海外展開について調べていると、
「まずは展示会に出ましょう」
「海外営業代行会社に任せましょう」
「越境ECを始めましょう」
といった情報を目にすることがあります。
しかし実際には、同じ方法を試しても成果が出る会社と出ない会社があります。
また、海外展開で成果を上げている企業を見ると、必ずしも大企業ばかりではありません。
一方で、国内で実績のある企業でも、海外では思うように進まないことがあります。
では、その違いはどこにあるのでしょうか。
海外展開では、販路や営業手法の前に、自社の状態が大きく影響することがあります。
本記事では、「どの販路を選ぶべきか」ではなく、「なぜ海外展開できる会社とできない会社があるのか」という視点から、その背景を整理していきます。
海外展開できる会社とできない会社の違いはどこにあるのか
海外展開というと、
「大企業だからできる」
「資金力がある会社だからできる」
と思われることがあります。
しかし実際には、社員数や売上規模だけで決まるわけではありません。
中小企業でも海外展開に成功している会社はありますし、国内で大きな実績を持つ企業でも海外では思うように進まないことがあります。
また、海外展開できる会社にもさまざまなタイプがあります。
例えば、
・海外市場では手に入らない独自の商品や技術を持つ会社
・国内市場で利益を確保しながら、新しい取り組みに投資できる会社
などです。
一方で、
「海外展開できそうならやりたい」
という考え方と、
「海外展開したいので、できる方法を考えたい」
という考え方では、その後の行動も大きく変わります。
海外展開では、展示会、代理店、越境ECなどの方法論が注目されがちです。
しかし実際には、その前の段階で、自社がどのような状態にあるのかが大きく影響します。
そのため、「どの販路を選ぶべきか」を考える前に、「自社はどのような会社なのか」を整理することも重要になります。
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海外販路の前に「国内事業の状態」が影響する
海外展開というと、展示会や代理店、越境ECなどの販路に目が向きがちです。
しかし実際には、どの販路を選ぶかより前に、国内事業の状態が大きく影響することがあります。
例えば、
・新しい取り組みに投資できる余力があるか
・人材育成に継続的に取り組めているか
・既存顧客への依存度が高すぎないか
・市場環境の変化に対応できているか
といった点です。
海外展開は、国内事業とは別の新しい挑戦です。
そのため、時間、人材、資金など、一定の経営資源を必要とします。
また、最初から思い通りに進むとは限りません。
展示会の成果が想定を下回ることもありますし、商談が長期化することもあります。
そのような状況でも継続して取り組めるかどうかは、海外展開そのものではなく、企業体としての体力や基盤、そして国内事業の状態に左右されることも少なくありません。
もちろん、国内で大きな利益が出ていなければ海外展開できない、というわけではありません。
しかし、海外展開を「今の事業を変えずに売上だけ増やす手段」と考えるのか、それとも「将来を見据えた投資」と考えるのかによって、その後の進め方は大きく変わります。
海外販路を考える前に、自社の事業は今どのような状態なのか。
まずはそこから整理してみることが重要です。
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海外展開は「商品のよさ」だけでは決まらない
海外展開を考える際、
「うちの商品は海外でも売れるだろうか」
というご相談を受けることがあります。
確かに、独自性のある商品や技術は大きな強みになります。
実際に、海外で代替が難しい商品やサービスを持つ企業は、海外展開において有利なスタートを切れる場合もあります。
しかし、商品力だけで海外展開が成功するわけではありません。
例えば、
・商品の「価値」を英語で説明できるか
・継続的に供給できるか
・問い合わせにスピーディに対応できるか
・市場の反応を受けて継続して改善できるか
といった点も重要になります。
また、日本国内で評価されている強みが、そのまま海外でも評価されるとは限りません。
逆に、日本では当たり前だと思っていた特徴が、海外では大きな差別化要因になることもあります。
そのため海外展開では、「良い商品があるか」だけではなく、「相手が評価する商品『価値』を知り、それを継続して届けられる体制があるか」という視点も必要になります。
商品力は重要です。
しかし、それだけで海外展開の成否が決まるわけではありません。
むしろ、商品力を活かせる体制や取り組みがあって初めて、海外展開の可能性が広がっていきます。
