
えーっと、、、
今日は「海外進出の方法」じゃなくて、「海外進出しない」選択についての話なんですか?
ちょっと意外だな。

はい。
現代の変化する社会構造では、「海外に出ないこと」が最強の経営判断になるケースもあるんです。

とっても残念ですけど。
それも選択肢のひとつ、ですよね。

当社は海外進出する、と決めているので(!)、
海外進出しない、と決めているなんて、逆の話にむしろ興味があります。

(ブレないなぁ、うちのシャチョウ・・・)
海外準備、実は整ってない企業が多数

さっそくですが、海外進出を考える企業向けに、診断チャートを作成しました。
「うちの会社、今どの段階?」という確認に使ってください。

ほう。

こちらです、「初めての海外進出・準備度診断チャート」です。


(売上は維持できているし、当社はニッチだし・・・)

う~ん・・・・、

・・・。

当社は、C です。

B だな

(・・・。)

コロナ後も現状維持はできてるけど、
市場の動向がまったく追い風に見えないし、競合が攻めてきたら正直キツい、かな。

(ガーン、、、)
(人員は減らしてないし、この先もダイジョウブだと思っていたのに・・)
(結構、ガーン、、、)

見方は立場によって変わりますね。

、、、ですね。

では、では、「A」から順に、会社の状態を整理します。
A判定の会社:
- 売上に陰りが出ている
- 新事業の構想がない
- 働き手の育成にも苦戦中
B判定の会社(御社の現状):
- 信用・既存顧客・現場の者たちで売上は維持
- でも、いつ競合や社会の変化で揺らぐか分からない
- 製品やコストが海外と比べて見劣りしはじめている

(そう言われると……思い当たる節、あるかも)

まあ今の時代、どの会社にも多少なりとも課題はあるさ。

そうですね。

次に「C」と「D」です。かなり少数派にはなりますが……。
C判定の会社:
- 近い将来に向けたビジョンがある(仮でも)
- 人材育成に予算をつけている
- 国内で競争力を高めている
- でも、海外で同様に通用するかはまだ未知数
D判定の会社:
- 海外と国内の壁を越えるビジネスモデルを模索中
- 社会変化に応じて、柔軟に事業を見直してきた
- 成長事例をもとに、方法や進出先の変更も視野
- 経営の柔軟性が最強レベル

ものすごくハードル高くないですか。

うん、すごく高い。

ビジネスモデルを逐次見直すなんて、現場の業務だけでも手一杯の中小企業に必要なことなんでしょうか?

・・・。

それは、必要だな。
そこは、必要なとこだよ。

(ソーナンダ・・・。)

ちなみに、C・D判定の企業は、全体の5%未満だと想定しています。
つまり、かなりのレアケースです。

(ホっ・・・)

それでは、各段階ごとに「今すべきこと」を見ていきましょう。
海外と国内を分けると損をする?


ええつ、「B」の評価に合った、
「海外ではニーズが無い可能性も踏まえながら」
ってどういう意味なんですか?!

・・・。

Aの段階の企業は、現時点では海外進出は難しいと考えています。
というのも、海外進出は、新規事業を始めるのと、ほぼ同じ難易度なんです。
現状が、
- 売上が下降気味
- 新しい展開が未着手
- 働き手の配置や教育もうまくいっていない
という会社は、まず“今”を立て直すのが優先です。

(グサッ・・・)

ただし、ここで「国内向けだけ」に改善しても、効果は限定的です。
どうせやるなら、海外でも活きるように“強化”しておくと、いざ海外進出のときに、最強の時短になります。

なるほど、合理的ですね。

「B」の評価を受けた企業についても解説します。
この段階では──
- どんな変化が市場から求められるかが見えていない
- 海外展開に進んでも、最初は国内事業の売上が命綱
そんな中で、「予測できない変化に何も対応していない」のは…かなりリスキーです。
ですから、まずは:
- どんな変化が起こりうるかを予測し、
- その変化に耐えられるビジネスモデルを検証する。
そして、
- 今の売上を守りながら、
- それだけに頼らない新たな力=新しいビジネスモデルを育てていく必要があります。

( ”予測不能なことが手つかず”って結構深刻・・・)

でもご安心ください。
その「手つかず」が一つずつクリアできたなら──
- 国内はもちろん、
- 海外でも通用するような、
- 強いビジネスモデルが見えてくる。
そのときには、国内強化の道のりそのものが、海外進出の助走になっているはずです。
つまり、
- 国内での改善は、海外を見据えた強化として行う
- 商品も人もマーケティング力も、国内だけで完結させない
という視点が、大事なのです。

