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海外進出に必要な費用一覧(海外販路開拓編)

更新 2026年4月8日 公開 2021年10月25日
小川 陽子

著者紹介 :小川 陽子 (代表取締役)

著者プロフィールを見る

Business meeting between engineers discussing overseas expansion strategies and associated costs.
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今日は、海外進出に必要な費用をざっくり知っておきたいんだ。

海外進出を検討している方向けに、「最初にやるべきこと」を整理した無料チェックリストをご用意しています。

・何から始めるべきか
・どの方法を選ぶべきか
・最初の1年で何をするのか

を具体的に整理できます。

最初の5ステップチェックリスト【無料DL】
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予算立ての第一歩ですね。

事前に把握しておくことで、資金繰りやスケジュールがかなり変わってきます。

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以前、ある勉強会で「3年間で500万円くらいかかる」と聞いたことがありまして…

それを社長に伝えたんですが、

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その数字、あながち間違いじゃないです。

でも、「何に」「どのタイミングで」「いくら」かかるかは、進出の形によって大きく異なるんです。

特に、市場調査・法人設立・現地営業・人件費などの費用は、どの国や方法を選ぶかで変わってきます。

ここでは、海外進出にかかる費用の内訳を、段階別・目的別にわかりやすく整理しています。

「はじめての海外展開」ならどのくらいかかる?「本格的に進出する」なら何を準備すべき?

――そんな疑問にお応えします。

海外進出にかかる費用は「販路開拓方法」で大きく異なる

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EC型と営業型で必要な費用の構造はどう変わる?

海外進出と一口に言っても、実行方法によってかかる費用は大きく異なります。

特に、

  • 越境ECを使ったオンライン展開
  • 海外展示会や海外営業による対面型の販路開拓

は、それぞれ必要となる費用の性質も金額も変わってきます。

【越境EC型】

  • 費用目安:10万〜50万円程度
  • 主な内容:モール出店費用、自社ECサイト構築費用、SNS・動画などの情報発信ツール整備
  • 特徴:オンライン完結のため、渡航費や通訳費などが不要

【海外展示会・海外営業型】

  • 費用目安:50万〜100万円/回
  • 主な内容:展示会出展費、渡航費、宿泊費、通訳費、資料制作など
  • 特徴:商談の確度が上がるが、物理的コストが高くなりやすい

オンライン対応のみで進める場合、現地出張費や代理店訪問のコストは抑えられます。

ただし、越境ECにも、ホームページやYouTube動画制作、SNS整備などの「見えにくい初期投資」が必要になります。

Comparison chart of estimated costs by activity for initial and full-scale overseas expansion.
図:海外進出の進行段階別に必要となる主な活動と費用の目安
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「試しにやってみる段階」と「本格進出」では何が違う?

以下の2つの進出レベルで、費用感は大きく変わります。

初めての海外展開(試験的導入)

  •  補助金を活用しながら、越境EC出店やスポット商談を試す
  •  年間50万円前後で可能なケースもあり

本格的な海外展開(販路拡大期)

  • 現地展示会への継続出展や、海外代理店開拓を進める
  • 法人設立、社員配置、現地オフィス維持などで3年間で500万円規模になることも

B2CとB2Bで違う?海外販路の作り方と費用感

B2C商材(消費財)の場合、越境ECと展示会の組み合わせが王道です。

  • まずは越境EC立ち上げ、直販・テストマーケティング
  • 販売反応を見ながら、海外代理店・小売店を開拓

越境ECは、単なる販路というより「世界にブランドを伝えるショーケース」として機能します。

一方、B2B商材(生産財)では、次の2パターンが主流です。

産業機器や部品などのB2B商材は、ニーズの調査や仕様調整が必要なため、展示会出展や業界特化の取引先探索が不可欠です。

そのために、多言語対応のコーポレートサイトを整備し、検索エンジンでの可視性を高め、引き合いが生まれやすい環境をつくることが重要です。

ニッチな商材であれば、海外向けの検索結果上位に出るだけで、問い合わせが入ることもあります。

ただし競合が多い業界では、それだけで販路を開拓するのは難しく、リアルな営業活動や海外展示会出展が必要になります。

越境ECは「低コストの選択肢」だけではない

近年の流通構造の変化により、「越境ECを選ばないと販売が成り立たない」B2C商材も増えています。

日本製品は品質が高い分、価格も高くなりがちです。

そこに代理店や小売店のマージンが加わると、エンドユーザー価格が高くなってしまい、現地での販売に苦戦するケースが少なくありません。

そのため、「卸売をせず、越境ECで直接販売する」戦略を選ぶ企業も増加しています。

一方で、すでに代理店との契約がある企業では、越境EC展開を検討する際に既存の販売網との“交通整理”が必要になることもあります。

現在は「直販と卸売が併存する流通の過渡期」。

商品や価格、販売戦略に応じて、最適な販路構築方法を選択する必要があります。

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このあたりで多くの企業が、「何から始めるべきか」で手が止まります。

費用や方法は分かっても、自社に合う進め方が整理できていない状態です。

そのまま進めてしまうと、途中で止まるリスクが高くなります。

まずは、自社に合う進め方を整理してみてください。

【最初の5ステップチェックリストをダウンロード(無料)】

海外進出が軌道に乗るまでには、通常1~3年かかる

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なぜ1年では足りないのか?