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海外展開は「変化を受け入れる会社」が進みやすい
海外展開を進めていると、当初の想定通りに進まないことがあります。
例えば、
・想定していた販路が機能しない
・価格が市場に合わない
・展示会の成果が期待を下回る
・代理店候補が見つからない
・海外顧客の反応が予想と異なる
といったことです。
こうした場面で重要になるのは、「最初の計画が正しかったか」だけではありません。
むしろ、その結果を受けて次にどう動くかが重要になります。
海外展開に取り組む企業を見ていると、
「海外展開できますか?」
という問いから始まる会社もあれば、
「海外展開したいです。どうしたらできるようになりますか?」
という問いから始まる会社もあります。
この二つは似ているようで、大きく異なります。
前者は、今の自社の状態で実現できるかどうかを確認する考え方です。
一方で後者は、実現するために何を変える必要があるのかを問う考え方です。
海外展開では、一度で思い通りの結果が出るとは限りません。
しかし、その結果を踏まえて改善し、次の打ち手を考え続ける企業は少しずつ前に進んでいきます。
つまり、海外展開を目指すのであれば、「今のままでできるか」だけではなく、「どうしたらできるようになるか」という視点を持つことが重要になります。
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海外販路は「選ぶ」のではなく消去法で残り「見えてくるもの」
海外展開を検討している企業から、
「展示会と越境EC、どちらが良いでしょうか」
「販売代理店と直接営業、どちらが向いていますか」
といった相談を受けることがあります。
しかし実際には、最初から自由に選べるケースばかりではありません。
例えば、
・商品の特性
・海外顧客との関係性
・価格帯
・必要な現地サポート体制
・社内の人材や予算
などによって、現実的な選択肢はある程度絞られてきます。
また、海外展開を進める中で、
「当初考えていた方法では難しい」
「別の方法の方が現実的だった」
と分かることもあります。
そのため、販路は最初に決めたとおりに進められる、というものでもなく、自社や海外市場への理解が深まる中で選択肢は減り、自社に合うものが少しずつ見えてくる、ということも多くあります。
だからこそ、
「どの販路が正解なのか」
を考える前に、
「自社の商品はどのように売れるのか」
「自社はどのような体制で継続できるのか」
といった様々な可能性を抽出し、複数の選択肢を並べながら、同時に自社に足りないものを視覚化することが重要になります。
自社の現実が見えた上で、それでも挑戦するか
ここまで見てきたように、海外展開は販路開拓だけで構築されるものではありません。
企業体としての体力や基盤、商品の特徴、人材、変化への対応力など、さまざまな要素が関係しています。
そして、それらを整理すると、自社に足りないものも見えてきます。
人材が不足しているかもしれません。
提案方法を見直す必要があるかもしれません。
今の事業だけでは将来の成長が見えにくいかもしれません。
その現実を見たときに、
「今は海外どころではない」
という判断もあるでしょう。それも一つの経営判断です。
一方で、
「今が挑戦する時期だったはず、それとも国内市場は縮小しないのか、次の有事に備えたいのではなかったのか」
と思うのであれば、まずは市場に出てみるしかありません。
現地顧客と話して初めて分かることや、ネット検索だけでは分からないことが多くあります。
もし、自社の将来を考えたときに海外展開が重要な選択肢になり得ると思うのであれば、それを選んで前に進めてください。
比較する相手は国内の競合ではありません。
今この瞬間も、海外市場で前に進んでいる海外の中小企業の存在を具体的に知るだけでも経営計画にはプラスになります。
一方で、「自社にとって重要なのは海外展開ではない」と思うのであれば、
海外展開以外に、自社が目指す北極星を見つけてください。
新商品開発、
人材育成、
新規事業、
デジタル化、
国内市場の深耕など、
会社を強く大きくする方法は海外展開以外にもあるはずだからです。
海外に行くか、行かないか。
どちらを選ぶとしても、その判断の先に会社の未来があります。まずは選んで前に進むことが重要です。
その積み重ねが、先の見えない将来への不安を減らし、雇用を守り、社会に価値を提供し続けることにつながっていきます。
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このページは、海外展開を検討する際の考え方を整理した「判断整理ガイドシリーズ」です。ご関心に合わせてご覧ください。
【判断整理ガイド①】 海外進出を検討するとき、中小企業は何から整理すべきか