具体的には、どういう取り組みがありますか。

たとえば、
・ホームページを日本語版から制作しないこと
→海外向けWebサイトはありますか
・商品開発前に海外規制や知財を調べておくこと
→知的財産は管理されていますか
→輸出輸入規制について知っていますか
・マーケやブランド構築を、日本だけの習慣で組まないこと
→海外マーケティングはできていますか
→海外ブランディングもできていますか
もしこれらを国内事業とは別物としてバラバラに進めてしまうと、あとから「海外仕様に全部作り直し」となります。商品も、体制も、全部。
でも、最初から“海外も視野に”組み上げていけば、その経験値すべてが、海外進出時に武器になります。
そうなれば、「よし、海外展開本格始動だ!」となった時には、クイックスタートが可能になります。

「上々のクイックスタート」って響き、いいですね!

なるほど……!
国内事業を強化していけば、その延長で海外進出も見えてくるってことなんですね。

そのとおりです。
2035年問題が突きつける現実とは?

ところで、話を戻すけど、
「海外展進出しない」という選択なら、別に海外基準で社内強化する必要は、ないんじゃない?

海外向けに展開しないなら、英語もいらないし、
いままで通りにやっていけば、それなり続けられる気がしますよね。

・・・、その感覚、実は落とし穴なんです。
「2035年問題」って、お二人はお聞きになったことはありますか。

(・・・・ナンダロウ)
(いっぱいあるからな、2030年問題、2045年問題、あとは)

市場縮小、高齢化、人手不足……医療負担も増えて、経営には厳しい時代になりますよね。

そう、その通りです。
すでに今も、中小企業は人材確保に四苦八苦しているはずです。

当社には、ワタクシがおりますので、そこはご安心を、と思います。

(そうですね。。。)

でも、30代、40代の中堅が少ないですし、いわゆる”高度人材”はうちには来てくれません。

(ワタクシは、非・高度人材・・・)

人が来ない、育たない、採れない。
そして市場はどんどんニッチ化&多品種小ロット志向になっていく。
このとき、“海外で実戦を積んでる企業”と、“海外のことを知らない企業”では、対応力にも明らかな差が生まれます。
「海外進出している会社」には、
- 情報
- スピード
- 適応力
- 魅力ある企業文化
が備わっています。
だからこそ、
- 顧客に選ばれる
- 求職者に選ばれる
のです。

それってつまり、「海外に行かなくても、負けてしまう」ってことですね……。

その通りです。
もちろん中には、
「自分の代で会社をたたむ」と決めている経営者もいらっしゃいます。
でもそれも、
- 企業価値があれば、売却という選択肢がある
- 価値がなければ、持ち出しで廃業もあり得る
キーワードはやっぱり──
「そこに至るまで、会社は強くされてきたか」なんです。

最近は、M&Aでも、日本の会社が買ってくれるとは限りませんよね。

おっしゃる通り。
中小企業でも、社長が外国籍になる未来だってあり得ます。

(えっ、ウチの社長が外国人に!?想像つかない…)
海外進出しなくても問われる強さとは

たとえば、こんなケースを想像してみてください。
あるA社。
海外には出ていないけれど、国内市場ではそれなりのシェアを維持。
競合も同じように閉じた環境にいたので、特に大改革もせず、DXもそこそこ。これまで、まあまあ普通にやってこれた……という会社。

はい。

そんなところに、ある日、外資系企業がその業界の“おいしさ”に気づきます。
まずはA社の弱小ライバルを買収。
徹底的にコスト構造を改善し、商品を安く・早く・便利に。
そして一気にシェア奪取。
A社は防戦一方、売上は減少、立て直しもできず、結局、A社自身にもM&Aの提案が来る──
しかも希望額とはかけ離れた“買いたたき”価格で。

そそそんな未来、考えたくない==!

ふむ……現実にあり得る話だな。

会社経営とは、「会社を続けること」が前提です。
もし、売却も廃業も予定していないのなら、「海外進出しない」と決めていたとしても、海外の市場や、外資の競争力は、無関係ではいられません。

なるほど。。
海外に行かなくても、競争力や強さは不可欠、ということですね。

はい。

(何だかややこしいですが)
だったら、海外進出した方が、ソトの動きも良く見えるし、話が早くないでしょうか。。。

その考えも一理あります。

でも、話はそう単純ではないんだよ。

大切なのは、「海外進出する・しない」に関係なく、問題から逃げずに向き合う姿勢。
その瞬間から、会社は確実に、強くなります。
その強さを、一緒に育てていきませんか?

ぜひお願いしたいです

調子がいいな、ワタクシは本当に!