海外進出は、数か月〜1年で成果が出るような短期プロジェクトではありません。

特に中小企業の場合、次のような「整備」と「適応」に時間がかかるため、1年以内に事業を軌道に乗せられるケースはまれです。

これらがすでに社内に整っていれば、1年での立ち上げも可能ですが、実際には多くの日本企業が準備・適応・修正に数年かけています。

3年間で費用はどう変化していくか?

海外事業は、スタートしてから軌道に乗るまでにおよそ1〜3年を要することが一般的です。

その間、費用の使い方やかかる金額も、年次ごとに大きく変化していきます。

以下は、中小企業が

「はじめて海外進出に取り組み、3年後に安定稼働を目指す」場合の、

費用の推移イメージです。

【1年目:市場調査と試行の年】

  • 主な費用項目:市場調査費、越境EC出店費、補助金を活用した展示会出展費、スポット渡航費
  • 費用規模の目安:30〜50万円(補助金ありの場合)
  • この年の目的:現地の反応を知り、社内体制を整え始める

→ リスクを抑えながら「やってみる」フェーズ。
 補助金が活用できると費用は抑えられる。

【2年目:販路構築と仕組みづくりの年】

  • 主な費用項目:代理店候補との商談・渡航費、契約支援、翻訳・通訳費、Webサイト強化、物流確認
  • 費用規模の目安:100〜200万円
  • この年の目的:販路の「芽」を見つけ、長期関係に向けた仕組みづくりを進める

→ 現地対応の解像度が高まり、支出も徐々に本格化。

【3年目:事業運営の定着と強化の年】

  • 主な費用項目:販促活動(広告・SNS・動画)、現地法人設立費、人材採用費、運営費、契約管理
  • 費用規模の目安:200〜300万円
  • この年の目的:売上の安定化、持続可能な運営体制の確立

→ 一時的な成果ではなく、「事業」としての形を固めるフェーズ。

このように、海外進出用の費用は一律に増えるわけではなく、「段階に応じて中身が変化していく」のが特徴です。

そのため、単年でのコスト判断ではなく、中長期を見据えた投資と回収の設計が求められます。

補助金だけに頼る海外展開は続けられるか?

補助金を活用して、毎年海外の展示会に出展する

――こうした“補助金頼み”の海外展開を繰り返す企業は、決して少なくありません。

たしかに、補助金は有効なスタートダッシュの手段です。

しかし、そのやり方にはいくつかの限界も存在します。

メリット

  • 費用負担を抑えて海外活動を開始できる
    → 特に「初めての海外展開」では心強い存在。
  • 行政による支援を受けながら活動できる 
    → 海外展示会出展や渡航に対して、1/2~2/3の助成が得られる場合も。

限界・リスク

  • 補助金は「非連続性のある予算」
    → 継続性が求められる海外進出とは、本質的に相性が悪い。
  • 戦略やスケジュールが補助金に縛られる
    → 公募時期や審査スケジュールに合わせて活動する必要があり、自社の意思決定が制限される。
  • 同じ目的での連続採択は難しい
    → 年度ごとに制度内容が変わることが多く、「今年も通る」とは限らない。
  • 社内の予算化・体制整備が後回しになる
    → 自前で走れる力をつけられず、「準備段階」から抜け出せない。
  • 「やりたい時にやれない」「やめたい時にやめられない」
    → スピード感や戦略性が損なわれ継続的なビジネスが厳しい。

結論:補助金は“追い風”として活かす

  • 頼りきりになると、本来の目的だった“自走できる海外展開”が遠のいてしまう危険もある。
  • 海外展開を継続し、自走するためには、「自社予算」で動ける状態を早期に築く必要がある。

初めての海外展開では「試す」ことが最優先

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なぜ「試す」フェーズが重要なのか

海外市場では、日本国内と異なる商習慣・嗜好・競合環境に対応する必要があります。

この段階で重要なのは「いきなり成果を求める」ことではなく、以下のような“試行と検証”を通じた学びです。

  • 海外でのニーズや反応を検証する
  • 商品やブランドの見せ方、伝え方を最適化する
  • 初めての顧客・パートナーとの接点を持つ
  • 現地の文化や言語、ビジネス習慣に慣れる

このように「まず試してみる」ことが、次のステップ=本格展開に進むための土台となります。

実際、海外企業も同じように時間をかけています。

たとえば、以前ドイツの家族経営ワイナリーを訪問した際、4年後に日本の食品展示会「FOODEX JAPAN」で偶然再会。

「何度も出展しているが、そう簡単には売れない。でもまた出展するよ」とオーナー自らブースに立って語っていました。

海外企業といえども、継続的な挑戦を通じて市場を切り拓いているのです。

初めての海外展開でよくある活動例

実際の活動は、予算や商材特性により異なりますが、代表的な初期ステップは以下の通りです。

  • ShopifyやAmazonなどで越境ECを立ち上げる
  • SNSやYouTubeなどで情報発信を始める
  • 行政主催の海外展示会に出展する
  • 現地候補企業との初回商談に臨む(補助金活用あり)

