらう」スタンスで臨んでも、成果は出にくいです。
なぜなら、コンサルはあくまで“伴走者”であって“代走者”ではないからです。
自社側が目的や前提条件を明確に持たないまま丸投げしてしまうと、方向性がズレたまま進行してしまい、「頼んだのに失敗した」という結果に…。
7. 経験が豊富=安心、ではない?
実績豊富なコンサルでも、「あなたの会社の”伴走者”として合っているか」は別問題。
たとえば:
- 海外投資を目指していたが途中で計画変更し、輸出やインバウンドに切り替えた
- 越境ECだけの予定だったが、リアル店舗での展開が必要になった
こうした戦略の変化に柔軟に対応できる“横断型の支援力”は、実は限られたコンサルしか持っていません。
「得意な業界」「対応できる国」だけならWebサイトを見れば分かること。
でも本当に見るべきなのは、「事業フェーズの変化にどう寄り添ってくれるか」です。
特に中小企業では、進出の途中で「最初の仮説が崩れる」ことは決して珍しくありません。
だからこそ、最初から「実績の数」ではなく、
“変化にどう寄り添ってくれるか?”
という視点でコンサルを選ぶことが、成功への確かな布石になるのです。
8. だから、“視点”を変えてみよう
ここまで見てきたように、海外進出では多くの企業が「知識・準備・パートナーの選び方」において思い込みやギャップを抱えています。
だからこそ、「このコンサルは有名だから」「なんとなく良さそうだから」という感覚ではなく、
“自社に足りないもの”を出発点にコンサル選びを見直すことが、成功への第一歩なんです。
次に紹介する「選定時のチェックリスト」を使えば、その判断がグッと楽になります!
海外進出コンサルを選ぶための“保存版チェックリスト”
海外進出コンサルタントの選定は、単なる“パートナー探し”ではありません。
それは、「自社の未来を託す選択」であり、方向を誤れば数百万円単位の損失にもつながる決断です。
コンサル選びで後悔しないために、以下の項目をひとつずつ確認してみてください。
このチェックリストは、あとで見返す用に保存しておくのがおすすめです!
【戦略理解・準備フェーズ】
- (1)自社でも、海外進出の全体像をある程度理解しておく。
- (2)コンサル各社には、「自社の不足している能力・リソース」を軸に提案を依頼する。
- (3)支援内容は「何を・どこまで・どうやって」なのかを、時間軸とプロセスで具体的に説明してもらう。
- (4)自社が成功するためのビジネスモデルについて、コンサル側の視点から解説してもらう。
【スキル・体制とのフィット確認】
- (5)自社に不足する能力が「外部支援で本当に補えるか」を事前に確認する。
- (6)支援内容と費用に含まれる項目・含まれない項目を、書面で明確に確認しておく。
- (7)なぜ民間コンサルを選ぶのか、公的機関との違いを説明してもらう。
- (8)支援終了後、自社単独で海外展開を継続できるのか、その根拠を提示してもらう。
- (9)自走が難しい場合の「誰が・どのように・何をすれば続けられるか」についても確認しておく。
【リスク・冷静な評価】
- (10)海外進出のメリットが、本当にデメリットを上回るかを冷静な視点で説明してもらう。
- (11)想定されるリスクを最低10件、具体例つきで共有してもらう。
- (12)コンサル側ではなく、企業側の準備不足で失敗した事例も確認しておく。
【契約・継続の仕組み確認】
- (13)コンサルの支援が「自社では到底できなかった」と思える価値がなければ、途中解約できる契約形態にしておく。
- (14)コンサルの既存ネットワークに依存するのではなく、自社の海外ネットワークづくりに伴走してくれるかを確認しておく。
このリストをもとに、自社に合った“本当の伴走者”を選びましょう。
次の章では、選定の具体的ステップとおすすめコンサル会社の情報をご紹介します。
迷わないコンサル選びの次の一手は?
ここまで読み進めたあなたなら、もう「とりあえず実績がある会社」ではなく、
“自社の戦略や課題に合ったパートナー”を選ぶべき理由がはっきり見えてきたはず。
でも、実際に探し始めると…
- 展示会や輸出支援が強い会社もあれば
- ブランディングやWeb展開に特化している会社もあり
- 「現地法人立ち上げ」まで対応できる会社は一部に限られる…
と、選択肢が多すぎて迷ってしまうのが現実です。
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