こうした一連の取り組みを通じて、少額の費用で“仮説検証”ができることが、初期フェーズの魅力です。

補助金は“きっかけ”としては非常に有効

この初期フェーズでは、補助金などの行政支援を上手に活用することで、挑戦へのハードルを下げられます。

  • 費用の1/2〜2/3を補助してもらえる支援制度が多い
  • 特定の展示会や渡航目的に限定されるが、初心者向き
  • 採択には審査があるため、確実ではない点には注意

あくまでも“追い風”として補助金を使い、主体的な展開姿勢を持つことが成功のカギです。

「試す」だけでは終われない──本格展開との違い

初めての海外展開では、“障壁を見つける”ことが主目的です。

一方、本格展開では、それを“乗り越える”段階に進みます。

初めての海外展開と、本格的な海外展開の違いは下記の通りです。

【初めての海外展開】

  • 目的: 仮説検証・市場の理解
  • 姿勢: 小さく始めて、まずは学ぶ
  • 予算: 少額(補助金を活用することが多い)
  • 成功の定義: 海外の反応が得られたか、学びがあったか

【本格的な海外展開】

  • 目的: 収益性のある事業の構築
  • 姿勢: 継続・拡大が前提
  • 予算: 自社負担が増え、長期的な投資が必要
  • 成功の定義: 安定的な売上や利益、持続可能な事業体制の構築

本格的な海外展開で、商品と会社は“次のステージ”へ

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初めての海外展開から、いよいよ本格展開へ。

この段階では、年間で50万〜300万円ほどの追加投資が必要になることが多く、少なからず経営判断を伴います。

でも、こう思われるかもしれません。

  • 「本当にそこまでの費用が必要なのか?」
  • 「うちの会社にとって、そこまでやる意味があるのか?」

その疑問に、正面から答えたいと思います。

なぜ本格展開にコストがかかるのか?

日本市場と海外市場とでは、「前提」がまったく違います。

国内なら通用する商品・価格・商習慣が、海外ではそのまま通用しない

――という現実が、すべての企業に立ちはだかります。

そして、それに向き合わなければ、進出はできても、定着はできません。

本格展開では、以下のような取り組みが求められます:

  • 輸出入や規制への準拠
  • 知的財産の管理、国際対応(商標・意匠など)
  • 商品仕様の現地適合、言語・文化に配慮した情報発信
  • ブランド構築や競合回避のための設計や流通戦略の見直し

これらは“あれば良い”ではなく、“なければ通用しない”対応です。

海外展開の初期では、補助金を活用しながら試行錯誤する段階です。

しかし本格展開に進むなら、

「やれることをやる」から「やるべきことを選んで実行する」へと、

スタンスも変える必要があります。

本格展開で、会社も商品も進化する

本格展開の最大の価値は、売上だけではありません。

海外で売れる商品づくり、海外でも通用する社内体制、現地の顧客に伝わる言語化・ビジュアル表現

――それらを通じて、会社と商品が「強く」なっていくのです。

できなかったことが、できるようになる。
海外展開は、そのチャンスでもあります。

だからこそ、「最短3年で軌道に乗せる」ためには、戦略と意志、そして必要な費用の準備が鍵になります。

未来への切符は、目の前にあります。

あとは、どのタイミングで乗るかを、決めるだけです。

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海外進出で本当に得られるのは、

売上だけではなく、「会社と商品がひと回り強くなる」ことなんです。

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強くなる、か…。

最初は「費用が高いな」と思ってたけど、

それが“未来の成長への投資”だとしたら、考え方が変わってきましたよ。

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(社長、前向きモード…!今のうちに言っておこう)

じゃあ、そろそろ本気で、私たちも動き出してみませんか?

「まだ相談する段階ではない」という方へ

まずは、自社の進め方を整理してみてください。

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【最初の5ステップチェックリストをダウンロード(無料)】

そのうえで、具体的に進めたい場合は一度ご相談ください。

小川 陽子

著者紹介 :小川 陽子 (代表取締役)

英語英文学科を卒業後、中小メーカーの国際部で海外営業に従事後独立。27年以上にわたり、1,900社以上の中小企業の海外展開を支援。国際化支援アドバイザー、海外販路開拓アドバイザー、中小企業アドバイザー(経済産業省系組織)としても活動。

これまでに35カ国での商談・出展・調査を経験。支援対象は製造・小売・サービス・BtoB・BtoC・DtoCなど多岐にわたり、海外投資・輸出・輸入・展示会・海外SEOなど幅広く対応。

「海外進出は"急がば回れ"。場当たりではなく、"自走できるチカラ"を社内で育て、未来の世界市場で誇れる一社を目指して——今日も中小企業の現場で伴走支援を続けています。」

著者プロフィールを見る

PaccloaQ

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